タケルはリアル・チャンピオンだ。彼との練習はすっごい楽しかった
──ところで、アーチュレッタ選手は武尊選手と練習されたことがありましたよね? かつてメイウェザーと対戦したことのある那須川天心選手と東京ドームでのメガイベントに臨むのですが、武尊選手の印象は?
「タケルはリアル・チャンピオンだね。俺は日本の選手はもちろん、アジアのファイターってすごく好きなんだ。というのは、すごくハードに取り組んで、ものすごい集中力で立ち上がってくるし、試合内容もすごくて。その点から見ても、俺はタケルの大ファンだよ! 俺のセンセイのドゥエイン・ラドウィックが彼を連れてきてくれて練習する機会があったけど、素晴らしい経験になったよ。ただちょっと偶発的なエルボーがあって目をカットしてしまったこともあったんだけどね。その次に練習する機会ではすっごい楽しかった。いいトレーニングができたよ。彼は素晴らしいファイターだ。彼の試合を見るのも、彼と練習するのも大好きだよ。彼のことを応援し続けるし、天心戦も楽しみにしてる。彼の戦いがひときわ聴衆の目を引くだろうし、武尊が勝利を手にするだろう」
──スコット・コーカーBellator代表が、日本大会の開催も示唆していますし、メガイベントに選手を出したいという話にも興味がありますか?
「あー、とりあえず武尊戦は生で観戦したい! なんとかしてくれない?(笑)。応援したいよ。ついでに日本を探検したいなあ、おいしい和食を食べたいんだよ、寿司とか刺身とか。日本の文化に触れたいなあ」
──とりあえず出る側ではなくても日本で格闘技観戦と観光がしたいんですね。ところで、来たるハワイにはご家族も同行されますか?
「うん、休みをとって俺の試合を観に来てくれるよ。前回世界タイトルを獲った時には、家族の目の前で勝利を捧げることができなかったから、今回はそうできるっていうのはすごく嬉しい。家族と勝利の喜びをその場で分かち合えることが楽しみなんだ」
──そういえば以前、アーチュレッタ選手のご家族は勝利の際にすごく盛大にお祝いしてくれると仰っていましたよね。こんなことを伺うのも失礼かもしれませんが、逆に負けてしまった時は盛大に励ましてくれるのですか。
「ああ(笑)、そういう意味では、勝とうが負けようが、同じ。これはウチの家訓というか、俺たち家族は『何があろうとお互いのためにいる』っていうことをみんなしっかり理解してるから。もちろん負けるなんてことがあったら、家族全員でめちゃくちゃ嫌な気分になってしまうわけだし、勝つに越したことはないけどさ。俺にとっては、試合に出てファンが喜んでくれて、観客が自分の試合を面白がってくれている限りは、勝敗そのものは結果でしかないっていうか。
つまり俺の試合は決して観客を飽きさせることはないって思ってるし。たとえば俺はヘンリー・コラレス戦なんかはちょっとチェスマッチのような難しい試合だったと思っているんだけれども、それも含めて俺の試合の全てが数百万回と再生されていて、ファンのみんなは何度となく見返してくれているよね、それってファンが望むようなパフォーマンスをできているってことだと思うし、それが俺自身にも、そして俺の家族にとっても喜びになってるんだ」