「全力ファイト」同士の戦いに
カーライルは、2020年のUFCデビュー戦でアーロン・クルーズに1RでTKO勝利したものの、ビリー・クアランティーロ(UFC4勝2敗)、ビル・アルジオ(2勝2敗)相手にキャリア初の2連敗でリリース。
その後、フェザー級からライト級に転向すると、3月にLFAでモンゴルのバットスムベレル・ダグワドルジを1R、リアネイキドチョークで極めると、6月のBallys Fight Nightでは、2015年にギガ・チカゼに判定勝ちしているジル・ガルダドに1R アームバーで一本勝ち。さらに、10月にはBellator、PANCRASEでも活躍したJJアンブローズに下がりながらの左を効かせて、最後は右フックで2R KO。2021年12月の前戦「Bellator 272」では、同じく元UFCのダン・モレットに3R リアネイキドチョークで一本勝ちし、4連続フィニッシュ勝利を飾っている。
特に前戦のモレット戦では、モレットにダブルレッグテイクダウンからバックマウントまで奪われかけたものの、上を取り返して反撃。逆転のリアネイキドチョークを最終ラウンドで極めている。
テイクダウン&パウンド、下になってもスクランブルでポジションを奪い返すなど「全力ファイト」が信条のカーライルに対し、武田は「スクランブルでは僕の方が勝っているなというところがあると思うので、そこで勝負したいなと思います」と、相手の得意なスクランブル合戦でも劣ることなく勝負できる、とした。
また、カーライルはトリッキーな動きで試合を逆転することも多く、亀から立ち上がって背中を見せて逃げながら追ってきた相手にスピニングバックフィストでKOしたり、ケージに押し込まれた状態でヒジを頭部に連打し、ダウンを奪ってパウンドアウトするなど、際の動きにも注意が必要だ。
武田もその点は研究済みで、「展開の中で“行ける”と思ってやると、そういうところでやられちゃうこともあると思うので、一つひとつ対応していきたいなと思います」と警戒した。
今後に向けて、DEEPライト級王座を返上。2019年4月に初参戦したRIZINでは、川名雄生と久米鷹介を撃破したものの、2021年9月には矢地祐介に敗れて14戦目にして日本人相手に初敗北。大晦日に“ブラックパンサー”ベイノアを腕十字で極めて再起を果たした。
「初めてRIZINに出させてもらったときにダミアン・ブラウン選手に負けちゃったんですけど、今回も同じ4月で海外選手と戦うので、いろんな意味で思い入れのある月です。それに格闘技を始めたきっかけはUFCの試合を見て、スゲーかっこいいなと思って、目標はUFCやBellatorという2団体で戦いたいというのがあったので、その2団体で試合をしている選手と試合が出来るのは光栄ですし、勝ちたいなと思います」と、パンデミック後の国際戦に向けて意気込みを語った武田。
「僕はいつもそうなんですけど、何かが上手いわけではないし、何か突出して強いものを持っているわけでもないですけど、僕らしさと言ったら、泥臭さやガンガン前に出ることだと思うので、いつも通り、我武者羅に全力で一生懸命、試合をすることが出来たら」という武田は、同日に試合をする同門の芦田崇宏(vs.カイル・アグォン)、上田幹雄(vs.高阪剛)とともに「このBRAVE3選手ともに勝利出来ればと思います」と、BRAVE勢全勝を誓った。