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【RIZIN】極真世界王者・上田幹雄、MMAデビュー戦へ向け「準備万端」空手の技は「咄嗟に出る」顔面パンチ克服にはK-1無差別級王者サッタリと練習も

2022/04/05 14:04
 2022年4月17日(日)東京・武蔵野の森総合スポーツプラザ『RIZIN.35』にてMMAデビューを果たす、極真会館2019年第12回全世界空手道選手権大会優勝の上田幹雄(BRAVE)が、5日(水)所属ジムにて公開練習を行った。  上田は30秒間のサンドバッグ打ちを披露し、上段廻し蹴りや後ろ廻し蹴りなどの大技も蹴り込む。MMAではなかなか使いづらいと思われる大技だが、上田は「使って行ければ使おうと思っています。空手でもMMAでもその場に落ちた(適した)技があるんですよね。無暗に使おうとは思っていませんがその場が来たら使おうと思います」と、当たると思った場面が来れば自然と出ると答えた。  空手ではオーソドックス・サウスポーという概念がなく、左右どちらでも構えることができ、どちらの構えでも同じように技を出して戦えるようにするため「自分の良さで言えばオーソドックスもサウスポーもしっかり構えられるので、それはMMAでも相手に順じて対応できるのかなと思っています」と、最初からスイッチを身に着けていることがアドバンテージになるかもしれないとする。  組み技を見せなかったのは「公開練習が30秒なので得意な空手を見せようと思って」と、手の内を隠したわけではないという。  現段階でのMMAファイターとしての仕上がりは「自分の理想にはまだまだですが、試合には万全な準備は出来ています。レスリングの方も日大レスリング部にも週3回行っています」と戦える準備は整っているとし、「イメージ練習は常にやっています。入場とかあって空手とはまた違いますが、そこで気負いせず最終的には冷静に戦えれば結果は見えてくると思っています」と、冷静に戦うことが勝機に結びつくとの考え。  今回、会場となる武蔵野の森総合スポーツプラザは2019年11月に『第12回オープントーナメント全世界空手道選手権大会』で16年ぶりに空手母国の日本に世界王座を奪還した思い出の場所でもある。また、2018年に『全日本空手道選手権大会』で初優勝した会場でもあり、「自分は1回も負けたことがない会場なのでめちゃくちゃいい場所です」と笑った。  共に公開練習を行った同門の先輩・芦田崇宏は「BRAVEで一緒に練習させてもらっていますが、日に日に手に負えなくなっています。最初は空手家だったのがレスリングも強くなっています。組みも力だけではないところで出来るようになってきているので」、武田光司は「最初はバックボーンの空手家という感じでしたが個々のひとつひとつの形の展開を身体が覚えてきていると思うので、僕が一個一個対応していくと上田さんもそれについてくるのでやりにくくなっていますね」と、上田の成長スピードに太鼓判を押す。  フルコンタクト空手出身者が最初にあたる壁として顔面パンチへの対応があげられるが、上田は「パンチの打ち方は空手と全く違うところあります。そこはこれからの部分もありますが、防御に関しては今は大橋ジムでボクシングを習わせていただき、サッタリ選手とスパーリングを週1回やっているので怖さはない。打ち方は試合で慣れてくると思います。今は悔いなくやっていくだけです」と、4月3日の「K-1 WORLD GP 2022 K-1無差別級トーナメント」で優勝したムハマード・サッタリ(イラン/TEAM OTA)ともキックボクシングの練習を重ねてきた。  デビュー戦の相手は2年4カ月ぶりの試合となる高阪剛(ALLIANCE)で、高阪はこの試合で引退することを表明している。そのことについて上田は「自分は初戦なので正直そこは考えていません。もちろん総合格闘技の日本のヘビー級を作ってこられたレジェンドだと思っていますが、対戦するという意味で言えばそんなことは考えないで、自分の挑戦なので自分自身がMMAという舞台でどれだけ最高のパフォーマンスを出せるかしか考えていません。尊敬と感謝の意を持って倒しに行きます」と、自分のことに集中しているとする。  やりにくさはないかと問われると「やりにくさはこれから分かって来ると思います。こうしたらやりやすいな、こうなったらやりにくないっていうのは、まだ何もない段階なので、今自分がやっていることをRIZINという大きなこの最高の舞台でどれだけ出せるかだけです」と、まずはデビュー戦をやってみないと分からないとした。  言える範囲でどのような作戦を考えているか。そう聞かれると「寝かされないってことですね。それくらいです。とにかく立ち技に特化してきたので、そこで決めていきたいというか自分らしさを出せればと思っています。(打撃は)全部出せます。出せない技は逆にないので、全ての技を出せます。あとはMMAという競技の中でどう出せるか、それは試合の中でしか分からない。自分は空手時代から感覚でやっているので。相手がこう来たらこう返すとか、この場面になったからこういう技をやるみたい感じやっていたので今回も自然と出ると思っています。空手は20何年やっていますし、今も基本稽古や移動稽古はしています。空手の技は場面の中で咄嗟に出ると思っています」と、立って戦う中で自分の体に染みついている空手の技が出ると答えた。  具体的には「真っすぐな蹴り。前蹴り、内股、三日月蹴り、回転系では後ろ蹴り、後ろ廻し蹴り」と、直線的な蹴りが使えるだろうとしている。  また、ファンに注目して見てもらいたいことは何かとの質問には「MMAになってMMAファイターとしてやりたいんですが、空手の誇りは捨てたくないので入場シーンはどういう姿で出るか楽しみにしていて欲しいです。MMAに特化した練習をやっていますが、20年やってきた空手は離れないと思うので、その時に出る空手ならではの技、咄嗟に出ると思うのでその技のクオリティを見て欲しいですね」と、やはり咄嗟に出るであろう空手で身に着けた技を見て欲しいと話す。  そして「今回は初戦ということで、とにかく胸を借りるつもりでぶつかって、総合格闘技のファンに上田幹雄を知ってもらえる試合をしたいと思います。押忍」と意気込みを語った。
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