自分はこの世界でプロですからね
――では、那須川選手のウィークポイントはどこでしょう?
「難しいですね。サウスポーとやった試合をまだ見ていないから。自分はサウスポーじゃないですか。そこがどうなのかな、とは思います」
「まあまあ、自分はこの世界でプロですからね。スタイルを見ればどう戦うかは頭の中ですぐに組み立てられますよ。ただ、それを実行できるかできないかは筋肉の衰えなどもあるから。頭ではできていても身体はついてきいへんというのは年齢的にあることだから、トシには勝てないんです。でも、カッコ悪くないところまでは仕上げますよ。自分もボクシング界を背負って出る訳だから。
ボクシング業界からも賛否両論の声があって、それでも自分はボクシングを盛り上げたい。ボクシング業界は世界チャンピオンでもアルバイトをせなあかん。そういう状況にまで来てしまって競技人口もどんどん減っている。そういうところでもっともっと活性化させていって盛り上げていって、『俺もボクシングをやりたいな』っていう声を出していかなあかんから。そのために俺は今回の企画に出る訳で。
ボクシング業界の中には『なんだ、あんな企画に出やがって』と言う人もおれば『盛り上げてくれて凄いな』って言う声もあるはず。そういう声がいっぱいあるからこそ、盛り上がるわけです。だから俺はこれからのボクシング界のために、しっかりといい形で出て、ボクシングって強いんやでってところを見せられるようにしないといけない」
――その話とつながるのですが、2015年10月に一度引退して、2017年5月に1000万円企画をやり、2018年5月にはポンサクレックと引退試合を行いました。そして、またこうしてリングに上がることになったわけですが、何が亀田選手をリングに駆り立てるのでしょうか?
「1000万円シリーズは元々自分が最初にやって、大毅がやって、天心選手がやって、という流れじゃないですか。1000万円シリーズの元祖じゃないですけれど、結局、こういう形になってくるんでしょうね。それは、亀田興毅がまだ必要とされているからだと思います。時代が令和になっても。本当なら平成で終わっておけや、という話ですよ。でも格闘技界全体を盛り上げていって、格闘技って面白いなっていう風になっていったらいいかなって思うんです。自分にしかできないことがあると思うし、みんなで力を合わせて業界全体を盛り上げていければいいんじゃないですか」
「戦いはあまり好きちゃいますよ。自分は練習も嫌いなんですから(笑)。朝、走るのなんて大嫌いやし。とにかくもう、これが決まったからにはまた練習せなあかんでしょう。どんだけ嫌か。毎日毎日、凄く憂欝ですわ。でも、やると決めたからにはやらなあかんからね。自分もプロやから、そこはきっちりと仕上げて臨みますよ」
――那須川選手と言えばカウンターのイメージが強いですが、そのカウンターに対してはどうですか?
「どうなんですかね、あのカウンターをもらったら危ないとは思いますよ。ただ、果たして当たるかどうかですけれどね。そう簡単には当たらないです。そもそもパンチを当てるのって難しいんですよ」
――那須川選手のディフェンス能力はどう見ていますか?
「上手いと思います。ディフェンスも仕上がっていますね。ほんまに正直言って、全体的に強いと思います。これは持ち上げているわけではなく、ほんまに強い」
――先日の挑戦者のアマチュアボクサーが「思ったよりもパンチが軽かった」と言っていたのですが、亀田選手から見てどうですか?
「それはあのアマチュアの選手が大きいからですよ。ライト級くらいの選手からすれば、パンチが軽いって言うて当たり前。それがスーパーフライ級やバンタム級くらいで戦っていた自分からすれば、パンチが軽いわけないです。それが階級差なんです。そこをみんな分かっていないから、しっかり説明した方がいいと思いますよ。メイウェザーvs天心にしても、1Rで天心選手がKOされた、当たり前やって。むしろ1RでKOできなかったら、メイウェザーなにしとんねんって話やから。だからボクシングって、これだけ細かく階級が分けられているんです。一般の人からすれば1kgとか2kgなんて大したことないやんって分からないんです」
――今回は亀田選手の方が軽い階級なわけですが、それでも倒せる、と?
「そこは倒しに行かないとね。倒しに行きますよ。ボクシングの厳しさを教えてあげないといけない。でも、彼は恵まれていると思いますよ。メイウェザーとやって、亀田興毅ともできるんやから。そんな選手、他にいないでしょう。素晴らしい経験ですよ。それが今後の彼のプレッシャーにならないように、周りが上手くやってあげたらいいなと思います」
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