プライチュンポン「安保とはお互いの技術をぶつけ合う展開になると思う」
――昨年3月以来のK-1参戦となります。前回の試合(野杁正明に判定負け)を振り返ってもらえますか?
「前回は初めてK-1ルールの試合で凄く緊張してしまい、全然リラックスした状態で試合ができず、全力を出し切ることができなかったと思う」
――100%の自分ではなかった、と。
「K-1ファイターはいい選手も多いし、自分の中では普段の70%ぐらいしか力を発揮できなかったよ(苦笑)」
――野杁選手はのちにウェルター級王座決定トーナメント優勝してチャンピオンになりますが、どんなところに強さを感じましたか?
「野杁はとても強くていい選手だった。特にボディブローがうまく、防戦一方になってしまった。今まで100戦以上やってきたけど、野杁が一番強かった。ただし、野杁のように強い選手と対戦することは好きだし、いい経験にもなる。野杁と戦ったことで自分も成長していけると思ったよ」
――K-1ルールはムエタイルールで許されているヒジ打ちや組んでからのヒザ蹴りが禁止です。やりにくさはなかったですか?
「自分は小さい頃からムエタイをやってきて、ムエタイの戦い=ヒジ打ち・組んでからのヒザ蹴りも得意だが、K-1ルールではそれが禁止されている。K-1とムエタイは別競技というぐらい違うものだが、そのなかでも共通している部分がある。だからそこを上手く考えなら、K-1用のファイトスタイルを確立させたい」
――2度目のK-1参戦に向けて、どこに力を入れて練習していますか?
「前回は蹴りだけしかできなかったが、今回はパンチを強化してきた。野杁戦のときはK-1ルールというものを理解できていなかったし、どういうスタイルで戦って、どういう技を出せばポイントにつながるのかも理解していなかった。それが敗因だったと思うし、今はK-1ルールでどんな技が有効かもしっかり分析できている」
――対戦相手の安保選手にはどんな印象を持っていますか?
「さっきも話した通り、私は強い相手と戦うことが好きだから、安保は戦いたかった相手の一人だったし、試合が決まってうれしいよ。おそらく試合はお互いの技術をぶつけ合うものになると思うが、どちらが勝つにしても面白い試合になると思います」
――安保選手のトリッキーな技はどう分析していますか?
「彼の空手仕込みの蹴り技は非常に危険で、あれをもらったらKOされる危険性がある。そこには注意しながら戦いたい」
――また安保選手は「野杁選手がKOできなかったプライチュンポン選手をKOして、野杁選手に挑戦状を叩きつける」とコメントしています。
「その答えはリングの上でお見せしよう。選手はみんな勝ちを目指して戦うし、そのうえでどちらかが勝ってどちらかが負けるものだ。安保は背も高くてスピードもあるからKOするのは難しいと思うが、全力で戦ってチャンスがあればKOで勝ちたい」
――逆に自分が安保選手を倒して、野杁選手の持つベルトに挑戦したいという気持ちはありますか?
「ファイターはみんなベルトを目指して戦っていると思うし、それは自分も同じだ。もしまた野杁と戦うことになって、100%勝てるかどうかは分からないが、前回よりも良い試合をする自信はあるよ」
――それでは最後にファンのみなさんにメッセージをお願いします。
「K-1ルールは2回目だし、リングに上がれば緊張もなくなると思う。ただし今回は相手が安保選手で、彼もすごく強い対戦相手だから、しっかり作戦を練ってリングに立ちたいと思う」