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【RIZIN】皇治、梅野源治との再戦は「俺がバッティングするかしないか、俺が倒すか倒されるか、どういう試合をするか。それだけ」見せたいのは「一発ホームラン」

2022/03/12 15:03
【RIZIN】皇治、梅野源治との再戦は「俺がバッティングするかしないか、俺が倒すか倒されるか、どういう試合をするか。それだけ」見せたいのは「一発ホームラン」

魔裟斗をK-1世界王座に導いた飯田裕トレーナーが構えるミットに右ストレートを叩き込む皇治(C)RIZIN FF

 2022年3月20日(日)丸善インテックアリーナ大阪(大阪市中央体育館)『RIZIN.34」のセミファイナルで、因縁の梅野源治(PHOENIX)と対戦する皇治(TEAM ONE)が11日(金)都内にて公開練習を行った。


 魔裟斗のボクシングトレーナーでもあった飯田裕トレーナーが持つミットに、軽快なステップから、入り込んでのジャブ、伸びる右ストレートを打ち込んだ皇治。「去年の10月から見ていただいて、やっと少しは形になって来たかなって感じですかね。いろいろな世界ランカーとか世界トップクラスの人とボクシングをやらせてもらって、日々勉強になっています」と、ボクシング技術の向上に感触を得ているという。

 飯田トレーナーに最初にミットを持ってもらった時は「お前は格闘技を初めて3日目か」と言われてしまったと言うが、「今は4日くらいですか(笑)。今は怒られることも減って、少しは成長しているんじゃないですかね」と進化している。「飯田トレーナーがついてから2~3カ月で強くなったらみんな強くなっとるわと。せやから、しっかり強くなろうということを目標にやっていたので、その最中に無理やり起こされましたけれどね。まあ、少しは強くなっているんじゃないですかね」と、大晦日のYA-MAN戦よりは成果を見せられるのではないかとした。


“冬眠”から無理やり起こされたと言い、「当分試合はしない気でした」とのことだが「RIZINが困ってるって言うて、ここで出て欲しいとオファーをもらったのでね。自分がどうこう関係なく少しでも話題になったらええかなと思って。ここで出なかったら漢じゃないとまで言われたんでね、漢と語ってやっている以上は男気を見せないと、と思って出ることに決めましたね」と男気で出場を決めたとする。

 その対戦相手が梅野と言われた時にどう思ったかと聞かれると、「何ともなかったですよ、別に誰でも良かったですし。ただ、ずっと教習カーの隣におっさん乗せて敷地内を走っていただけだったので、減量のこととか心配でいろいろありましたけれど、もう決まったもんはしっかりやるだけなので梅野選手にどうこうは全くないですよ」と、別に相手は誰でもよかったという。


 梅野から会見で「バッティングあり、ヒジ打ちあり」のルールを要求されたことについては「勘違いするなよと。俺がいなかったら彼は試合が組まれることはなかったでしょうし、ごちゃごちゃ言うなと思っていましたし。ぶっちゃけた話、自分からするとメリットが何もないので。ただ、彼がほんまにそう言うならば本当にいいと思いますよ。ラウンドもなしで喧嘩したらいいんじゃないと思ういますけれど、そんなこと言いだしたらスポーツでも何でもなくなるからね。やる気もないくせにほざいとるわ、って感じですね」と、全く意に介さなかったとした。

 梅野とは2021年6月27日、同じ丸善インテックアリーナ大阪にて開催された『RIZIN.29』の「RIZIN KICKワンナイトトーナメント」1回戦で対戦。1R開始からわずか43秒、皇治のバッティングにより梅野は鼻を2カ所骨折してドクターストップ。両者とも不完全燃焼のノーコンテストとなっているが、その短い時間の中でも相手の力量を感じ取れたのか。皇治は「何もないですね。大したことなかった。言いたいことはいっぱいあるけれど、それは終わってからでいいと思います」と、含みのある答え。「勝って当たり前ですし、バッティングは100%俺が悪いけれど。俺はどうなろうが戦い抜くので、そこの違いも見せようかなと思います」と、覚悟の違いを見せるとする。


 大晦日のYA-MAN戦でもやってしまったバッティングとローブローについて、今回もやってしまうのではとの声が聞こえることには「同じことを繰り替えしとってもあかんしね。不器用ですで済む話じゃないので。そこはしっかり向き合って、昔のスタイルに戻さないと、と思って(以前所属していた)神戸のSFKっていうジムの寒川代表のところにも行ったりして真面目にやっていますよ」と、修正に取り組んでいる。

 その改善点が身に着くまで冬眠するということだったのか、と聞かれると「自分は闘争心とか、ハングリー精神バリバリで。凄い貧乏やったんで金持ちになりたいとか見返してやりたい気持ちが強くてここまで来たので、ちょっとハングリーさがなくなってきたのかなといろいろ考えていましたね。だからもしまた戦う気持ちが作れたならば、あのリングに上がって自分のファンとかみんなに恩返しが出来たらいいなと思っていましたけれど。まさかこのタイミングになるとは思っていなかったですね」と、考えるところがあったからだと説明。


 お金も知名度も手に入れた今、何がモチベーションになっているのかと問われると「自分はカメラが回るとつい調子に乗る癖があるんですけれど、素直に悔しいんですよね、RIZINに来てから全然勝てなくて、ファンにもガッカリばかりさせていて。そういうのを男として悔しいなって思いますし、まだまだ見返したい欲がありますし、自分がいつもカッコつけて言うように人生一生挑戦やと思うので。まだ脳みそもかろうじてしっかりしているし、手足も動くので。まだ戦えるかなと。ここで逃げるのは自分らしくないかなと思って戦おうと思いましたね」と、悔しさがバネになっているとした。

 今回の試合のテーマは、という質問には「バッティング。俺がバッティングするかしないか、俺が倒すか倒されるか、どういう試合をするか。それだけやと思うんですよ。梅野選手がどうこうは全く関係ないと思うので、自分がどういう試合をするかの話やと思うのでテーマはバッティングじゃないですか。みんなそれを目的に見ると思うので、俺がほんまに綺麗に戦えるのか、それともまた下手くそでバッティングしてしまうのか。そこをみんな注目すると思う」と、あくまでも自分が主体の試合だと断言。


 インタビュー中、横にあった初公開のポスターには「ここにあったんですけれど、RIZINからのメッセージじゃないですか。『男なら、道なき荒野をまっすぐに歩け』と。俺にはイマイチよく分からないですけれど、気付いたら横にありましたね。でも、俺の生き方がそうやったんじゃないかなと。道なき道を勝手に自由に走り回ってここへ辿り着いたので、RIZINからのメッセージじゃないかと勝手に捉えています。こんなんしたら、またモテてしゃーなくなりますよね」と、RIZINからのメッセージだと受け取っているという。

 前回の梅野戦で、ファンの期待を裏切ったことに対する落とし前をつけるという意味合いも今回はあるのか。皇治は「初めて消えた方がラクやと思ったし、自分自身に失望しましたし、がらになく凄いショックやったし。自分が悪いんですけれどね。周りに合わせる顔がないっていうのはこういうことかなというくらいにへこんだので、そこからまたたくさん周りに支えられて喋れるようになったので、どうにか戦いで、結果で見せたいなと思っています」と答えた。


 いつになく真面目な返答が多いが、「もう32歳なので、パフォーマンスじゃなくてしっかりしたところを見せたいなって強く思っていますね。今回も20日前くらいの発表でしたけれど、たくさんの皇治軍団が応援に来てくれるみたいで、それはもう感謝しかない。いつになく燃えています。あと自分、1試合目にしてもらっていいですか。セミファイナルとか凄く嫌なんですよ。ちょっと夜に予定があるので(笑)。1試合目だろうがオープニングだろうが、しっかり見せたいと気合いが入っていますね。なんなら若い子たちに大きい舞台でセミファイナルを経験させることによって格闘技が盛り上がると思うので。自分は自分の仕事をしっかりしないといけないと強く思っています」と、記者会見のおふざけとは裏腹にしっかりしたところを見せたかったとする。

 どんな勝ち方をしたいかと聞かれると「ホームランですね。一発ホームランじゃないですか。そういう試合を見せたいですね」と言い、「みんながまたコイツ言い出したぞ、またコイツ言うとるわって、ファンもアンチものれるような発言が出来たらいいなと思っていますけれど、今は言うことないですね」と試合が終わってほざきたいとした。


 そして最後には「冬眠って言ってましたが、こうして目を覚ませてくれたのはファンのみんながあって起きれたと思うので、あいつを冬眠から目覚めさせてよかったと思ってもらえるような試合をするのが俺の仕事だと思う。いつもふざけていますがほんまに悔しくてたまらん1年やったので、しっかりいい1年に出来るように、みんなに恩返しできるように頑張るので、どうかみんなの力で大阪RIZINを盛り上げてくれたらな、と思います。当日は一緒に戦ってください」と、今年を昨年とは違ういい1年にしたいと語った。

 また、昨年の大阪大会のトーナメント決勝で戦い、試合後にお互いが炎上騒ぎとなった白鳥大珠と会ったことについては「彼がどういう経緯かは分からないけれど、彼に聞いたのは自分と食事に行きたいと。1回会って喋りたいと。どうやったら名前が売れるかとか、どうやったら格闘技界を盛り上げられるかとかを率直に聞いてきはって。負けてしまったので言うことはないんですけど、今後格闘技界をどうしたら盛り上げていけるかって話をしたり、自分も素直に認めているので男前で強いのでこれから格闘技界を盛り上げて欲しいことを伝えました。昔はそういうなれ合いが嫌いで、他のファイターとメシを食いに行くなんてありえなかったんですけれど、もう32歳にもなってそういうのもありかなと思って初めて行きましたね。格闘技を盛り上げたい気持ちは一緒なんでじゃないですかね。彼は男前だからこれから注目ですよね」と、大人になったと笑った。

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