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インタビュー

【K-1】無差別級トーナメントに挑む石井慧「無差別級でやることが強さの美学」、実方宏介「石井選手の試合はつまらない」

2022/03/09 17:03
 2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』。K-1 JAPAN GROUP年間最大のビッグマッチとなる今大会は、K-1生誕の地である同会場で、1993年4月の第1回大会で行われたのと同じく「無差別級トーナメント」が開催される。  トーナメント1回戦で対戦する石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)と実方宏介(真樹ジムAICHI)のインタビューが、主催者を通じて届いた。 石井慧「全てを注ぎ込んで気持ちの伝わる試合をして優勝します」 ――無差別級トーナメントの出場が決定して、どんな心境でしょうか? 「純粋に自分の中では挑戦ですね。K-1のワンデートーナメントという初めての挑戦が決まって興奮しています」 ――石井選手は今回のトーナメントが決まる前から「次の試合に勝ったらトーナメントをアピールしたい」と考えていたそうですね。 「はい。自分自身への挑戦としてトーナメントをやりたくて、3戦目もスーパーファイトになると思っていたので、そこで勝って『トーナメントをやってください』とアピールするつもりでした。そのアピールをする前にトーナメントが決まって嬉しいです」 ――K-1ルールを2戦経験して、どんな部分が成長していると思いますか? 「ローキックのカット一つとっても『こうやらないといけないんだな』というものがあったり、試合前に『KOを狙って力み過ぎるな』と言われていても力み過ぎてしまったり。スパーリングでは分からないものが場数を踏むことで分かってきました」 ――K-1ルールは立ち技格闘技のなかでもパンチ・キックに特化したルールだと思います。 「本当に逃げ場がないですからね。でもクロアチアには『泳げない人間に泳ぎを覚えさせたかったら海に飛び込ませろ』という格言があって、打撃を覚えたかったら打撃の試合をするのが一番ですね」 ――K-1に初参戦した時のインタビューで「K-1に憧れていた」というコメントもありましたが、いつ頃からK-1を見ていたのですか? 「僕が初めて総合の試合を見たのがヒクソン・グレイシーvs船木誠勝なんですけど、その前からK-1は見ていましたね。それこそ柔道をやる前からK-1は見ていました」 ――今、石井選手はミルコ・クロコップ選手に師事していますが、色々なファイターがいるなかでミルコ選手を選んだ理由はなんですか? 「試合をしたというのもあるし、ウマが合うんですよね。一緒にいてお互いのことが分かりやすいというか。あとは自分と同じサウスポーで、アマチュアボクシングもキックボクシングも総合もやっている。総合・キックの両方を知っているのが大きいですね。総合格闘家の僕がどうすればK-1ルールで勝つかを分かっているので、そういう視点からアドバイスをもらっています」 ――ミルコ選手はストイックなイメージがあるのですが、普段はどんな人物なのですか? 「基本的にトレーニングが好きですね。夜更かしもしないし、夜11時以降は出歩くなと言われています。冗談を言うときは冗談も言うし、オンとオフがしっかりしています」 ――1回戦で対戦する実方選手にはどんな印象を持っていますか? 「試合を見た感じではムエタイベースでパンチが早い印象です。でも僕は誰が相手でも相手のスタイルは気にしないというか、まだそこを考えるレベルじゃない。自分が持っている駒をどう使うか。そこを考えて試合に臨もうと思います」 ――お互い決勝まで勝ち進めば、決勝戦で京太郎選手と戦う可能性があります。 「僕はずっとロード・トゥ・京太郎選手というテーマを掲げていましたが、今は決勝で実現したらいいなくらいですね。勝負に絶対はないですし、今は実方選手に勝つこと。一つ一つ目の前の試合に勝つことを考えています。このトーナメントに簡単な相手はいないと思います」 ――石井選手は柔道時代から無差別級での戦いを続けていますが、無差別級へのこだわりはありますか? 「ありますね。僕は体重制限がない戦いを大切にしている部分があります。なぜ格闘技をやるかと言ったら、強くなるためじゃないですか。それなのに試合の前日に減量という自分を弱くする行為をするのは矛盾しているというか。格闘技を競技として考えてキャリアを積むのであれば、それもありだと思いますが、僕の場合は無差別級でやることが強さのモノサシだという美学があります」 ――なるほど。 「だから僕はパウンド・フォー・パウンド(※階級別の格闘技において、仮に体重差がなかった場合に最強と目される選手に与えられる称号)も好きじゃなくて、その階級だから出来る動きがあるわけなので、そもそも軽量級と重量級を比べるものじゃないんですよ。みんな身長2m・体重120kgあったら無差別級で戦いたいと思うだろうし、わざわざ軽量級でやろうとは思わないはずなので」 ――それでは最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。 「オールインワン。全てを注ぎ込んで気持ちの伝わる試合をして、試合のパフォーマンスで魅せたいです。前回よりも成長した姿を見せて優勝したいと思います」 [nextpage] 実方宏介「決勝で京太郎選手を倒してリベンジすることが最高のストーリー」 ――無差別級トーナメントの出場が決定して、どんな心境でしょうか? 「去年K-1では2戦やって1勝1敗だったのですが、11月のBigbangでは敗れてしまって、負け越したまま1年を終えました。それがすごく心残りで、悔しさを感じたまま年を越したので、この無差別級トーナメントというビッグチャンスで心機一転、新しい実方宏介を見せようと思ってます」 ――今は悔しさが原動力ですか? 「そうですね。負けた試合を100回以上見てます(苦笑)。僕は勝った試合はあまり見なくて、負けた試合ばっかり見るんですよ。自分が負けた試合を何回も見るのは嫌ですけど、負けた試合を見ないと反省点や改善点が分からない。京太郎選手に負けた試合も何回も見直して、自分の悪いクセや動きを直そうと思って徹底して練習しています。なので今回のトーナメントでは前回とは全く違う姿を見せられるんじゃないかと思います」 ――実方選手は無差別級のなかでは珍しいムエタイスタイルの選手ですが、どんな戦い方でトーナメントを勝ち上がりたいですか? 「ヘビー級でもムエタイスタイルで戦えるのが自分の特徴だと思うので、ムエタイ特有の左ミドルを使いながら試合を組み立てつつ、K-1ルールで学んだ技術をミックスして戦いたいです。ムエタイスタイルと言っても消極的に戦うということではなく、左ミドルを蹴りながら対戦相手の出方を見ながらアグレッシブに戦うということ。ただパンチでだけで打ち合うのではなく、パンチと蹴りを駆使して倒しに行きます」 ――一回戦で対戦する石井選手にはどんな印象を持っていますか? 「石井選手がK-1に来て『石井選手とやらないの?』という話をすごくされるので、これはファンの方たちも待望していた、注目の一戦じゃないかなと思っています。僕的には一回戦から石井選手か…というのはあるんですけど、逆に一回戦で石井選手を喰っておいた方がポンポン!と上に上がれるかなとも思ってます。トーナメントなんですけど、実際気持ち的にはワンマッチのつもりで、1回戦に勝てば自ずと準決勝・決勝がついてくるかなと思ってます」 ――K-1での石井選手の戦い方・ファイトスタイルをどう分析していますか? 「2試合とも会場で見てるんですけど、正直に言うと試合はつまらないと思います。みんなは石井選手のことを壁や岩という表現を使いますけど、そこは僕がテクニックで壊す自信はあります。今まで通りの石井選手に付き合ったら僕もつまらなくなると思うので、そこをどう面白くするかが今回の課題です。いろいろ対策を練っているんですけど、倒せる気がしますね」 ――準決勝・決勝の勝ち上がりについてはいかがですか? 「準決勝ではANIMAL☆KOJI選手とやりたいですね。ANIMAL選手とは交流もあるんですけど、K-1のトーナメントという大舞台で戦いたいですね。決勝はもちろん京太郎選手です。去年の『K'FESTA.4』でKO負けしたリベンジを晴らしたいです」 ――今大会は1993年にK-1が旗揚げした代々木競技場第一体育館で行われ、K-1の原点とも言える無差別級トーナメントが行われます。実方選手はかつてのK-1で好きだった選手はいますか? 「ジェロム・レ・バンナですね。ああいう男らしい試合をする選手が好きで、僕もバンナの試合を見て興奮していました。僕はもともと右利きでオーソドックスなんですけど、バンナに憧れて左・サウスポーに構えて練習してたんですよ。そうしたらいつの間にかサウスポーでも戦えるようになったので、僕が構えをオーソドックスとサウスポーにスイッチできるのはバンナのおかげです(笑)」 ――それでは最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。 「さっきも言ったんですけど、今は1回戦の石井選手のことしか見ていません。1回戦の結果で後は自ずとついてくると思ってます。逆ブロックに去年負けた京太郎選手もいるので、僕の中では決勝で京太郎選手を倒してリベンジすることが最高のストーリーかなと思ってます」
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