石井と1回戦で対戦するのは184cm・120kgの実方
2022年4月3日(日)東京・国立代々木競技場第一体育館『K-1 WORLD GP 2022 JAPAN~K'FESTA.5』。K-1 JAPAN GROUP年間最大のビッグマッチとなる今大会は、K-1生誕の地である同会場で、1993年4月の第1回大会で行われたのと同じく「無差別級トーナメント」が開催される。
トーナメント1回戦で対戦する石井慧(クロアチア/チーム・クロコップ)と実方宏介(真樹ジムAICHI)のインタビューが、主催者を通じて届いた。
石井慧「全てを注ぎ込んで気持ちの伝わる試合をして優勝します」
――無差別級トーナメントの出場が決定して、どんな心境でしょうか?
「純粋に自分の中では挑戦ですね。K-1のワンデートーナメントという初めての挑戦が決まって興奮しています」
――石井選手は今回のトーナメントが決まる前から「次の試合に勝ったらトーナメントをアピールしたい」と考えていたそうですね。
「はい。自分自身への挑戦としてトーナメントをやりたくて、3戦目もスーパーファイトになると思っていたので、そこで勝って『トーナメントをやってください』とアピールするつもりでした。そのアピールをする前にトーナメントが決まって嬉しいです」
――K-1ルールを2戦経験して、どんな部分が成長していると思いますか?
「ローキックのカット一つとっても『こうやらないといけないんだな』というものがあったり、試合前に『KOを狙って力み過ぎるな』と言われていても力み過ぎてしまったり。スパーリングでは分からないものが場数を踏むことで分かってきました」
――K-1ルールは立ち技格闘技のなかでもパンチ・キックに特化したルールだと思います。
「本当に逃げ場がないですからね。でもクロアチアには『泳げない人間に泳ぎを覚えさせたかったら海に飛び込ませろ』という格言があって、打撃を覚えたかったら打撃の試合をするのが一番ですね」
――K-1に初参戦した時のインタビューで「K-1に憧れていた」というコメントもありましたが、いつ頃からK-1を見ていたのですか?
「僕が初めて総合の試合を見たのがヒクソン・グレイシーvs船木誠勝なんですけど、その前からK-1は見ていましたね。それこそ柔道をやる前からK-1は見ていました」
――今、石井選手はミルコ・クロコップ選手に師事していますが、色々なファイターがいるなかでミルコ選手を選んだ理由はなんですか?
「試合をしたというのもあるし、ウマが合うんですよね。一緒にいてお互いのことが分かりやすいというか。あとは自分と同じサウスポーで、アマチュアボクシングもキックボクシングも総合もやっている。総合・キックの両方を知っているのが大きいですね。総合格闘家の僕がどうすればK-1ルールで勝つかを分かっているので、そういう視点からアドバイスをもらっています」
――ミルコ選手はストイックなイメージがあるのですが、普段はどんな人物なのですか?
「基本的にトレーニングが好きですね。夜更かしもしないし、夜11時以降は出歩くなと言われています。冗談を言うときは冗談も言うし、オンとオフがしっかりしています」
――1回戦で対戦する実方選手にはどんな印象を持っていますか?
「試合を見た感じではムエタイベースでパンチが早い印象です。でも僕は誰が相手でも相手のスタイルは気にしないというか、まだそこを考えるレベルじゃない。自分が持っている駒をどう使うか。そこを考えて試合に臨もうと思います」
――お互い決勝まで勝ち進めば、決勝戦で京太郎選手と戦う可能性があります。
「僕はずっとロード・トゥ・京太郎選手というテーマを掲げていましたが、今は決勝で実現したらいいなくらいですね。勝負に絶対はないですし、今は実方選手に勝つこと。一つ一つ目の前の試合に勝つことを考えています。このトーナメントに簡単な相手はいないと思います」
――石井選手は柔道時代から無差別級での戦いを続けていますが、無差別級へのこだわりはありますか?
「ありますね。僕は体重制限がない戦いを大切にしている部分があります。なぜ格闘技をやるかと言ったら、強くなるためじゃないですか。それなのに試合の前日に減量という自分を弱くする行為をするのは矛盾しているというか。格闘技を競技として考えてキャリアを積むのであれば、それもありだと思いますが、僕の場合は無差別級でやることが強さのモノサシだという美学があります」
――なるほど。
「だから僕はパウンド・フォー・パウンド(※階級別の格闘技において、仮に体重差がなかった場合に最強と目される選手に与えられる称号)も好きじゃなくて、その階級だから出来る動きがあるわけなので、そもそも軽量級と重量級を比べるものじゃないんですよ。みんな身長2m・体重120kgあったら無差別級で戦いたいと思うだろうし、わざわざ軽量級でやろうとは思わないはずなので」
――それでは最後にファンの皆さんへのメッセージをお願いします。
「オールインワン。全てを注ぎ込んで気持ちの伝わる試合をして、試合のパフォーマンスで魅せたいです。前回よりも成長した姿を見せて優勝したいと思います」