朝倉未来(トライフォース赤坂)が3月6日の『RIZIN LANDMARK vol.2』のPPV観戦の感想動画をアップ。平本蓮やほか選手の試合について、鋭い観察眼を披露した。
一部では、朝倉による平本評で「子犬が怯えたような目で入ってきた。メンタル的に弱い人なのかなと思った」「簡単にブン投げられて、あれ? この人、エビが出来ないのかな」「幻想を膨らませてきたけど、また同じ展開になっている。あまり成長してない」「キックから転向した選手で今のところ一番センスが無い」「正直、がっかりした」「2連敗は痛い。スターになる選手ってここを勝つ」「1年チャレンジの西谷(大成)くんくらいがちょうどいい」などの強い言葉が見出しで紹介されているが、その実、平本に対する期待と歯がゆさが現れた動画となっている。
もともとセコンドワークに定評のある朝倉は、セミの試合でも練習仲間の昇侍と対戦した鈴木博昭の試合について、「鈴木選手、ちょっと構えを変えてきていて、萩原戦より足の歩幅を広くしていて、テイクダウンディフェンスに重きを置いた構えになって、強くなっていた。リーチが短い相手だと得意」と看破。
続くメインの自身と同じフェザー級戦・鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)vs.平本蓮(ルーファスポーツ)でも、目利きぶりを発揮している。
「やっぱりパンチはうまくて回転が速くコンパクトに詰めていくんだけど、すぐ組み付かれちゃう。組みの対処も8割は押しやられた状態で何もしないし、テイクダウン取られてもエビもしないし、動かない。バックを見せて立っても、蹴りを一切、出さない。蹴り足を取られるとか、そういうリスクを取りたくなかったのかもしれないけど、真っ直ぐのパンチだけでアッパーもボディもあまり打たない。蹴りも使わないから相手はタックルに入りやすい。その展開が最後まで続いて終わりました」と、平本の敗因を分析した朝倉。
特に弱点としてテイクダウン耐性、腰の弱さを挙げる。
「腰が弱かった。特に前に走る系、たとえばニータップとか、鈴木千裕選手もやっていたように組んでいた状態で思いっきり走ると、バックステップが遅いからか、足がもつれてテイクダウンを取られている。それは萩原戦でも1回、足をかけられて後ろに倒れちゃったことがあるけど、やっぱ腰がちょっと弱い、足がついていっていないというのを感じちゃったな」
そのうえで「“平本っちゃん”に大事なのは、結構、ガチスパーに近いスパーリングを3R連続とかでやる練習。マススパーの遠い間合いだと打撃で強いと寝技の展開になり辛い。練習でスクランブルで漬けられて、コテコテになった、そのなかでマウントから立てなかったとか、3Rやっていると出てくる。そのときに1日1個、これはこうしたらよかったんじゃないかとか、一つずつ復習していくのが、一番、強くなる近道なんだけど、“気持ちいい練習”をしちゃってると思うんだよね。おそらく」と推測、提言した。
米国ミルウォーキーでの練習から、CAVEでのアキラ達との練習でも、ガンガン振ってテイクダウンを狙う相手とも練習してきたはずの平本は、打撃で圧力をかけて組んできた相手を差し上げる自信と距離感を語っていたが、実際にはどうなのか。
試合前から舌戦を繰り広げてきた朝倉だが、K-1からMMAに転向したスーパールーキーの本質も語っている。
「格闘技にかける気持ちはすごくみんな感じていて、俺よりも彼は一つに賭けているじゃん。ヤツは格闘技しかないというか。だから、みんな期待しているんだけど、なんかあんだけデカい口叩いたんなら、もっと我武者羅にやってほしかったな、試合を。シンプルに。なんかドテっと無表情に立ったまま、ドテッと背中を着けたまま時間が過ぎたりとか、何でもっと暴れないんだろとか思っちゃった。そこらへんがすごいがっかりした」と、ブレーク待ちの状態になっていた平本に対して、我武者羅さを求めた。
「まだ(平本は)23歳、鈴木選手も22歳で若いですからね、今後、もっと強くなって日本の格闘技の未来を担っていく存在になったらいい」と期待の言葉を寄せた朝倉。
このほかにも「両者と練習したことがある」という魚井フルスイング(和術慧舟會HEARTS)vs.伊藤空也(BRAVE)の試合、かつて対戦したCORO(K-Clann)と増田拓真(総合格闘技道場reliable)の試合、そして、「完成されている」と評した吉成名高(エイワスポーツジム)の試合についても語った動画で、朝倉未来はどこに着眼したか、注目の内容だ。