UFCのニコ・モンターニョとのタイトルマッチは忘れられない、それにもう一度、戦いたい選手が──
【写真】2017年12月「TU26 Finale」でニコ・モンターニョを相手に「UFC世界女子フライ級王座決定戦」に臨み判定負け。ファイト・オブ・ザ・ナイトを受賞した。(C)Zuffa LLC
――脳のダメージは後で出てくることもあるから、どこかで考えなくてはいけなかった。それで、引退のタイミングだと。
「そうですね。それに……試合を50回やりたかった。それから引退しようと」
――プロ戦績は25勝19敗だから44試合……そうか、TUF18とTUF26の2つの「The Ultimate Fighter」での5試合は公式戦扱いではないけど、ロクサンにとっても我々にとっても、立派な試合でした。それで、今週末の試合が50試合目になる。女子選手でMMA50試合というのは、なかなかいないですね。
「いないよ。しなし(さとこ)さんだけだと思っています(※44試合)」
――50試合の中でロクサンが思い出深い、印象深い試合っていっぱいあると思いますけど、いくつか挙げるとどんな試合が印象深いですか。
「たくさんありますね。やっぱり、UFCのニコ・モンターニョとのタイトルマッチは忘れられない。残念ながら負けたけど、頑張りました。そして、実は端さんとまた戦いたい。1回やったけど」
――端選手! あのときは端選手もロクサンもストライクフォースで女子ウェルター級タイトルマッチを戦った後で、ロクサンはヴァネッサ・ポルトにTKO勝ちしてFFFライト級のベルトを巻いていました。端選手はPANCRASEで、ポルトはBellatorでいまも戦っています。
「日本に戻ることが出来て、コロナウイルスの規制が解除されたら、もう一度練習したいですね、端さんと」
【写真】2012年3月「JEWELS 18th RING」で元同門の端貴代と対戦したロクサンは判定負け。以降、主戦場を北米に移した。これが日本での最後の試合となっている。
――……つい感傷に浸ってしまいますが、最後の試合が待っています。その相手が、24歳で8戦無敗、UFCでも3連勝中の新星ケイシー・オニールと決まって、UFCもキツい相手を当ててきたなと、正直、思いました。
「『次の試合が最後です』と言ったら、ズッファから『ケイシー・オニールはどうですか』って。私は『誰でも大丈夫です』と答えました」
――すごいハードパンチャーだし、バックテイクも巧みで……。
「そう。とっても上手いですよ。でも大丈夫ですよ! それに私のパンチだって痛いよ!」
――はい、そうでしたね。現役最後の試合というプレッシャーは感じませんか。
「うーん、プレッシャーは感じるけど、いつも通りの試合だと思った方がいいかなと思いました。楽しみたいなと」
【写真】ロクサンと対戦する無敗のケイシー・オニール。2021年10月の前戦ではアントニーナ・シェフチェンコに2R TKO勝ち。(C)Zuffa LLC
――しかし、無敗でパウンドも強い若い暴れん坊が相手とは……。
「UFCの選手はみんな強いから大丈夫。『私も強いから』と言い続けます。試合は、打撃戦にも寝技戦にもなると思う。打撃で優位になって上を取れれば。大丈夫です、やります。問題ないとは言わないけど、頑張ります。負けないぞ!」