もう50万ドル、60万ドルでは戦わない(ガヌー)
𝗔𝗹𝗹 𝗛𝗮𝗶𝗹 𝗧𝗵𝗲 𝗞𝗶𝗻𝗴 👑
— UFC (@ufc) January 23, 2022
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土曜日の夜、アナハイムでの「UFC270」には22選手が出場した。カリフォルニア州アスレチックコミッションが公開したファイトマネーの合計は200万ドル弱。
ヘビー級統一王者となったガヌーが60万ドル(約6千8百万円)、挑戦者のガーヌが50万ドル(約5千6百万円)であったことや、22人のファイターのうち約半数の基本給(※ボーナスを含まず)が2万ドル(約227万円)以下だったことは、多くのファンの関心を呼んでいる。
「もう50万ドル、60万ドルでは戦わない」と明言しているガヌーが、望んでいるのは、ボクシングとMMAのクロスオーバーの契約だ。
2021年6月に、元ボクシング世界5階級制覇王者のフロイド・メイウェザーと人気YouTuberのローガン・ポールが、ボクシングのエキシビションマッチで対戦した際、メイウェザーは1千万ドル(約11億3500万円)+有料配信収入の50%で約55億円から110億円の報酬を得て、ポールは25万ドル+有料配信収入の10%で、総額約2,000万ドル(約23億円)の報酬を得ると報道されている。
カメルーンでボクシングジムに通い、王者を夢見てフランスに出てきたガヌーは、WBCヘビー級王者のタイソン・フューリーや元王者デオンテイ・ワイルダーとの対戦を望んでいるが、UFCはコナー・マクレガー対フロイド・メイウェザー級のメガファイトが実現しない限り、UFC契約下のファイターがボクシングリングに上がることを許可しない方向にある。
ガヌーはUFCとの王者契約の1年間の延長をただ傍観して過ごすことに対して「どうなるか分からない」と否定的だ。「過去3年間、俺は3回戦っている。1年に1回だ。別に変なことじゃないだろう。何も不満はないし、自分の決断に平静を保っている。すべてがうまくいくといいんだけど。
何が起きたとしても今夜の自分自身と周りの友人たちには誇りを持っている。遠いところから来て、自分の道を築き上げた。それはこの戦いの内容がどうであったかとは別の話しだ。決して諦めず、一歩も退かず、全力を尽くしている自分を誇りに思う」と語っている。
カリフォルニア州でのナンバーシリーズ大会により、あらためて注目されたUFCのファイトマネー。MMA界最大のプロモーションは、毎大会、世界中から強豪ファイターとその陣営を招聘し、1大会で10試合以上ものカードを組んでおり、そのどれもがPPVで売れるわけでもない。
MLB、NPB、欧州サッカーなどでも契約金・年俸の高騰が問題視されるなか、年俸総額を毎年リーグ全体の収入に基づいて上限金額を調整し規定するサラリーキャップも選手会も存在しない格闘技プロモーションが、いかに収支のバランスを取るか。UFC世界ヘビー級王者の次戦とともに注目される。