RISE 1542022年1月23日(日)東京・後楽園ホール
▼メインイベント RISEバンタム級(-55kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R〇鈴木真彦(山口道場/王者)KO 1R 2分04秒 ※3ノックダウン×拳剛(誠剛館/挑戦者・同級2位)※鈴木が2度目の防衛に成功。
鈴木は軽量級離れしたパンチ力と卓越したテクニックで、2018年11月にトーナメントを制してRISEバンタム級のベルトを獲得。2015年8月の『BLADE FC JAPAN CUP -55kgトーナメント』で那須川天心に敗れて以降、連勝記録を重ね5年間無敗、20連勝という驚異の記録を打ち立てたが、2020年11月の「那須川天心挑戦者決定トーナメント」の決勝で志朗にダウンを奪われて連勝がストップ。2月に溜田蒼馬、7月にテーパリットに勝利して9月に那須川天心との再戦を実現させたが、判定3-0で再び敗れた。11月大会では江幡塁を初回KOに沈め、再起を飾っている。戦績は30勝(18KO)5敗。
拳剛は長いリーチを活かしたパンチと蹴りを得意とし、昨年2月には内藤凌太を破りDEEP☆KICK 55kg王座を戴冠。昨年11月のRISE初参戦時には、BOUTの看板選手である拓也を1RKOで下し強烈なインパクトを残した。今年2月には強豪の江幡塁に1RKO負けを喫したが、4月には麻太郎を1RKOしDEEP☆KICK王座の初防衛に成功している。6月大会ではMA日本スーパーバンタム王者・戸井田大輝から3度のダウンを奪って判定勝ち。11月には同級2位の知花デビットを判定2-0に降しており、今回の王座挑戦となった。戦績は18勝(4KO)11敗2分。
1R、ローの蹴り合いで静かな立ち上がりかと思われたが一転、鈴木が右ストレートで中に入っていくと拳剛もこれに応えて青コーナーで激しい打ち合い。両者のフックが交錯する中、拳剛の右フックをもらった後の鈴木の左フックで拳剛がふらつきながらもんどりうってのダウン。
再開すると両者再び打ち合い。コーナーやロープを背にするのは拳剛で、常に鈴木が前へ出る立場で打ち合う。そしてコーナーで鈴木の左フックが決まり、拳剛が身体を丸めたところでレフェリーがダウンを宣告。
再開後、鈴木の連打が決まったところでレフェリーがストップした。
壮絶な打ち合いを制して初回KOで2度目の防衛に成功した鈴木は「拳剛選手も家族の想いとか全部を背負ってこのリングに立って、その覚悟や気持ちが全部伝わりました。ありがとうございました。そして6月、凄い試合が決まっているじゃないですか。格闘技界のめっちゃ大きい。そこへ僕も出場したいんですけど、RISEの一番強い55kgの王者として、リングに立ちたいので、4月のRISE ELDORADOでこの階級でやりかえさなあかん相手がいるので、その舞台でどうでしょうか。4月、絶対に僕が盛り上げるので頼みます」と、志朗とのリベンジマッチをアピール。
そして「今年から山口道場の山口兄弟が道化倶楽部って自分のチームをやることになりましたが、山口兄弟は僕の兄貴分ですし、ずっと兄貴なのでこれからも背中を見せて欲しいと思います。みんなで一緒に格闘技界を盛り上げていきましょう」と、山口道場から独立した山口兄弟にメッセージを送った。
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▼セミファイナル フェザー級(-57.5kg)3分3R延長1R×竹内将生(エイワスポーツジム/同級1位)判定0-3 ※28-29×2、29-30〇平野凌我(MTS/同級7位)
竹内はBigbangフェザー級王座、MA日本スーパーバンタム級王座などを獲得してきたムエタイスタイルのファイターだが、RISEルールにも適応。DEEP☆KICK暫定王者の宮崎就斗からパンチでダウンを奪い判定勝利を収めると、今年1月のRISEフェザー級次期王者挑戦者決定戦では門口佳佑に判定勝ち。7月には王者・工藤政英に挑戦し、1Rにダウンを奪うも工藤の逆襲に3度ダウンを奪われてKO負けしたが、大きなインパクトを残した。9月にはホームリングの『BOM』で元RISEランカーの佐野貴信を破り、BOMフェザー級(57.15kg)王座決定トーナメント決勝戦を制して新たなベルトを手にしている。戦績は24勝(6KO)14敗2分。
平野は英雄伝説アジアトーナメント3位に輝いたことのある岡山の実力者で、戦績は9勝(3KO)4敗1分。7月大会ではYU-YAを失神させ担架に乗せる戦慄の初回KO勝ちを収め、10月大会でもSB日本フェザー級1位・手塚翔太を2R1分52秒でKOしている。
フェザー級は工藤政英が引退のため王座返上、空位となっているため2022年の新王者誕生へ向けて重要な一戦となった。
1R、序盤はローの蹴り合いで平野はカーフも蹴る。竹内は左ミドルを蹴り、そのミドルをフェイントにして左フックを打つ。両者ともこのラウンドは慎重な出足となった。
2R、平野は距離を詰めて左右フックを繰り出すが、竹内は巧みにかわしてヒットを許さない。逆に竹内は左ミドルを蹴り、それをフェイントに左フックを当てる。さらにヒザ蹴り。竹内の長い距離での攻撃が目立ち始めた。
3R、平野は一気に距離を詰めて左右フックを打っていく。竹内はこれに対してホールディングが目立ってしまいイエローカード。どんどん詰めてくる平野に竹内も右フック、テンカオで対抗するもどうしても組んでしまう。そして試合終了直前、竹内は首相撲からのヒザ蹴りを2度放ってしまい痛い減点に。
この減点が響き、判定3-0で平野の勝利となった。
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▼第8試合 スーパーライト級(-65kg)3分3R延長1R△実方拓海(TSKJapan/同級2位、WMC日本スーパーライト級王者)ドロー 延長R 判定0-1 ※9-10、10-10×2△森香津眞(チームドラゴン/同級5位、2018年RISING ROOKIES CUPスーパーライト級優勝)※本戦の判定は30-29、39-30、29-29。
実方は日本タイトルを4冠持つベルトコレクターで、ヒジ有りでの実績は折り紙付き。昨年6月のRISE初参戦では、EVOLのメインで川島史也を撃破。2020年2月には杉本卓也を判定で下し、11月の次期挑戦者決定戦でタップロンからボディへのパンチ&ヒザ蹴りでダウンを奪って判定勝ち。2021年1月にはRISEスーパーライト級王者・山田洸誓に挑戦したが、判定で敗れた。今回はそれ以来の試合となる。戦績は20勝(4KO)7敗1分。
森は2018年RISING ROOKIES CUPスーパーライト級優勝を飾り、強烈な左ボディブローを武器に4戦4勝4KOと快進撃を続けていたが、2019年7月のスーパーライト級王座決定トーナメントで山口侑馬にKOで敗れ初黒星。同年11月にはプロデビュー戦の伊藤澄哉に敗れて連敗を喫した。しかし2020年2月に吉瀧光を2RでKOして復活すると現在3連勝中。戦績は7勝(5KO)2敗。
1R、森は左へ動きつつ左ローを多用。実方はサウスポーに構えて左三日月蹴りを狙い撃ちする。
2R、実方は三日月を蹴っていくが、森はそれをかわして右ロー。森は右ストレートを打ち、そのまま組むとヒザを蹴ってブレイクを待つ。実方はあまり手が出ないラウンドとなった。
3R、実方は三日月から左ストレート、前に出てプレッシャーをかけていく。森は左右のオーバーハンドを繰り出し、右ロー、左ミドルを単発ながら当てていく。
本戦の判定は三者三様のドローとなり、延長戦へ突入。森は実方の攻撃をかわしての右ロー、実方がオーソドックスに構えると左ミドル。実方は飛び込んでの左ボディを当てに行く。森はオーバーハンドの左右フックを放って組み付き、実方は組み付いてきた森にヒザを突き刺す。
延長戦の判定は、両者決め手がなくドローとなった。
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▼第7試合 スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R〇常陸飛雄馬(TARGET SHIBUYA/同級2位、2016、2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者)KO 2R 2分57秒 ※右フック×岩郷泰成(TFT/DEEP☆KICK-60kg1位)
常陸はテコンドーをバックボーンに持ち、2016・2017年全日本学生キックボクシング連盟フェザー級王者の実績を持つ。2019年7月に清水将海にKO勝ちしたのを皮切りに、現在までひとつの引き分けを挟んで5連勝中。戦績は6勝(4KO)2敗1分。
岩郷はDEEP☆KICK‐60kg級1位で、11月のRISE WORLD SERIESオープニングファイトで佐藤亮に判定勝ちを収めている。関西の上位ランカーが東京のRISE初登場となる。
1R、岩郷はローと前蹴りを放ち、常陸がローを返してくるとカウンターを狙う。常陸の前蹴りがローブローとなって試合中断。再開すると両者は一気に火の出るような打ち合いを繰り広げ、左フック強打を当て合う。ここでバッティングがあり、岩郷にインターバルが与えられる。再開後も両者は激しい打ち合い、岩郷はその中でもサウスポーにスイッチしたり、前蹴りやヒザ蹴りを降りませる冷静さも見せる。常陸はどんどん打ち合いを仕掛けた。
2R、前蹴りとヒザ蹴りを混ぜながら打ち合いに行く岩郷。常陸も真っ向から打ち合いに行き、右ローもタイミングよく蹴る。この右ローを嫌がった岩郷が左ボディ、バックハンドブロー。どんどん前へ出る常陸が打ち合いに行き、岩郷もこれに応えると常陸の薙ぎ払うような右フックが豪快にヒット。バッタリと前のめりに倒れる岩郷。レフェリーが即座に常陸のKO勝ちを宣した。
豪快すぎるKOを見せた常陸は「1月23日は師匠である(宮城)大樹さん、スポンサーさんの誕生日なのでしっかりKOで勝ってプレゼントできてよかったです。いつも言っているんですが、スーパーフェザーのベルトを巻こうと思っています。4月エルドラド、ここで一馬選手か石月選手、自分とやって60kg盛り上げませんか?やってください。あと6月の世紀の一戦やるので自分を呼んでもらえればKOするので使ってください」とアピールした。
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▼工藤政英引退セレモニー
12月11日の記者会見で引退を発表したRISEフェザー級王者・工藤政英(新宿レフティージム)の引退セレモニーが行われた。
工藤は2018年6月に森本“狂犬”義久と王座決定戦を行い、延長戦までもつれ込む大激戦の末に王座を獲得。その後は3連敗を喫したが、2019年5月に那須川天心とも対戦したタリック・トッツにKO勝ちすると、タリソン・ゴメス・フェレイラにも判定勝ち。ONEでムエタイの強豪パンパヤック・ジットムアンノンに判定負けするも、高橋亮との引き分けを挟んでその後は3連勝。2021年7月28日の竹内将生との初防衛戦で、先制のダウンを奪われるも逆転KO勝ちで初防衛に成功していた。
引退の理由は鼻炎骨湾曲症で、鼻の骨が粉々に砕けて鼻呼吸が出来ない状態で戦っていたことを告白。その再建手術をするともうコンタクトスポーツは出来ないとのことで引退を決意した。
セレモニーでは同門の秀樹、最後の試合を戦った竹内将生、2度の激闘を繰り広げた森本“狂犬”義久、伊藤隆RISE代表、そして師匠である浜川憲一会長から花束や記念のパネルが贈られた。
工藤は「現役を引退しまして今年から農家で働いておりましてドローンを使ってお米を作る新しい仕事をしています。収穫時期になったらお米をぜひご購入いただけたら嬉しいです。あと僕は不器用で運動神経ないんですけれど、皆さんの応援とサポートがあって王者になることができたと思っています。長い間応援とサポートしていただきまして本当にありがとうございました。以上です」と挨拶。10カウントゴングを聞き、リングに別れを告げた。
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▼第6試合 フライ級(-51.5kg)3分3R×数島大陸(及川道場/第30回全日本新空手道選手権大会 K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝)判定0-3 ※28-30×3〇空龍(空修会館)
数島は第30回全日本新空手道選手権大会K-3GRAND PRIX 2019軽軽量級優勝、JAPAN CUP 2017 K-3選抜トーナメント-45kg級優勝の実績を持ち、昨年9月のRISE新宿FACE大会でプロデビュー。7月大会で急遽代打出場にも関わらず元ラジャダムナンスタジアム認定ミニフライ級王者の竜哉・エイワスポーツジムからダウンを奪って引き分けて一気に名を挙げた。その後は星久保将城に判定勝ち、平野翼に初回KO勝ち、11月には再び急遽代打出場に名乗りをあげてNJKFバンタム級暫定王者・甲斐元太郎に2RでKO勝ちする離れ業を演じた。戦績を6勝(4KO)無敗2分とした。
空龍はジュニアキック出身で高いレベルのテクニックを持つ広島在住の選手。9月の『KNOCK OUT』で初代KNOCK OUT-BLACKスーパーフライ級王座決定トーナメントに出場し、1回戦で花岡竜に判定負けして9戦目にして初黒星を付けられたが、11月にはDEEP☆KICK-51kg初代王座決定トーナメントで決勝戦進出を決めた。
1R、両者サウスポー。空龍は前蹴りとハイキックを混ぜながら細かい連打を見せる。数島は1Rは様子見か、ローを蹴りつつガードをしっかりして手数は少な目だった。
2R、空龍は前蹴り、左ミドル、右インローと多彩な蹴り技をスピーディーに繰り出し、数島を近付けさせない。さらに動き回る空龍に数島のパンチは空を切る。空龍も蹴りから連打を見せ、数島が打ち合うと左ストレートをヒットさせて数島は大きくバランスを崩した。
3R、空龍は後ろ蹴りや顔面前蹴りなど多彩な足技で数島を突き放し、ジャブもしっかり当てて数島が打ち合いに来ると蹴りで迎え撃つ。スピードのある蹴りを次々と決めて、意表を突くようなパンチ、そしてまた蹴りとリズミカルに次々技を繰り出す空龍に、数島はなかなかパンチのコンビネーションをつなぐことが出来ず手が出せない。
フライ級らしいスピードとテクニックを見せつけた空龍が、初参戦にして数島の連勝をストップした。
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▼第5試合 フェザー級(-57.5kg)3分3R〇戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本スーパーバンタム級王者)判定3-0 ※30-28×3×HAYATO(CRAZY WOLF)
戸井田はフルパワーのロー&ミドル、構えを左右にスイッチして放つ回転力のあるパンチ連打が目立つスタイルで、2019年9月に7戦無敗のままMA日本スーパーバンタム級王座を戴冠。RISE初登場となった2020年8月の良星戦では、両者足を止めての打ち合いで激闘を演じたが、良星のカーフキックに苦しめられフルマークの判定負けを喫した。
2021年6月の2度目の参戦では、拳剛を相手に唸り声をあげながら前へ前へと出て、打たれようが倒されようが眼を見開いて向かって行く闘志全開の戦いぶりで判定負けも大きなインパクトを残した。8月に 『Bigbang』で戸塚昌司を破り連敗をストップさせ、今回は階級を上げての参戦
対するHAYATOは士道館世界大会でグローブ空手と士道館空手の二部門を制した世界二冠王の19歳。前戦のDEEP☆KICK58では元RKSライト級王者のYU-YAを1R1分 39秒でリングに沈めている。
1R、HAYATOは速い攻撃を上下に散らして技の種類も多彩。対する戸井田は強引に距離を詰めてのパンチ主体。ボディからのフックを決める戸井田だが、HAYATOはよく見て戸井田のパンチをかわしていくとジャブや右ローをしっかり当てていく。
2Rも攻撃をしっかりと散らしていくHAYATOは、右カーフを狙い撃ち。これが効いた素振りを見せた戸井田だったが、ここからが戸井田の真骨頂だ。強引に前へ詰めていき、カーフをもらってもパンチを当てに行く。ジャブ、左フックでHAYATOを捉える。
3R、戸井田はどんどん距離を詰めてパンチを打ちに行き、HAYATOはカーフを蹴る。HAYATOをコーナーへ詰めた戸井田はまさに殴りつけるような連打。HAYATOも体勢を入れ替えると右を見舞う。前へ出る戸井田は左フックもヒットさせ、終盤にはノーガードとなって“来い”と挑発。最後は両者とも声を上げながらの殴り合いとなり、ビッグヒットを何度か奪った戸井田の判定勝ちとなった。
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▼第4試合 バンタム級(-55kg) 3分3R延長1R〇京介(TOP DIAMOND/スーパーフライ級6位)TKO 1R 2分08秒 ※パンチ連打×KING龍蔵(ROYAL KINGS/DEEP☆KICK-55kg 9位)
1R、序盤は両者ともジャブ&ロー。徐々にプレッシャーをかけていった京介が左フックをヒットさせる。これでタイミングをつかんだか、京介は飛び込みざまに左フックをクリーンヒットさせてタウンを奪い、立ち上がった龍蔵にラッシュをかける。
アッパーも交えたラッシュで棒立ちになる龍蔵。一方的な展開にレフェリーがストップをかけ、京介の圧勝となった。
マイクを持った京介は「たくさんの応援ありがとうございました。皆さんのおかげでリンクに立つことが出来てRISEで勝利するのが久々で勝ててほっとしています。自分はこんなもんじゃないです。まだまだいけます。今年中にベルトを獲ります」と、王座まで昇りつめたいと語った。
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▼第3試合 -92kg契約 3分3R×ミヤギン(team Bonds)KO 1R 1分04秒 左ハイ〇南原健太(極真会館/第35回全日本ウエイト制空手道選手権大会準優勝)
1R、左ミドルと前蹴りのミヤギンに右ローを蹴る南原。ワンツーを打ち込むとミヤギンも右を打ち返す。さらに3連打で攻め込む南原にミヤギンも打ち気になるが、ミヤギンがパンチを振りかぶったところで南原が意表を突く左ハイキック。
これがカウンターで見事に決まり、南原の一撃KOとなった。
満面の笑顔でマイクを持った南原は「どうでしたか? 体重増やしてパワーで圧倒しようと思って、倒してめちゃくちゃ気持ちいいです。RISEでヘビー級のスターになるのは僕しかいないと思うので、連勝を続けてKOを続けていきますので今後とも注目してください」とアピールした。
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▼第2試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R〇遠山翔太(MONSTAR GYM/同級8位)判定3-0 ※29-28、29-27、30-28×佐藤九里虎(FAITH/同級10位、WMC日本スーパーフライ級王者)
1R、遠山はジャブ、右ストレート、前蹴りと長い距離での攻撃。佐藤は右ストレートに右フックを多用。この右フックが様々な角度で遠山を捉える。遠山はコンビネーションの最後に右ローを蹴っていく。
2R、佐藤はジャブと右ストレートでボディを狙い、飛び込みの右ストレートも繰り出す。遠山はその入り際に右ストレートと左フックを合わせに行き、佐藤の右ローをキャッチしての右ストレートでダウンを奪う。その後は佐藤が打ち合いに行き、遠山も打ち合って右ストレートをヒットさせていった。
3Rは後がない佐藤が前へ出て距離を詰めていき、右ボディからのワンツーをヒット。右フック、右ストレートで遠山を追い詰めていくが、遠山もよく見てジャブ、右ストレートで迎え撃つ。前に出て攻める姿勢を見せる佐藤だが、遠山の右にアゴが跳ね上がる。
最後は激しい打ち合いとなり、判定3-0でダウンを奪った遠山が勝利を収めた。
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▼第1試合 アトム級(-46kg)3分3R延長1R〇小林愛理奈(FASCINATE FIGHT TEAM/同級1位)KO 2R 2分57秒 ※3ノックダウン×祥子JSK(治政館/同級5位)
小林は強烈なパンチを武器に持つ21歳。フルコンタクト空手出身で、正道会館第38回全日本空手道選手権大会2019軽量級優勝など主に関西圏の大会で多くのタイトルを獲得してきた。昨年10月に宮崎小雪にプロ初黒星を付けられるも、今年1月の『アトム級NEXT QUEENトーナメント』1回戦で奥脇奈々を得意のパンチでKO。決勝戦では宮崎小雪へのリベンジを狙うも判定負け。4月には平岡琴と観客が拍手喝采の激闘を演じ、判定2-0で勝利した。7月には百花にもダウンを奪って判定勝ちし、戦績を4勝(1KO)2敗1分とした。今回が半年ぶりの試合となる。
祥子はアマチュアで試合を重ね、2012年6月にプロデビュー。出産から約6年間のブランクを経て、2019年1月にリングに復帰した。現在は2人の子どもを育てながら選手として活動するとともに、所属ジムとフィットネススタジオを代表として切り盛り。平岡琴、ぱんちゃん璃奈、Ayaka、伊藤紗弥といった強豪たちと拳を交え、タイトルマッチ経験も多い。前戦は今年10月に復帰した久遠(=渡辺久江)と対戦して勝利を収めている。
1R、祥子は左ミドルを軸に蹴り、小林は左右ボディから顔面ワンツーへつなぐ。祥子のジャブ、右ストレートを被弾する場面も多い小林だが、連打をまとめる。
2R、祥子は小林が出てくるところに前蹴りを合わせ、小林がパンチの距離に入ると組んでヒザ蹴りと巧みな動き。しかし、小林の右ボディが強烈に入ると戦局が変わり、小林がボディからの右フックでダウンを奪う。
立ち上がると打ち合おうとする祥子だが、再び右フックをもらってダウン。最後も小林が右フックで仕留めた。
2022年のRISEのオープニングをKOで飾った小林は「一発目ということでKO出来てめっちゃ嬉しく思います;女子はKOが少ないと言われますが自分は倒すスタイルなので名雨を覚えて欲しいです」とアピールし、「ベルトを懸けて対戦させて欲しいと思います」と、王者・宮崎小雪に宣戦布告した。