試合前にいつも京香さんが手紙をくれる、そこに──
「弱気な自分が出たりして、“もうボロボロだし、15分間、続くのか、そうだ、あいつ打たれ弱いし、また思いっ切り振ってKO出来るんじゃないか”と(前戦のように)そういう(楽な試合をする)思いが出て来たときに、京香さんからの手紙に『16年間やってきた自分を裏切らないで』って書いてあって……それを見たときに“去年の8月、俺は自分のことを裏切ったよな”って、思い出して……、たしかに身体も痛いけど、絶対に今日は、自分を裏切らないことはできるんじゃないかなと思って。だったら、そういう戦い方をしようって思ったときにスイッチがスッと変わって。俺は16年間やってきた戦い方をするんだって。俺がやってきた戦いって何だ。去年はああいう戦い方をして負けたことを思い出して、ひたすらやってきたことは、相手をテイクダウンして、テイクダウン出来なくても削って、最終的には勝つことをやってきたんじゃないかって考えて」、扇久保は、2度目のリングに向かうことが出来たという。
「リング上で向かいったときも、自分を裏切らない、逃げない、ビビった自分を二度と出さない。ただ朝倉海だけを見ていました。15分間、俺をぶつけるぞと思っていました。去年会った俺は俺じゃないよって」
再び覚悟を決めた扇久保は朝倉海といかに戦ったか。“MMAなら負けない”16年選手の決勝の想いは、おぎちゃんねるで聞くことができる。