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【RIZIN】1日2試合の死闘、扇久保博正を優勝に導いたパートナーの言葉「16年間やってきた自分を裏切らないで」

2022/01/04 20:01

俺は朝倉海にリベンジしたいのに、なんで今日なんだ

「井上選手に勝つことだけを考えてたから、嬉しかった。UFC、見たか、この野郎って(笑)」と、喜びを爆発させたが、その先の決勝に向かう気力は無かったという。

 準決勝の14時半頃から決勝の22時半頃まで、控え室では、痛みだらけの身体と弱気になる心との葛藤の時間を繰り返していた。

「1回、燃え尽きた。もうスイッチ切れていて。ホテルに戻って寝たかった。“博正、これやんの? もう一回、やんの?”って思っていた(苦笑)。井上戦は出し尽くした試合で、たんこぶも出来て頭も痛いし、カーフも効かされていたんで、もう1試合は無理だ、しかも朝倉海と」

 朝倉海v.瀧澤謙太は「お互いにアウトボクシングに見えて、これは俺の方がダメージがデカいな。これは不利な試合になるな、と。もっと瀧澤、削れよって怒ってました」と、もうひとつの準決勝を振り返る。

 決勝用にと、決めていた冷水シャワーでのリカバリーやフルーツを食べても気持ちは戻っていなかった。

「これは朝倉海選手もそうだと思いますが、ただ、1試合目のリカバリーをするだけでなく、身体も気持ちも4時間くらいかけてもう一度作るのは、とんでもないこと。すごく辛かった。

 7時間くらいは弱気の自分との戦い。井上選手にも勝った、準優勝でも賞金が出るし、いいんじゃない、という(苦笑)。身体は動きたくないから、その気持ちが何度も出る。“俺は朝倉海にリベンジしたいのに、なんで今日なんだ。こんなに身体が痛いのに、もっと万全な状態でやりたい”って。でもダメだ。“心を燃やせ”って煉獄さん(鬼滅の刃)のこととか思い出して。1年半前に朝倉海に負けた。前回と同じ弱気の自分を出すのかと。この一生に一度の舞台で。いや出さない、と。相手も同じ状況だと。あっちも1試合やっていて万全じゃない、五分五分なんだ。ここで弱い気持ちで戦ったら後悔する。絶対に戦うんだと集中した」

「もう2度とワンデーの2試合はやらない」と葛藤するなかで、決勝に向けてスイッチが入ったのは、パートナーである京香さんの言葉だったという。

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