AKARIはミネルヴァ王者撃破で寺山との再戦へ望みをつなぎ、制服にベルトという夢を達成することが出来るか(C)RISE
2021年12月12日(日)東京・後楽園ホール『RISE 153』にて、ミニフライ級(-49kg)3分3R延長1Rで、NJKFミネルヴァ・アトム級王者erika(=名前の後にハートマーク/SHINE沖縄)と対戦するRISEミニフライ級1位AKARI(TARGET)が7日(火)都内所属ジムにて公開練習を行った。
AKARIはシャドーとミット打ちを披露。ミットではワンツー、得意の前蹴り&左ミドルを繰り出した。
実は8日が18歳の誕生日ということで、この日は17歳最後の1日。「今日17歳LAST DAYです。なんか悲しいですよね、減量中で何もできないし。17歳と18歳に大きな差を感じるのでドキドキします。明日は新しい自分がいて欲しい気がしますけれど、気持ちの切り替えが出来ると思います」と、18歳を迎えるのは複雑そう。
「去年もケーキがちゃんと食べれてなくて、今年こそ食べられると思ったら全然食べられないじゃないかって。人生で一番しんどいなと思いましたよね。アイスも食べられないので」と、去年も12月18日に試合があり、誕生日当日を楽しめなかったという。大好きなスイーツを減量のために断って約1週間、計量をパスしたら「間違いなくアイス食べます。地球がひっくり返ってもアイスを食べます」と笑った。
しかし、「今回はめちゃくちゃ大事な試合だと思っているので落とせないなって感じです」と、バースデーパーティーを諦める理由は十分。その理由は「試合が決まってラッキーだなと思いました。日葵ちゃんと宜保さんがやりたいと言われているので、AKARIとやってからでいいんだって。ここで私が勝ったら私が日葵ちゃんとやることになるじゃないですか。チャンスが転がってきたと思いました」と、最短で女王・寺山日葵に辿り着けるというわけだ。
AKARIがerikaを「宜保さん」と呼ぶのは、「えりか」と呼ぶと師匠の神村エリカが頭に浮かんできてしまうからだという。
ただ、簡単に勝てるとは思ってはいない。erikaの戦績は8勝1敗で、唯一の黒星は2020年10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」1回戦で寺山に付けられたもの。その試合では延長戦で敗れるも猛攻で寺山を苦しめている。
「接戦にはなると思っています。今まで9戦やってきた中で(AKARIも8勝1敗)一番しんどい試合になると想像しています。競って競ってのパターンあるのでは、と思っています」と競り合いになることを想定。
そこで勝つためには「メンタルじゃないですかね。メンタルが一番大事じゃないかなと思います。試合中に自分が出来ないことも多いだろうなと思っているし、そこで諦めるのではなく一歩前へ進めるかが大事だと思っています」と、試合中に上手くいかなくても気持ちが折れることなく戦い続けられるかが重要だとした。師匠の神村からも「毎試合そうですが、最後まで自分のやることを変えちゃダメと言われていますし、最後までやることを曲げちゃダメ、そこは3分3Rやり遂げないとダメだと自分でも思います」と言い聞かせられている。
erikaはフィジカルの強さが武器で、馬力で寺山を苦しめた。それに対応できる自信はあるかと問われると「あります」とキッパリ。「自分もやってきたものがあるので。確実に9月とは全然違うなと思うので、そこは自信を持って“あります”と言えます」
実際、ミット打ちでも力強さを増していた印象。「3月のトーナメント前からずっとフィジカルトレーニングはやっていたので、それがいい感じで出ているんじゃないかなと自分でも思います」とパワーアップを実感している。
9月にはキャリア初のKO勝ちを飾り、「勝ち方という面で一番いい形で勝てたので、それは自信にしないといけないですね、自分でも。理想は毎試合KOで勝てたらめちゃくちゃいいと思うので、理想はKOという形ですね」と理想的にはKOで勝ちたいとした。
打ち合いになることも想定し、「どんな場面になっても対応できる練習をしてきたので、競って競っての試合になると思いますが、その中でポイントを必ず取って、結果的にKOできたらいいなみたいな感じがあります」と準備は万端の様子。
この試合が実現するきっかけは、erikaを指導する田嶋はるが「私としてはRISEでAKARI選手と見たいなぁ。そして勝ったら寺山選手と再戦…なんていかがでしょう?」と投稿したことだった。これにAKARIが「寺山選手が苦戦した相手に圧勝したら誰も文句言えないし、勝てるってナメられてるのもめちゃめちゃ嫌なので組まれればいつでもやりますよ」と返答したことだ。
「私に喧嘩を打ってきたことが間違いだったと思わせるくらいの内容で勝たなきゃなって思いますよね。なんか最近いろいろ言われることが多いので、ムカつくなって思いながら、それを分からせないといけないなと思っています。寺山選手が試合している相手で延長まで行って寺山選手が勝っているので、私はしっかり本戦で圧倒的な差をつけて勝ちたいなと思っています」
その田嶋と神村は現役時代に対戦しており(2009年7月26日)、当時7連勝で日の出の勢いにあった神村と田嶋の試合は大いに注目され、神村が勝利を収めてスター街道を驀進していった。今回の試合に代理対決の意識はあるかとの質問には「いや、それはそんなに意識してないですけれど、勝てるって思われて試合したいって言われるのが本当に嫌で。それが自分の中で、今回の試合の原動力になっているというか。それくらいですかね。特にエリカ先生だからとか田嶋さんだからとかは関係なく、宜保さんに対して絶対に勝つって気持ちです」と答えた。
erikaはインタビューでAKARIの挑発に対して「先輩に対しては敬意を払って言葉を選んでほしいなとは思うんですけど、でもそこも可愛いところだと思ってるんで」と答えており、これにAKARIは「ナメられているなって感じですよね。先輩にはもっと礼儀を…って言うけれど、格闘技は実力社会なので私の方が強いっていうのを見せれば必然的に私が上になるので。勝った方が正解なので特に気にしてないです」と言い放つ。
今の時期は高校の期末テストと重なって大変なのでは、と聞かれると「私の学校は時期がちょっとズレているので大丈夫です。ちゃんと予定を確認してないので分からないですけれど。でも単位はギリです(笑)。来年3月にちゃんと卒業しないとエリカ先生に怒られるので、本当に殺されると思うのでマジに絶対卒業しないとです」と、卒業のために学業も必死でやっているので大丈夫だという。
AKARIはデビュー当時から、「高校生の内に王者になって制服で肩からベルトを掛けて写真を撮るのが夢」と話している。そのタイムリミットが来年3月に迫ってきたが「諦めてないですよ、全然。もしかしたら…と思っているので、そのもしかしたらを現実に持って来れるかどうかは今回の試合の結果次第。3月までにタイトルマッチが出来るか出来ないかは今は分からないので、まだ見えてないので今回勝ってとにかくつなげます」と、夢の実現のためにも落とせない試合だとした。
なお、18歳になってまだ身長(163cm)は伸び続けているのかと聞かれると「もう止まっていると思います。もう身長いらないです(笑)」と笑った。