コロナ禍の在日外国人として──ベルト戦線にからむ選手
団体が求める姿勢とスキル・パフォーマンスは、ファイトマネーとの相関関係にもある。ファイターにも選択肢はあり、どの団体でも「一生食える」のは限られたファイターだけだ。競技者としてのピークもあるなかでいかに目標を設定するか。
「その野心を隠しながら、大きな目標を掲げながらも、いまはここで命を賭けて戦うよと言ってくれないと、こっちが気持ちが行かない。そこはちゃんとそういった気持ちを持って向き合おうよと。朝倉未来にしてもサトシにしても萩原京平にして、みんなそういう思いを──ベルトがほしいと思って戦っている。クレベルにも、このプロモーションにいる間はそうあってほしい。そのへんをクレベルがちゃんと約束して──いずれにしても実力的にはベルト戦線にからむ選手なので、そこの確認をして向き合えたらいいなと思います」と、クレベルがタイトルコンテンダーであることは認めながらも、RIZINへの気持ちが必要だとした。
その“約束”はどんな条件になるのか。RIZINはフェデレーションではあるが、「ナンバーシリーズ」「LANDMARK」「TRIGGER」と大会数が増加するなかで、複数年・複数試合やチャンピオンクローズ(※チャンピオンになった時に発生する契約期間や試合数の延長)など、団体として年間スケジュールを組むために求めるものはある。
「横一線」と言われるRIZINフェザー級戦線。
2022年にワールドGP開催を目指す同級では、RIZIN&DEEP王者の牛久絢太郎が12月12日にDEEPで王座戦を控えている。その牛久との戦いで10月24日に前王者の斎藤裕は瞼をカット。朝倉未来は11月20日の「1000万企画」で左ヒザ半月板を負傷している。11月28日の「TRIGGER」では堀江圭功が右拳骨折、組み技に課題を残した萩原京平は弥益ドミネーター聡志との対戦を望んでいるが、大晦日に向けて、負傷者が相次いでいるのが現状だ。
そんな中、頭ひとつ抜けていると考えられるのが、元KSW王者のクレベルだ。海外選手の来日が規制されるなか、“日系”ブラジリアンのクレベルは、RIZINとどんな話し合いをしていくか。大晦日にRIZINのバンタム級の頂点が決まり、GP優勝者がBellatorバンタム級ワールドGPに挑戦の可能性も出ているなか、2022年に開催を予定している「RIZINフェザー級ワールドGP」はどうなるか。クレベルが、同級のキーマンなのは間違いない。
RIZINフェザー級(66kg)
クレベル・コイケ(ボンサイ柔術)28勝5敗1分
牛久絢太郎(K-Clann)20勝8敗1分
斎藤 裕(パラエストラ小岩)20勝5敗2分
朝倉未来(トライフォース赤坂)15勝3敗
ヴガール・ケラモフ(アゼルバイジャン)20勝5敗2分
カイル・アグォン(米国)13勝10敗
金原正徳(立川ALPHA)28勝14敗5分
摩嶋一整(毛利道場)14勝3敗
堀江圭功(ALLIANCE)12勝3敗
佐々木憂流迦(セラ・ロンゴ・ワイドマンMMA)23勝9敗2分
中村大介(夕月堂本舗)31勝20敗1分
弥益ドミネーター聡志(team SOS)12勝6敗
芦田崇宏(BRAVE)24勝11敗2分
萩原京平(SMOKER GYM)5勝4敗
白川陸斗(トライフォース赤坂)11勝8敗1分
関 鉄矢(SONIC SQUAD)13勝8敗1分
神田コウヤ(パラエストラ柏)8勝3敗
青井 人(BLOWS)8勝4敗1分
山本琢也(パラエストラ千葉)7勝2敗1分
中田大貴(和術慧舟會HEARTS)4勝2敗
鈴木博昭(BELLWOOD FIGHT TEAM)1勝
久保優太(PURGE TOKYO/BRAVE)1敗
平本 蓮(フリー)1敗
鈴木千裕(クロスポイント吉祥寺)1勝1敗
山本空良(パワーオブドリームジム)12勝6敗2分
“ブラックパンサー”ベイノア(極真会館)1勝1敗※67.5~72kg
Bellatorフェザー級ランキング
王者 AJ・マッキー (米国)18勝0敗
1位 パトリシオ・ピットブル(ブラジル)32勝5敗
2位 マッズ・バーネル(デンマーク)16勝3敗
3位 アダム・ボリッチ(ハンガリー)17勝1敗
4位 エマニュエル・サンチェス(米国)20勝6敗 ※12.3にジェレミー・ケネディと対戦
5位 アーロン・ピコ(米国)9勝3敗
6位 ペドロ・カルヴァーリョ(ポルトガル)12勝5敗
7位 ダニエル・ウェイチェル(ドイツ)41勝13敗
8位 ジャスティン・ゴンザレス(米国)12勝1敗
9位 ジェレミー・ケネディ(カナダ)16勝3敗
10位 ダリオン・コールドウェル(米国)15勝5敗