俺たちはみんな、格闘技ファンだろう?(ダナ・ホワイト)
──ピョートル・ヤンとコーリー・サンドヘイゲンのバンタム級の世界王座戦が「Fight of the night」となりました。
「バンタム級の暫定王座戦は信じられないほど素晴らしい戦いだった。サンドヘイゲンが、外側から彼の距離を上手く使ってコツコツ当てて、離れてはオクタゴンを素早く動き回って……ということをしても、決してイライラしたりすることもなかったし、ヤンは確実にプレッシャーかけ続け、消耗させ続けていた。ピョートル・ヤン以上にとんでもない耐久性があって、技術もすごい奴なんてちょっと考えられない。お互いのカウンターパンチ、お互いのボディパンチ、お互いのボディへの蹴り……要するに2人は、絶対的な戦いを繰り広げた。
ピョートル・ヤンはヤバすぎだよ。この男はまじで信じられないほど、誰にも止められないし、ひたすら前進し続けている。いやはや。いまここにいる俺たちにとって、というか、彼のあの事件の顛末として、彼が王者たるために、これこそが正しい道だった。そして彼とアルジャメインは再戦することになるだろう。ヤンの次戦はアルジャメイン・スターリングとの統一戦だ」
──エリゼウ・ザレスキ・ドス・サントスとブノワ・サン・ドゥニの試合で、一方的に攻められながらストップがかからない試合でした。過去にこんなことはありましたか?
「これまでもレフェリーについては色々問題はあった。大会の最中にレフェリーを外したことも初めてではないかと。うーん……とにかくあれは最悪の類。ひどかった」
#UFC267 Official Result: Elizeu Zaleski dos Santos (@ElizeuCapoeira 29-26, 29-26, 29-26) defeats Benoit Saint-Denis by Unanimous Decision
— UFC News (@UFCNews) October 30, 2021
──Bellatorロシア大会でエメリヤーエンコ・ヒョードルがティム・ジョンソンをKOしました。ダナ代表は、「彼は過大評価されている」という意見を間違いだと思いますか?
「ティム・ジョンソンがヒョードルにKOされると、ヒョードルが過大評価かどうかを撤回しなきゃいけないのかな?」
──いえ、単に伺いたいのです。
「なんとも言い難いのだが、何週か前に(メディアで)見かけたんだけど、ヒョードルに『金のことしか頭にない』というようなことを俺は言われていたようなんだが、まず第一に言っておきたいのは、俺はヒョードルのことはよく知らないんだよ。彼だって俺のことは知らない。1回しか会ったことがなくて、俺を金の亡者みたいに彼が言っているというけど、こっちがオファーしたときに彼はもっとお金のこを考えるべきだったんじゃないのかな。どこにいたとしたって、45歳になっても戦えるということはないだろ?」
──たとえば、ヒョードルがUFCで1試合することの可能性は?
「彼には交渉は持ちかけた。毎晩ベッドで悩んでいるのか、それは分からないけれど、交渉したいとは思ったよ。でも彼は俺のことは気に食わないみたいで、多分嫌われているから、そうはならないんじゃないかな」
──メインのライトヘビー級のチャンピオンに輝いたグローバー・テイシェイラと長い時間、離し込んでいたようでした。何を話していたのですか。
「ちょっと共有するのは難しいけど、彼はこの階級でとにかく長い間にわたって最もタフな選手のひとりでい続けてきた。彼の永遠の夢のようなものだったタイトルショットの機会をついに今回獲得し、そして今晩彼はタイトルを手に入れるということをやり遂げた。
彼が言っていたのは『The Ultimate Fighter』出場の可能性が彼にはあったのに、ビザの問題があった(出場できず)ということ、そしてそのことで彼の人生の道筋がどれほど変わったことか。彼は国に帰らざるをえず、またUFCで活躍するはずだったのに。あのとき彼はあらゆるストーリーを経験していたから、なんというか、遅かれ早かれというのか。
Talk about years in the making for @GloverTeixeira 👏 #UFC267 pic.twitter.com/DKamUpNkD6
— UFC (@ufc) October 30, 2021
あのさ、俺たちはみんな、格闘技ファンだろう? で、これはその中で得られるひとつの瞬間で、苦しい、クレイジー・ジャーニーをしてきた男にこんなことが起こる、これこそがこのスポーツの醍醐味じゃないかな。そう、つまり俺が言いたいのは、この男は、彼のキャリアのなかでどれほどの逆境にもめげず、けっして諦めなかった、そして、42歳の誕生日から数日でタイトルを獲得した。これってめちゃくちゃすごい話だよね。これ以上のことはないだろう、ただ、残念なことに、ヤン(・ブラホビッチ)も素晴らしい選手なんだよな。こういう試合っていうのは、やっぱりみんなが『誰も負けて欲しくない』って思うやつだよね」