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インタビュー

【ONE】アトム級GP準決勝へ、平田樹「グラウンドは譲れない」×青木真也「不真面目な優等生が一番強い」=10月29日(金)「ONE: NEXTGEN」

2021/10/21 05:10

秋山成勲には「プロ格闘技をやってる」意地がない(青木)

――なるほど。ところで、青木選手自身は10月5日の『Road to ONE』で、キャプテン☆アフリカ選手とのグラップリングマッチを終えたばかりです。MMAの次の試合というのをどう見据えているのでしょうか。

青木 次の試合、あればやりたいですけどね。言うても僕、1月(ジェームズ・ナカシマにRNCで一本勝ち)、4月(エドゥアルド・フォラヤンに腕十字で一本勝ち)にいい勝ち方してるのに組まれないですからね。“何なんですかね”とは思いますよ。

――その中で、日本でグラップリングで「試合」は行った。でも、やはりMMAとは違うものという感触でしたか。

青木 緊張感、無いでしょう。緊張感が無いなと思いますね。結局、周りの選手がちょっと足りないじゃないですか。それで俺のマイクひとつに話題を持っていかれてるんですよ。メインで誰が戦ったのか、もうみんな覚えてないんじゃないですか。そういうのをもっとみんな悔しいと思ったほうがいい。運営も結局、全部俺に任せてんじゃん。青木真也に全部任せてるわけですよ。青木真也に全部丸投げして、“この人だったらとりあえず形にしてやってくれるよね”みたいに。もうこのスタイルでやるのはしんどいなというのは、僕は思いました。

――そこから脱して、ご自身の本戦の試合に進まなくちゃいけない。そしてそれはテーマのある試合であってほしいと思います。

青木 そうですね。青木がやることに価値があるなとは思います。その意味では『Road to ONE』を通過して絶望感はあります。虚無感というか。今に始まった話じゃないかもしれないけど。

――でも38歳と決して若くはない中でも、「もっと試合をしたい」という気持ちは常にあるんですね。しかも格闘技として厳しい試合を。

青木 そう、もっと試合をしたいし、もっといいものを作りたいんだけど、今の状況で何をどうするんだ、というのもあります。

――『Road to ONE』では、解説席の秋山成勲選手に問いかけました。12月のONE Championshipでなぜ試合を断ったのかと。秋山選手に関しては、DREAMの頃から対戦を要求したことがありましたが、以前からどんな気持ちで見ていた選手ですか。

青木 見えない。本当のことを言わなくて、見えないやつだったんだけど、ここ2、3年、ONEに来て、綺麗ごとを言うじゃない。“だったらお前、やれよ”と思う。『Road to ONE』でもオープニングで「やる」とか「やらない」とか綺麗ごとを言うから、リング上で詰めた。「逃げました」と言え、というだけですよ……“虚構”だったってことなんですよ。もう別にここからもう1回関わるか、というとその気はないですね。

――12月の秋山戦のオファーがあったのは9月6日。青木選手は即OKしたと。その後、返事を4週間待たされ、結局、怪我によりNGと。このことで、いまはかなり冷めた状態でしょうか。

青木 僕はもうまったくいいですよ。もう関わりたくない、本当に。関わりたくないという感情が強いですね。だったら最初から断れよということだし、尊敬とか敬意とかよく言うけど、そういうものが感じられないよね。それに“プロ格闘技をやってる”という意地がないよな、とは思います。

「格闘技」というものの中で、みんなで作るものなんじゃないのと思ったけど、結局みんな綺麗ごとばかりで、自分のことばかりで、何かイベントが始まれば、全部丸投げしてやらせるわけでしょう。結局、お前ら虚構じゃんって、何も無いじゃんっていうのは思いましたけどね。

――その意味で、これまで相手とも主催者とも互いに、綺麗ごとではなくいいものを作れたと感じた試合はあるのでしょうか。

青木 どうだろう……桜庭×青木とかは2人で作り上げるものだなという共通の認識は、最低限あったと思います。でもいまは……もう、あまり求めるのやめようかなと思ってます。自分のことだけやりたいなと。青木に特化する。こんなに虚無感を感じたことは無いです。バカにされているような感じで。

――「自分のこと」を考えたときに、9月24日のONE世界ライト級選手権試合で王者・クリスチャン・リーに判定勝ちしたオク・レユンの試合を青木選手はどのようにご覧になりましたか。

青木 ONEの基準だと、僕はクリスチャンが勝ったかなと思いましたけどね。やっぱり判定システムが5Rのトータルジャッジだと難しくなりますね、戦略の差が出た気がします。

――序盤に明確にフィニッシュに近づき力を使った感もあるクリスチャンは、後半に攻勢に立ったオク・レユンとそんなに差はなかったはずだと。

青木 クリスチャンのほうがニアフィニッシュがあったはずなので、そこは僕はえっ? と思ったけど……。でも判定は分からないものですよね。

――その試合は、ご自身とはつながっていないんですか? リマッチになってしまう可能性もありますが。

青木 うーん、言っても僕、チャンピオン下がってから4連勝してるんですよ。うち3試合が1Rのフィニッシュなんです。それでチャンピオンシップが回って来ないんだったら……言ったってしょうがなくね、と思ってます。また回ってきたら……まあ、あまりあてにしてないところもあります。

――青木選手のMMAの試合も楽しみにしているファンも多いと思います。平田選手にお聞きしたいのですが、指導者として見た青木選手ってどんな人ですか。

平田 青木さん……いつも優しいので。本当は優しいです。

青木 俺さ、試合の日とかにいろんなことを言われることがあったんだけど、(平田が)こうして言葉をめくって、実は読み取れる人だということが分かって、ちょっと嬉しい(笑)。人間性が作られた人なんだなと思いました。

――ちなみに、お2人って練習後にお茶してコミュニケーションを図ることなどもあるのでしょうか。

青木 僕、まったく平田樹に興味ないですから。逆もそうだと思いますけど。格闘技以外ではあんまり興味ないです。

――格闘家としてだけ興味があると?

青木 格闘家としてもあんまり興味ないのかもしれない(笑)。

――では、どこに興味があるんですか。

青木 練習してれば……、ここに一緒にいればやりますかって感じです。

平田 練習前後でいろいろ話をしたりするんで。そこでコミュニケーションを取ってます。

――お互いにあまりプライベートのことを話さない人ですか。

青木 プライベートのことは、僕が彼女のSNSを見て、想像して、大体のストーリーラインを組み立てて確認するというか、お伺いする感じですね。大体外れないので。

平田 えー(苦笑)。

青木 分かりやすい方なんですよ。なので、差し支えない範囲で伺わせていただいて、差し支えない範囲で表に出させていただく感じですね。

──差し支えない範囲で(笑)。「青木学校」の様子とともに試合を楽しみにしています!

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