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レポート

【DEEP】「朝倉未来1年チャレンジ」の卒業生ヒロヤが元同門対決の熱戦を制しRIZIN『TRIGGER』参戦熱望、西谷大成は秒殺勝利

2021/10/17 15:10
DEEP TOKYO IMPACT 2021~1ST ROUND~2021年10月17日(日)東京・新宿FACE▼メインイベント 58kg以下 5分2R○ヒロヤ(トライフォース赤坂)57.75kg[判定3-0]※19-18×3×RYOGA(KRAZY BEE)57.90kg  ヒロヤは朝倉未来が実業家の“青汁王子”こと三崎優太と組んで行った若手格闘家育成プロジェクト「朝倉未来1年チャレンジ」で選出されたバンタム級ファイター。地元・姫路から上京し、朝倉未来の元、トレーニングを積んで2020年8月にDEEPで橋本ユウタを相手に黒星デビュー。同年11月の力也戦で1R TKO勝ちしたものの以降、原虎徹、雅駿介、関原翔と実力者相手に3連敗中だ。元々のフライ級(-56.7kg)転向も視野に入れているため、6月20日の前戦、関原戦は59kg、今回は58kg契約となっている。 「朝倉未来1年チャレンジ」を卒業して、今回が初の試合となる。  対するフライ級のRYOGA(福地諒河)は、THE OUTSIDER出身。2021年3月にDEEPデビューし、松丸息吹にリアネイキドチョークで一本負けしたが、2021年6月には伊澤星花の実弟・風我にスプリット判定で勝利。オーソドックスからの右ストレートを武器に圧力をかけ続けて初白星をモノにした。RYOGAは1年前までトライフォース赤坂でヒロヤと共に練習しており、元同門対決となった。  1R序盤は打撃の攻防。互いに蹴りから左右フックを狙う。ヒロヤはロー、ミドル、三日月、前蹴りと左右の多彩な蹴りから左フック。RYOGAはジャブ、右フック、右ボディストレートとパンチの方が主体。フックからボディロックで組み付いたヒロヤがテイクダウンを奪い、サイドについたヒロヤだがRYOGAはブリッジから立ち上がる。  再びヒロヤの蹴りとRYOGAのパンチの打撃の展開となり、ヒロヤは右カーフを蹴る。激しい打ち合いからRYOGAの前蹴りをすくったヒロヤがテイクダウン。ハーフでのパウンドもRYOGAは立ち上がってヒザ蹴り。両者動き続けて初回を終えた。  2R、フックの打ち合いの中でヒロヤは蹴りを多用してロー、インローを蹴る。その蹴りにRYOGAはジャブを合わせに行く。RYOGAの右カーフにヒロヤが左ストレートをヒットさせ、さらに打ち合いが続く。両者のフックが相手の顔面を捉えるが、2人とも一歩も退かない。  蹴りにパンチを合わせられるヒロヤだが気にせずバンバンと蹴りを放つ。RYOGAの左フックをかわしたヒロヤがそのまま前へ出てボディロック。バックに回るとなんと豪快なバックドロップ。すぐに上になるヒロヤはしっかり抑え込み、ハーフからブリッジして返そうとしたRYOGAの腕を捕りに行ったがこれは失敗。すぐに両者は起き上がる。  スタンドで両者がフックを繰り出す中、またも組み付いていったヒロヤはボディロックから後ろへ回すようにしてテイクダウン。首をロックして抑え込むヒロヤ。サイドについたヒロヤにRYOGAは身体を反転させてリバーサルを仕掛けるが、ヒロヤがバックへ。リアネイキドチョークの体勢から逃れたハーフのRYOGAに鉄槌を打ち込むヒロヤ。亀になって起き上がろうとしたRYOGAのバックをヒロヤが奪ったところで試合終了。  テイクダウン、グラウンドでのコントロールで上回ったヒロヤが判定勝ちでメインにふさわしい熱戦を制した。ヒロヤのセコンドに就いた朝倉未来は、元トライフォース赤坂だったRYOGAの健闘を称えてグータッチ。そして愛弟子ヒロヤの勝利を喜んだ。  マイクを持ったHIROYAは「メインという大きい舞台に僕を選んでいただいてありがとうございます。初めてのメインでしっかりKOか一本を取ってやろうと思っていたんですが、どっちにも転ばずやりたいことが出来なかったのは課題です」と、フィニッシュできなかったことを悔やむ。  次に「若手選手が挑戦する、アグレッシブな試合ができる選手が出られるというRIZINのTRIGGER、その舞台に立てるように自分も頑張ります」と、RIZINの新シリーズに「まだまだですが」と前置きしながらも参戦に名乗りをあげた。  そして「3連敗してメインを任されたプレッシャーもあって、それでも変わらない応援をしてくれる家族を毎回悲しい顔をさせて帰らせてしまって悔しいもありましたが、応援してくれてありがとうございます。セミのにっしー(西谷大成)に全部持っていかれたと思いますが、これからも2人で頑張っていきたいと思います。そして未来さん、いつもありがとうございます」と、家族、そして朝倉未来にお礼を述べた。 [nextpage] ▼第6試合 DEEPフェザー級 5分2R○西谷大成(トライフォース赤坂)66.20kg[1R 0分32秒 リアネイキドチョーク]×山口コウタ(パラエストラ八王子)  西谷はヒロヤと共に「朝倉未来1年チャレンジ」を卒業しての第一戦に臨む。2勝3敗と負け越している西谷は、6月20日の前戦で強豪・山本歩夢に1R 、パウンドでTKO負け。対する山口は柔術やグラップリングからプロMMAデビューも、DEEP FKT 2020優勝の吉村海飛に2R 2分02秒 ギロチンチョークで敗れている。  1Rが始まってすぐ、西谷の右フックが炸裂。ダウンした山口に西谷はパウンド、起き上がろうとした山口のバックを奪った西谷はすかさずリアネイキドチョーク。これが見事に決まり、西谷が秒殺勝利を飾った。 [nextpage] ▼第5試合 DEEP JEWELS 49kg以下 5分2R×音波(AACC)48.9kg[判定0-3]※20-17、20-18、20-17○須田萌里(SCORPION GYM)48.6kg  音波はプロMMA4勝4敗。川村虹花とKAIに判定勝ちも、森さくらと中村未来に判定負け。2020年12月に坂本美香に判定勝ちも、2021年6月の前戦では竹林エルに判定負けと、白星と黒星を交互に繰り返している。  対する須田は、柔術の強豪・村上彩と、BURSTの佐々木萌には判定負けも、その後、坂本美香に判定勝ちすると、2021年7月のDEEP大阪でRISE参戦経験も持つ樋田智子を腕十字を極めて一本勝ち。2連勝を飾っている。  須田は17歳、音波は18歳と十代女子同士の対決となった。  1R、開始と同時に飛びヒザ蹴りの奇襲攻撃を仕掛けた音波。強烈な右ミドルを蹴る音波に須田は組み付いていき、コーナーへ押し込む。両者体勢を入れ替えながらヒザを蹴り合い、離れると両者蹴りからのフック。須田はパンチで音波が下がるところへ胴タックルを仕掛けていき、音波が小手を巻いた状態から投げを見舞うが堪えた須田がバックを奪う。  そのまま後ろへ崩そうとした須田だが、音波が身体を浴びせ倒して上になるが、すぐに起き上がった須田がパウンド。さらに腕十字を仕掛けるが音波が立ち上がる。フックの打ち合いから音波はミドル&ロー。打撃の攻防からパンチで下がった音波へ須田がボディロックでロープに押し込んでのダブルレッグ。音波は前へ出て逆にテイクダウンを奪う。  すると須田は足関節へ。足を引き抜いて逃れようとする音波のバックを須田が奪い、チョーク狙いも音波が反転して上を奪い返す。須田は三角絞めの体勢を作るが音波が凌いで初回終了。  2Rが始まってすぐに組み付く須田は音波をコーナーへ押し込んでのヒザ蹴り。音波も体勢を入れ替えてヒザを蹴り返す。一度離れるもすぐに組み付いた須田がボディロックから豪快な投げを見舞い、すかさずサイドへ。音波は下から須田の首を両足で挟むセンタクバサミを仕掛けるが須田は首を抜く。  立ち上がった音波はすぐに組み付いて来た須田を払い腰で投げるが、須田はすぐに立ち上がって組み付く。再び払い腰で投げようとした音波を潰し、音波の片足を抱えてコントロールしながら足に蹴りを見舞う。さらにバックを奪った須田は横三角の体勢から最後はアームロック仕掛けようとするも音波は腕を渡さず時間切れ。  スタンド、グラウンド共に目まぐるしく動き続けた両者だったが、グラウンドで攻め続けた須田がフルマークの判定勝ち。成長ぶりを見せつけての勝利を飾った。 [nextpage] ▼第4試合 DEEPフライ級 5分2R×松丸息吹(パラエストラ千葉)57.0kg[判定0-3]※17-20×3○風我(フリー)57.0kg  藤田大和、島袋力には跳ね返されて判定負けした松丸だが、2021年3月のRYOGA(福地諒河)戦ではリアネイキドチョークで一本勝ち。約2年ぶりの白星を掴んでいる。  伊澤星花の実弟・風我は、2021年6月にRYOGAにスプリット判定負け。続く7月にも名古屋大会に連続参戦も、吉田陸にまたもスプリット判定で惜敗しており、初勝利を挙げたいところ。  1R、松丸がテイクダウンに行くと風我がフロントチョーク。これを外した松丸に風我はパウンドを一発打ってスタンドを要求する。その後もテイクダウンを狙う松丸と打撃の風我の展開。松丸がボディロックから投げるようにしてテイクダウンを奪い、抑え込むが上体を起こした風我はフロントチョーク。その体勢のままラウンドを終えた。  2R、風我のミドルをキャッチした松丸はテイクダウンを仕掛けるが失敗。パンチの打ち合いから風我が意表を突くダブルレッグでテイクダウンを奪い、フロントチョーク狙いから上をキープして側頭部へのパンチを連打。ハーフの松丸の顔面へフックとヒジを打ち続ける。  残り30秒でバックを奪いにいった松丸だったが、逆に風我がマウントを奪ってパウンドラッシュ。最後に大きな見せ場を作った風我の完勝となった。 [nextpage] ▼第3試合 DEEPフライ級 5分2R×武利侑都(KRAZY BEE)56.65kg[1R 4分32秒 リアネイキドチョーク]○松山瑞穂(City Kickboxing)56.70kg  DEEPフューチャーキングトーナメント2020決勝で伊澤風我に敗れ準優勝だった武利が本戦出場。対する松山は、新潟でキックの経験を積み、KAMINARIMONアマチュア最強決定トーナメント63kg級にも出場。ニュージーランドのCity Kickboxingで2年間練習を積み、現地「Shuriken Fight」にも出場(判定負け)。DEEP初参戦となる。  1R、松山はロー、ミドル、前蹴りと蹴りを多く出しながらのジャブ。武利は右ローを蹴って左右のオーバーハンドを狙う。松山のミドルを軸足蹴りで崩した武利は松山の立ち上がり際にフロントチョークを仕掛ける。  抱えたまま自軍コーナーへ持ってきた松山はテイクダウンを狙うがブレイク。再び打撃の展開で蹴りを多用する松山に武利は左右のオーバーハンド。松山もジャブで応戦する中、武利が飛び込もうとしたところへ松山がカウンターの左フック。  これでダウンした武利に松山が鉄槌の雨を降らせ、バックに回るとリアネイキドチョーク。抵抗した武利だったが最後は松山がしっかり極めて鮮やかな勝利を収めた。 [nextpage] ▼第2試合 DEEPバンタム級 5分2R○小原 卓(CORE王子豊島)60.50kg[1R1分42秒 リアネイキドチョーク]×コマネチ竜太(Y&K ACADEMY)60.20kg  小原はFighting NEXUSで1勝1敗。竜太は9月19日の浜松大会でアマチュアSPルールに出場後、連戦でプロデビューを迎える。  1R、いきなり胴に組み付いた小原はコーナーへ押し込み、ダブルレッグに切り替えてテイクダウン。一度はコーナーを背に立ち上がった竜太だが、再びテイクダウンされ、また立ち上がろうとしたところで小原が素早くバックを奪ってリアネイキドチョーク。これがガッチリと決まり、絞め落として小原の快勝となった。 [nextpage] ▼第1試合 DEEP JEWELSストロー級 3分2R アマチュアSPルール×SAKI(K-Clann)[判定2-1]※19-19(マスト愛温)19-19(マストSAKI)19-19(マスト愛温)○愛温(=あぬーく/CAVE/オランダ)  SAKIは同志社大学卒業後にアパレル会社に勤務していたが、格闘技に人生を懸けることを決意。愛温はオランダから東京大学に留学中の学生で、高学歴対決となった。  1R、四つ組みの攻防から愛温が突き放して右ストレート、そしてハイキックをヒットさせるが、蹴り足をとったSAKIがテイクダウン。すぐに立ち上がる愛温にSAKIが組み付き、互いにヒザを蹴り合う。  2R、打撃で行きたい愛温にSAKIは組み付いていく。ヒザの蹴り合いから突き放した愛温は再びハイキックを繰り出すが、かわしたSAKIがバックを奪いボディロックしてテイクダウンに成功。抑え込むSAKIに愛温は三角絞めを狙うがSAKIがしっかり抑え込む。  判定は全員がマスト判定で2-1と割れ、愛温が接戦を制した。
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