大沢(左)にとっては正念場となる弘輝戦。弘輝の強打を封じて完封なるか
2021年12月4日(土)エディオンアリーナ大阪(大阪府立体育会館第1競技場)『K-1 WORLD GP 2021 JAPAN』の第一弾対戦カード発表記者会見が、10月11日(月)都内にて行われた。
スーパーファイトのK-1ライト級3分3R延長1Rで、大沢文也(TANG TANG FIGHT CLUB/team JOKER)と弘輝(team ALL-WIN)が対戦する。
大沢は小学生の時から始めたボクシングで優れたテクニックを持つベテラン選手。2018年9月にはKrushライト級王座に挑戦してタイトル奪取ならずも、同年12月の「K-1ライト級世界最強決定トーナメント」では準優勝を果たした。2020年7月のKrushで蓮實光にKO負け、12月のK-1では瓦田脩二に延長戦で判定負けと連敗を喫したが、今年3月の川崎真一朗戦に延長戦で勝利して脱出。7月の卜部功也戦では判定で敗れている。戦績は26勝(3KO)19敗3分。
弘輝は2020年6月にKrush初参戦を果たしたサウスポーで、初陣ではSEIYAを3Rでマットに沈めた。しかし、9月の朝久泰央では1Rに飛びヒザ蹴りでダウンを奪うも、2Rにハイキックで壮絶な逆転KO負け。3月のK-1では大沢の弟子である龍華にKO負けと、勝っても負けてのKOのファイター。7月の「第6代Krushライト級王座決定トーナメント」の1回戦で東本央貴を判定2-0に降したが、9月の準決勝で里見柚己に判定2-0で敗れて戴冠ならず。戦績は7勝(5KO)4敗1分。
「2年連続でK-1大阪大会に呼んでもらえて嬉しく思っています。頑張ります」と短く挨拶した弘輝。大沢も「大阪は思い入れのある地(2018年のK-1ライト級世界最強決定トーナメントで準優勝した)なので頑張りたいと思います」と続く。
オファーを受けた時の心境を聞かれると、弘輝は「どこかで大沢君とはやるやろうなと思っていたので、まあ、という感じで。地元の大阪で勝ちたいので、おいしい相手だと思っています」と答える。「おいしい相手」と言われてしまった大沢だが、「オファーが来た時は正直乗り気ではなかったです。いま弘輝選手が俺をおいしい相手だと言っていましたけれど、その通りだと思うんですよね。僕はちょっと知名度があって、でも実力がなくて。下の選手からしたら凄くおいしいのかなと思っています」となぜか自虐モードに。
互いの印象については「僕、大沢君の戦い方は好きですよ。勝ちに貪欲で。勝ちたいという気持ちが伝わってくるので。上手いと思います」と弘輝が高評価すれば、大沢も「最初に試合を見たのが新宿FACEで、強い選手だなと思って。その後でウチのジムの龍華と戦って、その後にたまたま道で会って話したんです。こういうキャラだからオラオラな印象が強くて誤解されやすいのかなと思うんですけれど、格闘技に対する気持ちが見える、根が真面目でアツい男だなと感じましたね。ファイターとしては、凄くパワーがある選手だなと。前にガンガン来て。最近は足を使ったりもしているので、どっちも出来るんだなという感じですね」とこちらも高評価。
するとここで弘輝が「大沢君、めちゃいい人キャラでしたっけ? やめて欲しいんですけれど(苦笑)」と、肩透かしを喰った気分になったのかツッコミを入れる。すると大沢は「好感度を上げようと思って」と答え、弘輝は「あかん、せっかく大阪なので喧嘩しましょうよ」と煽った。これに大沢は「僕と弘輝選手が試合をしたら会見でワーワー言い合うと思ったでしょう。絶対になると思ったんですよ。でもK-1が思ったようにはしないですよって感じですね」とニヤリ。どうやら意識して弘輝との舌戦を避けていたようだ。
しかし、弘輝の方はそうはいかない。「僕は喧嘩しに行きます。最近は自分も足を使ったりとかしてみましたけれど、K-1は倒し合う競技だと思うので、喧嘩して倒し合ってって感じで頑張ります」と、“喧嘩”のつもりで行くと宣言した。
一方、大沢は「僕も30歳なので。30になったばかりで、この年齢になったら大体下からかなと思うんですけど。別に弘輝選手のことを下からとは思っていないんですけれど、下から来る選手は『とりあえず大沢かな』と思っていると思うので、門番的みたいな位置にいて防ぎたいなという感じですね。まだまだこの位置は僕がいるよって」と、トップクラスへの壁になるという。
そして「龍華が1RでKO勝ちしていますが、僕は正直倒す力はないので完封。KOは狙わないのですいません。僕は試合がつまらない人間なので。さっき言われた通り勝ちに貪欲なので、完封しようかなという感じです。やっぱり後輩の龍華と比べられるので。そういう面ではいろいろな気持ちがあるんですよ。でも僕は僕なので、という感じですね」と、龍華とは別の形で勝ってみせるとした。