2021年10月2日(土)、東京・新宿FACEでプロフェッショナル修斗公式戦「SHOOTO GIG TOKYO Vol.31 Supported by ONE Championship」が開催された。メインイベントでは齋藤翼と約2年ぶりの戦線復帰となるガッツ天斗のバンタム級マッチが行なわれ、強烈なカーフキックを集めてガッツの左脚を殺した齋藤が判定で勝利を収めた。
▼第9試合 メインイベント バンタム級5分2R〇齋藤 翼(総合格闘技津田沼道場/FIGHT FARM)[判定3-0] ※20-18×3×ガッツ天斗(パラエストラ綾瀬)※2018年度バンタム級新人王
齋藤は8勝5敗1分けの戦績を持ち、前戦で野瀬翔平に判定負けして以来、約2カ月と短期スパンでの試合。対するガッツ天斗は2018年度バンタム級新人王ながら現在は3連敗中と厳しい状況。
1R、右のカーフキックは齋藤。ガッツもローを返すと、右ストレートを飛ばす。近距離の打ち合いになると、互いに引かず左右のフックが交錯する。ワンツーで前に出るガッツに齋藤はさらにカーフキック。コーナーで四つに組むとガッツは首相撲からボディへヒザを当てる。ローに加えボディストレート、タックルも混ぜて攻撃を散らす齋藤、ガッツは距離が縮まったタイミングでフックを振る。
2R、ジャブを突くガッツに齋藤はカーフ。これが徐々に効き始め、蹴られたガッツの脚が流れる。さらに齋藤がカーフを蹴るとガッツがバランスを崩してヒザを着く場面も。ガッツはタックルへ行くが脚に力が入っていないか齋藤は簡単に防ぐ。それでもしつこくテイクダウンを狙うガッツ対し、余裕を持って対応する齋藤。がぶった状態でキープするとギロチンも仕掛け、攻勢のまま試合を終えた。判定はカーフキックを効かせた齋藤がフルマークで勝利。確かなテクニックを見せてメインイベントを締めた。
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▼第8試合 セミファイナル フェザー級 5分2R×木下タケアキ(和術慧舟會HEARTS)[判定2-0] ※20-18×2、19-19〇飯田健夫(マルスジム)
現在2戦連続KO勝利中の木下。これまでの挙げた4つの勝利も全てKOしているハードパンチャーだ。対する飯田はこれまでDEEPやGRACHAN、GLADIATOR、TTF Challengeなど多くの団体に参戦。修斗は2020年9月ヨシ イノウエに腕十字で勝利して以来約1年ぶり。
前蹴りから入る木下、低く構えて思い切り左ストレートを打っていく。飯田は細かくジャブを突くと右ストレートで対抗。そしてコーナーに押し込むと首投げで強引に木下を前へ倒し、袈裟固めの形へ。しかし木下も何とか反転して立つ。スタンドになると木下の左ストレートをかいくぐって組み付いた飯田が再びテイクダウン。バックからサイド、サイドからがぶりと、木下をコントロールしてトップをキープする。
2R、左ハイなど空手仕込みの蹴りを見せる木下だが、このラウンドも飯田にテイクダウンを許す。飯田はサイドから、背を向けて逃げる木下のバックに回るとチョーク狙い、さらに木下が向き直ってくるとハーフガードから強いパウンドを何発も当てる。木下は何とか脱出し、最後は後ろ回し蹴りも見せたが決定打にはならず。組み力の差を見せた飯田が、木下の強打を完封し判定で勝利した。
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▼第7試合 2022年度新人王決定トーナメント フライ級一回戰 5分2R〇片山将宏(TRIBE TOKYO MMA)[判定3-0] ※20-18×3×山口 峻(ブレイブハート)
片山は今年6月にデビューし、判定勝利を挙げている。対する山口は今回がプロデビュー戦。アマでは5勝2敗の成績。
1R、互いにハイキック。片山は強い左ミドルを当てるとさらにスーパーマンパンチで飛び込む。山口はそれを受け止めるようにして四つ組みへ、左を差してコーナーに押し込むもテイクダウンは取れず。再び四つになると山口のヒザがローブローとなり一時中断。再開後、再びタックルは山口、片山はそれを防ぐと逆に内股で豪快に投げる。山口はその後もシングルを仕掛けるなどテイクダウンを狙うがなかなか倒せない。
2R、四つ組みから外掛けでテイクダウンは片山。ハーフで固めると、下から腕十字に来た山口を捌きサイドを奪取。さらに逃げてきたところをバックへと回る。山口はこれを前へ落とすも、片山はスクランブルへ持ち込み上を譲らない。立ってパウンドを落とす片山。山口が立つとまたも四つになり、互いに譲らないまま終了。スタンド、グランドの両面を支配した片山が判定で勝利を飾った。
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▼第6試合 2022年度新人王決定トーナメント バンタム級一回戰 5分2R〇齋藤奨司(FIGHT FARM)[判定3-0]※20-18×3×谷井翔太(ロデオスタイル・大道塾)
齋藤は格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』に参加。過去にはRISEでキックボクシングのプロマッチも経験している。対する谷井は今回がデビュー戦。2018年、2020年のアマ修斗関東選手権バンタム級優勝の実績を持つ。
1R、開始早々、谷井の左フックで齋藤の腰が落ちる。しかし谷井は深追いせず。齋藤もすぐに立て直し強いインローやボディストレートを当てていく。谷井も左ストレートや左ミドルを飛ばすが、一発一発の正確性は齋藤が上。谷井はクリンチからヒザを狙うがこれもあまり当たらず。
2R、谷井は左のオーバーハンドにシングルレッグも織り交ぜながら前へ出る。齋藤は谷井の打ち終わりにしっかりとパンチを返し、カウンターで左も当てる。気合の声を発して前へ出続ける谷井、齋藤はしっかりとガードを上げ、的確に打撃を当て続け試合を終えた。判定は3-0で齋藤。谷井の突進を捌き、危なげなく判定勝利を挙げた。
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▼第5試合 2022年度新人王決定トーナメント フライ級一回戰 5分2R〇青井心二(心技館)[1R 0分26秒 KO] ※バックエルボー×植木“令和”新(シューティング宇留野道場)
青井は今年6月にデビューしたばかりの19歳で、第4代修斗環太平洋ウェルター級チャンピオン遠藤雄介の弟子。前戦はKOで敗れている。対する植木は8勝8敗1分けの戦績で、これまで主にGRACHANでキャリアを積んできた。
1R、両者ジャブで距離を測る中パンチからシングルレッグは植木。しかしすぐに離れる。そして植木が左フックに来た瞬間。青井がバックブロー!ヒジが植木のアゴを捉え、植木は失神して棒のように倒れる。すぐにレフリーがストップし、青井が衝撃の秒殺KO勝利を収めた。
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▼第4試合 2022年度新人王決定トーナメント ライト級一回戰 5分2R〇村岡倫行(トライデントジム)[判定3-0] ※20-18×3×磯部鉄心(パラエストラ松戸)
序盤からプレッシャーをかけるのは村岡。ガードの上からお構いなしに強いミドルを蹴って磯部を退がらせる。磯部も退がりながらパンチを返すが、ロープ際で村岡が右ストレートを当てダウンを奪う。パウンドに来た村岡を磯部は下から抱きかかえるようにして守る。回復した磯部が脚で突き放し立って来ると村岡は変わらずミドル。
2Rも前に出るのは村岡。パンチを振ってから片足タックルも見せるが磯部はこれをギロチンで捕える。アームインの形で絞めあげるが村岡は腰を立てて防ぐ。終盤磯部が突き放し再びスタンド。打ち合いになるも互いに決定打がなく終了。ダウンを奪い終始攻勢だった村岡が判定で勝ちを収めた。
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▼第3試合 バンタム級 5分2R〇松下祐介(パラエストラTB)[2R 3分47秒 エゼキエルチョーク]×新井拓巳(ストライプル新百合ヶ丘)
新井は格闘オーディション番組『格闘DREAMERS』に参加。最終選考まで勝ち上がったが中村倫也にKOで敗れた。対する松下は2019年3月以来2年半ぶりの試合。
1R、左右のフックで前に出る松下に新井はダブルレッグ。切られても潜り込むようなパンチから、ダイブするようなタックル、さらにシングルレッグと、テイクダウンを何回も狙って行く。松下はそのたびに切り、スタンドバックにつかれてもアームロックで対抗。離れてスタンドになると最後に新井がダブルレッグで尻餅をつかせて終了。
2R、互いにパンチを振り合う中またもダブルレッグは新井。しかし松下はしっかりと切る。何度もテイクダウンを試みる新井だが松下を倒すには至らない。そして松下はしっかりと新井のタックルをがぶると首に手を回しギロチンの体勢。さらに新井を反転させるとノースサウスの形から片手を喉元へ押し込むエゼキエルチョーク。新井もしばらくは耐えたがタップアウト。松下が見事な一本勝ちで2年半ぶりの復帰戦を飾った。
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▼第2試合 トライアウトルール フェザー級 3分2R×辻村秀綱(TRIBE TOKYO MMA)[判定2-0] ※20-18×2、19-19〇竹原魁晟(パラエストラ松戸)
竹原がテイクダウン、さらに起き上がる辻村をリフトして豪快にマットへ叩きつける。辻村もスクランブルで上を取るが、2R終盤にマウントからパウンドを浴びせた竹原が判定勝ち。
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▼第1試合 トライアウトルール バンタム級 3分2R×竹下 登(暁道場)[判定2-0] ※20-18×2、19-19〇森田興希(パラエストラ松戸)
竹下がシングルレッグでテイクダウンもスタンドでは森田がコントロール。2Rからは竹下のタックルを全て切りローとパンチを効かせた森田が判定で勝利した。