MMA
インタビュー

【RIZIN】なぜ朝倉未来は萩原京平を「ドミネート」したのか?

2021/10/03 11:10

朝倉は斎藤裕に「年末とかに受けてもらえたら」

 試合後は、リングサイドの解説席に座るフェザー級王者の斎藤裕(パラエストラ小岩)に、「斎藤選手とクレベル選手にやり返すためにすごいキツイ練習をしてきました。また年末とかに受けてもらえたら」と再戦をアピール。

 解説席の斎藤も「すごくトータルで強くなったところを見れました。また対戦の機運が高まれば。僕は10月24日(横浜大会)にしっかり勝ってから考えたいです」と前向きに返答。朝倉は「あとは流れに任せます」と語っている。

 試合後に王座挑戦をアピールした、その真意を問うと、朝倉は「やっぱり俺が巻かないともっと盛り上がらないのかなと思っていて。RIZINのフェザー級のチャンピオンベルトは俺が一番似合うと思うので。それに今までも“俺が引っ張ってきた”という自負があって。リベンジしたいのも含めてチャンピオンベルトを巻きたい」と、勝つ時も負ける時も、常に自身を中心としてフェザー級が、RIZINが動いてきた自負ゆえに、その象徴であるベルトを巻きたいとした。

 何より「やられたヤツにはやり返す」のが信条だ。朝倉は斎藤のみならず、クレベルにも「リヴェンジしたい」とはっきりと言った。それは敗者の萩原も同じで、「試合後は『また絶対やり返す』ということを(朝倉に)言いました。朝倉未来に辿り着くまでに死にものぐるいで練習して、試合もバンバンやっていく」と、再起を誓う。

 大会後、榊原信行CEOは、打撃戦とはならなかったメインイベントについて、「萩原と朝倉の試合が素晴らしいというか、格闘技ならではの緊張感と、重たい空気のなかではあるけれども、しっかり勝負論と、互いに準備をしてきた選手でしか作れない戦いの空間の臨場感を醸し出してくれたということに、主催者として嬉しく思います」と評価。

 敗れた萩原についても、「負けましたけど萩原の存在感は光った。8戦で未来に辿り着く、プロとして持ってなくてはいけないカリスマ性をすごく感じる選手。僕自身の反省でもあるけど、未来戦の前が大晦日の平本蓮選手との試合で、どこかでもう1試合挟めたら良かった。試合から遠ざかっていたことも敗因かもしれない」と試合勘が万全ではなかった可能性も示唆した。

「控え室で泣いていましたが、『やり返す』ということをリング上ですでに呟いているとするなら、歩みを止める気ではないと思う。年内に試合を組んでしっかり試合経験を積んでもらい、未来なりトップ戦線に繋がる実績を作る機会をあげたい」

 王者・斎藤への挑戦者については、大会前に、この朝倉vs.萩原の勝者を待つことも語っていた榊原CEOだが、「朝倉選手は試合後、ちょっと足首を痛めたと言っていたので、10.24 横浜大会に志願してきても、そこじゃない。24日に未来以外の選手とのタイトルマッチで、斎藤がタイトルを防衛した先に、年末に盤石な形で、未来と斎藤の再戦があってもいいと思う」と、再戦は年末で、横浜大会ではフェザー級の王者クラスと交渉中であることを語っている。

 フェザー級では、王者・斎藤裕を筆頭に、クレベル・コイケ、朝倉未来、ヴガール・ケラモフ、堀江圭功らが存在感を示しており、国内王者では、DEEP王者の牛久絢太郎、PANCRASE王者のISAO、現修斗王者のSASUKEもRIZINではまだ試合を行っていない強豪だ。

 さらに、10月の横浜大会では、金原正徳が復帰戦で芦田崇宏と実力者対決、中村大介と新居すぐるのアームロック対決、白川陸斗と山本琢也のDEEPvs.GRACHAN対決が組まれており、斎藤、朝倉と激闘を繰り広げた摩嶋一整、弥益ドミネーター聡志も控えている。ニューカマーでは、『LANDMARK』で鮮烈MMAデビューを果たした鈴木博昭も注目だ。

 果たして、10月の斎藤裕の「防衛戦」の相手は誰になるか。

 榊原CEOは「鈴木選手はさすがにここがデビュー戦なのでいきなりタイトルは一足飛び。リストアップしている選手に十分候補の選手が何人かいるので、そのなかから選べたらいい」と語っている。

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