【ONEフェザー級(70.3kg)キックボクシング・ワールドGP】※優勝賞金100万ドル
▼フェザー級(-70.3kg)キックボクシングワールドグランプリ準々決勝第4試合 3分3R
×ジョルジオ・ペトロシアン(イタリア)
[判定1-2]
〇ペットモラコット・ペッティンディーアカデミー(タイ)
※ペットモラコットが準決勝へ進出。
優勝賞金100万ドル(約1億950万円)のキックボクシング世界トーナメントが今大会より開幕。その絶対的な優勝候補ペトロシアンが1回戦に登場した。2009年と2010年のK-1 WORLD MAXでミドル級世界トーナメントを制し、世界にその名を轟かせてから、10年にわたって世界最高峰に君臨してきた。
ペットモラコットはタイのビッグマッチ常連の超一流選手として活躍し、ルンピニースタジアムではミニフライ級王座とスーパーフェザー級王座に就いた。2015年4月には初来日し、梅野源治の挑戦を退けている。ONEでは3月に健太と対戦し、勝利を収めて健在ぶりを発揮。
1R、両者サウスポーから左の蹴りを出していき、前に出るのはペトロシアン。早くからパンチ主体のスタイルに切り替えたペトロシアンが、ロープを背にするペットモラコットに左右フックとボディストレートを当てに行く。同時に放った右フックでスピードで劣ったペットモラコットが吹っ飛ぶ。ペトロシアンのパンチをもらう度に打ち返すペットモラコットだが、全てペトロシアンのスウェーにかわされる。
2R、ペットモラコットは首相撲からのヒザ蹴りに活路を求める。これにペースを崩したかペトロシアンのパンチが雑になり、ペットモラコットのパンチも当たり始める。パンチの打ち合いの中で組みからのヒザをボディへ突き刺すペットモラコットは、どんどん前へ出て組んでいく。ペトロシアンは左の強打を叩きつけるが、ペットモラコットの首ヒザはしつこい。
Petchmorakot advances to the semifinals of the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix with a split-decision win over the legendary Giorgio Petrosyan! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/ur6C5cxju8
— ONE Championship (@ONEChampionship) May 17, 2019
3Rも前に出るのはペットモラコットで、パンチの打ち合いを挑む。近付くと組もうとするがこれを嫌がるペトロシアン。組まれるよりも先に左右フックをヒットさせにいくが、ペットモラコットのしつこい首相撲からのヒザでかなりの消耗が見える。ペトロシアンは入り込んでの左右フックを打つが、勝利を確信したペットモラコットは残り30秒で試合を流し始めた。
判定は割れ、2-1でペットモラコットが勝利。ヨードセングライに続き、優勝候補本命のペトロシアンが敗れるという大波乱となった。
▼フェザー級(-70.3kg)キックボクシングワールドグランプリ準々決勝第3試合 3分3R
×ヨードセングライ・IWE・フェアテックス(タイ)
[判定0-3]
〇サミー・サナ(フランス)
※サナが準決勝へ進出。
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ヨードセングライは長きにわたって世界のトップに君臨している実力者。ムエタイの殿堂ルンピニースタジアムではフライ級(50.80kg以下)王座とウェルター級王座(66.68kg以下)を制し、現在は70kg前後で世界各地に招聘されて試合をしている人気者だ。3月の日本大会ではアンディ・サワーとの再戦をKOで制している。
対するサナは元WBCムエタイ世界ミドル級暫定王者で、昨年6月にはONEで元ルンピニースタジアム認定ウェルター級王者ソーグラーを相手に大善戦した。フェザー級にして193cmの長身を持つ。
1R、かなりの身長差。サウスポーのヨードセングライにサナは右ハイとワンツーを伸ばしていく。しかし、ヨードセングライはリーチ差をものともせずサナの奥足を左ローで蹴る。サナの右ミドルとヨードセングライの左ミドルの蹴り合い。サナのヒザ蹴りにヨードセングライはボディストレートで応戦だ。ラウンド終了間際、右ハイをヒットさせたサナが左フックでダウンを奪い、ヨードセングライはフラつきながらも立ち上がる。
Samy Sana shocks the ? with a unanimous decision victory over Yodsanklai to secure his spot in the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix semifinals! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/zk6rEi3FGS
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2R、ヨードセングライはジャブと左ミドルの安全策かと思えば、サナが打ち合いを仕掛けてくると真正面から打ち合いに応じる。ヨードセングライは左ボディストレートを狙い撃ち。サナはヒザ蹴りで応戦する。アッパーを突き上げるヨードセングライにサナは右ストレート。両者のパンチが相手の頭を激しく揺らす。いつ倒れてもおかしくないサナの右強打をもらっても、前へ向かっていくヨードセングライ。ラウンド終了のゴングが鳴ると、場内は大歓声に包まれた。
3R、ミドルの蹴り合いからまたも打ち合いが始まる。サナの右ストレートが直撃し、ヨードセングライは絶体絶命。サナは掴んでのヒザ蹴り連打で注意を受ける。それでも前に出るヨードセングライにサナは顔面前蹴り、右ストレートを突き刺す。諦めずパンチを繰り出すヨードセングライにサナはヒザを左右で突き刺していく。左ミドルで対抗したヨードセングライだが、有効打とダメージの差は明らか。
Samy Sana shocks the ? with a unanimous decision victory over Yodsanklai to secure his spot in the ONE Featherweight Kickboxing World Grand Prix semifinals! #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/zk6rEi3FGS
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判定は3-0でサナが番狂わせの勝利。ペトロシアンと並ぶ優勝候補ヨードセングライが準々決勝で姿を消す番狂わせとなった。
▼フェザー級(-70.3kg)キックボクシングワールドグランプリ準々決勝第2試合 3分3R
〇ジョー・ナタワット(タイ)
[3R1分24秒 KO]※3ノックダウン
×サーシャ・モイサ(ウクライナ)
※ナタワットが準決勝へ進出。
SMOKIN' knockdown ? #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/iwbPKzYG6Y
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ナタワットは昨年ペトロシアンと対戦しているが判定負け、サミー・サナには勝利している。
当初はアンディ・サワーがワールドグランプリにエントリーしていたが欠場となり、このサーシャが代打出場。現在は拠点をタイに移して練習と試合を積んでいる。
1R、ナタワットは左右のミドルとロー、モイサはその蹴り足をつかんでのパンチ、蹴りへのカウンターのパンチを放つ。ナタワットは滑らかなコンビネーションでパンチから最後は右ローへつなげる。モイサはほとんど蹴りを出さずパンチのコンビで勝負。
2R、モイサは前に出てパンチを当てたいが、ナタワットの蹴りに阻まれる。パンチから右ローにつなげるナタワットにモイサは防戦一方に。ナタワットは右ローだけでなく、左右ミドルやハイキックで揺さぶりをかけていく。
3R、ナタワットが右ローからの右フックでダウンを奪う。パンチをまとめ、右ローも蹴るナタワットにモイサは棒立ち。右ストレートでダウンを奪われ、モイサの連打で再び棒立ちに。レフェリーがストップに入り、ナタワットが3ノックダウンでKO勝ちとなった。
▼フェザー級(-70.3kg)キックボクシングワールドグランプリ準々決勝第1試合 3分3R
〇ジャバル・アスケロフ(ロシア)
[判定3-0]
×エンリコ・ケール(ドイツ)
※アスケロフが準決勝へ進出。
Spinning back ?... in SLOW-MO ? #WeAreONE #EnterTheDragon #Singapore #MartialArts pic.twitter.com/ZHgkuvxu7F
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アスケロフはブアカーオ、ジョルジオ・ペトロシアン、マイク・ザンビディスらに敗れるもトップ選手たちと拳を交えてきたベテラン選手。2009年7月にはK-1 WORLD MAXに初来日し、日菜太を延長戦の末に下している。
ケールは2014年にK-1 GLOBALが開催したK-1 WORLD MAX決勝戦でブアカーオと対戦し、ブアカーオが本戦ドローの判定を不満に思い延長戦を放棄したため、優勝を遂げている。ケールもまた、2015年にペトロシアンと対戦しているが敗れた。
1R、サウスポーのケールは左ミドルで先制し、左右ローとパンチにつないでいく。アスケロフもローを返しつつパンチを狙う。ケールはアスケロフのローにパンチを合わせに行き、左インローへつなぐ。アスケロフは左フック狙い。
2Rもケールはパンチからローのコンビネーション。接近してフックを繰り出すアスケロフにケールはヒザ蹴りで応戦。アスケロフは右ローが効いたか構えをサウスポーに変える。アスケロフは右フックをクリーンヒット。
3R、アスケロフが2度続けて胴廻し回転蹴りを放ち、2度目がヒット。ダウンにはならなかったがアスケロフが一気にラッシュをかけると、ケールはこれに耐える。アスケロフは胴廻し、バックハンドブローと大技を連発し、優勢を印象付けて判定勝ちした。