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【ONE】青木真也が初防衛に失敗、王座陥落。ペトロシアンが敗れる 。内藤のび太が粘り勝ち。V.V Meiが連勝一本勝ち。中原由貴はトノンに一本負け。ノースカットが29秒KO負け

2019/05/17 19:05
【ONE】青木真也が初防衛に失敗、王座陥落。ペトロシアンが敗れる 。内藤のび太が粘り勝ち。V.V Meiが連勝一本勝ち。中原由貴はトノンに一本負け。ノースカットが29秒KO負け

(C)ONE Championship

5月17日、シンガポール・インドアスタジアムで行われた「ONE:Enter the Dragon」メインイベントで、青木真也(イヴォルブMMA)がクリスチャン・リー(シンガポール)を相手にONE世界ライト級王座初防衛戦に臨み、2R TKO負け。リーが新王者となった。

3月31日の両国国技館大会のメインでエドゥアルド・フォラヤンからライト級王座を2年4カ月ぶりに奪還した青木は約1カ月半のスパンで、リーのホームであるシンガポールで戦った。

「MMAの未来形」と呼ばれるクリスチャンとは16歳のときに初めてスパーリングをしたという青木は、そのつなぎ目のない動きについて、「彼には予定調和がない。構えて相手を見ての攻防が存在しない。ムエタイよりも早く、ボクシングよりも早いリズム」と高く評価していた。

王座を奪回し、じっくり試合を選んでもおかしくない環境で、20歳で11勝3敗、朴光哲、横田一則、徳留一樹という日本人強豪を立て続けにフィニッシュしているクリスチャンとの試合を望み、実現させた青木。キャリア3年半で王座戦を決めたクリスチャンとの試合は、MMA16年目・44勝8敗1NCの戦績を持つ36歳の王者にとってチャレンジングでスリリングなタイトルマッチだった。

試合前のインタビューで青木は、“MMAの未来形”と呼ばれる20歳のクリスチャンを防衛戦の相手に希望した意図を、「上のやつらが下との試合をやらなかった。当時の僕はそれを見ていい気持ちがしなかった」といい、次世代の超新星を相手に「僕が勝ちますよ。受けるんじゃない、挑戦する試合だから」と語っている。

▼ONEライト級(※77.1kg)選手権試合 5分5R
×青木真也(王者/日本/イヴォルブMMA)※初防衛戦
[2R 0分51秒 TKO]
○クリスチャン・リー(挑戦者/シンガポール/イヴォルブMMA)
※青木が初防衛に失敗。リーが新王者に。

挑戦者のリーが先に入場。コーナーに姉のアンジェラ・リーが就く。王者の青木のコーナーマンには北岡悟、宇野薫が就く。リングでの5R王座戦。

1R、サウスポー構えの青木、オーソドックス構えのリー。組んで青木は四つ組みで小外がけもリーはロープに手をかけ踏ん張る。しかし、青木は再度、右で差して四つから小外でテイクダウン! コーナーでハーフから頭をつけて得意の左右からパスを狙う青木に、左で小手に巻き立つリー!

しかし青木も右で差してみたびテイクダウンとともにサバ折りでそのままマウントに! ヒジを落とす青木。出血するリーは、ケージウォークさながらにロープを蹴ってブリッジ。そこで前に落ちながら青木は腕十字へ!

青木はリーの右腕を右脇下に挟み、腕を伸びきらせるがリーは万歳の形でずらしながらブリッジ! さらにまたいで外しに行こうとすると、青木は自ら先に解いてしっかりサイドから抑えに行く。すぐにリーの脇を差しパスガードし再びマウントへ。

リング中央で再開。青木は縦のヒジを落として万全の体勢ながら、残り時間を見てか、多少強引に腕十字へ行く。ここはリーも上体を起こして外す。



2R、リーの左右の前進に低いダブルレッグは青木も切るリー。しかしなおも詰める青木は四つに持ち込む。ここも突き放すリー! 右を出す青木にリーは左を効かせると、青木は後退。ロープに詰まると続けてリーが右をヒット! さらに左のダブルに青木はコーナーでダウン。リーがパウンドラッシュ。レフェリーが止める、その直前に立った青木は早めのストップに不満気な表情を浮かべたが、顔を腫らせている。すぐにリーに近づき、若き王者を祝福した。



20歳のリーは、リング上で「シンヤ、あなたはレジェンドだ。この機会を与えてくれてありがとう。両親や家族に感謝したい。(チャンピオンと呼ばれ)いい響きだよ。一番若いチャンピオンになれて嬉しい」とマイク。36歳の青木はリーの肩のベルトを叩き、「マイキャリア、マイベルト、パス(俺のキャリアとベルトをパスする)」と語った。

▼ONEライト級(※77.1kg)キックボクシング王座決定戦 3分5R
×ニキー・ホルツケン(オランダ)
[判定0-3]
〇レギン・アーセル(オランダ)


 ホルツケンは連勝を重ねて2007年のK-1 WORLD MAX 2007世界一決定トーナメント開幕戦に出場。1回戦でブアカーオに敗れた。2009年の同トーナメントにも出場して準決勝へ進出したが、やはりブアカーオに敗れている。その後はGloryを主戦場に連勝を続けウェルター級王座を獲得。2013年からはボクシングにも出場して連勝し、WBSSにも参戦を果たした。

 1R、体格で優るアーセルに対し、ホルツケンはガードを固めて前へ出ていく。ホルツケンの後ろ回し蹴りに場内が大きく沸く。鋭いインローとパンチを繰り出すアーセルだが、プレッシャーをかけていくのはホルツケンの方。



 2R、アーセルがワンツーとロー、そして飛びヒザ蹴りと一気にラッシュ。ホルツケンも強打を返して激しいせめぎ合いに。アーセルのヒザ蹴りにホルツケンは左右ボディで応戦。このボディ合戦はホルツケンに分があったか、アーセルは下がっていく。

 それでもパンチを繰り出してホルツケンをロープに詰めたアーセルに、ホルツケンはヒザをボディに突き上げた。ダウンかと思われたがレフェリーの判定はローブロー。再開後、ホルツケンはバックキックでボディを攻める。


 3R、ホルツケンは強いジャブを出してアーセルを下がらせるが、アーセルは2R序盤と同じようにパンチから飛びヒザ蹴りを連発して前へ出る。今度はアーセルの左ボディでホルツケンの動きが止まり、アーセルは左右ヒザ蹴りとボディブローでどんどん前へ出る。ホルツケンはガードを固めて耐える。


 4R、アーセルの右ボディをもらったホルツケンは下がる。ホルツケンもジャブでボディを打ち返すが、アーセルは手数が多く、ヒザ蹴りも突き刺す。両者ともスピードがかなり鈍り、手数も減ってきた。残り30秒、アーセルがジャブからの飛びヒザを顔面へヒットさせてダウンを奪う。


 5R、ホルツケンは顔面にパンチを集めて左ボディを打つ。お互いにボディを攻め、ボディを守る展開。手数が少なく、レフェリーから注意を受ける。前に出るホルツケンがパンチとバックキックで勝負をかけるが、アーセルもワンツーと打点の高いヒザ蹴りで反撃。終盤、ホルツケンの右ハイがヒットしたが、ダウンを奪い返すまでには至らず。判定3-0でアーセルが王座に就いた。

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