レスリングと同じように、強い選手がいる環境で揉まれること(太田)
一方、久保と対戦する太田は、「東京オリンピックがありましたけれど、僕自身、会場で金メダルを獲る選手をたくさん見てきました。僕もパフォーマーという形で参加させていただいたんですけれども、金メダルを獲る選手を間近で見ることで僕自身、東京オリンピックでの金メダルを目指してアマチュアのレスリングで戦ってきた選手なので、凄くモチベーションが上がっていますし、東京五輪での金メダルという夢は達成することは出来ませんでしたけれども、格闘技の世界で世界一を目指すということで、金メダルを東京五輪で獲得するということに本当に劣らないことだと思っているので、これからも総合格闘技の世界で世界一を目指して頑張っていきたいと思います。試合を楽しみにしていてください」と、プロMMAの世界で“金メダル”を目指すと誓う。
今大会から、名門パラエストラ千葉ネットワークのひとつであるパラエストラ柏に所属。
太田は「今までフリーでやっていて、パラエストラ柏は、扇久保(博正)さんや岡田(遼)さん、内藤のび太さんだったり、同じ階級にも強い選手がたくさんいるので、そんな環境はなかなか日本に無いので、強くなる一番の近道──近道はないとは思うんですけど、その環境で揉まれることが、僕自身、レスリングで一番強い日体大で強くなったので、レスリングと同じような環境に身を置いて取り組むことでMMAも強くなろうということで鶴屋浩先生のパラエストラ柏にお世話になることを決めました」と、所属先を決めた動機を説明した。
東京五輪では、銀メダルの文田健一郎、銅メダルの屋比久翔平らをサポートした。
「文田選手に関しては金メダル確実だと思ったのが銀メダルで勝負の厳しさを学びましたし、屋比久選手はメダルは正直なかなかどうかなと思っていましたが、そのなかで持っている力以上のものを発揮してメダルを獲得して、ほんとうに目標に向かって頑張れば、目標を達成できることを彼が証明してくれたので、いろんな意味で勝負の刺激を受けました」という。
久保戦は、「(相手が)K-1チャンピオンということで、たぶん打撃が当たったら危ないので、当たんないように逃げたいと思います」とシンプルに語った太田は、苦いMMAでの敗戦を経て、2戦目でグレコローマンレスリングの強さをいかにMMAで発揮するか。