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【ONE】養蜂家からプロ格闘家に転身、元2階級王者アウンラ・ンサンの新たな旅路「誰にだって挫折や敗北はある。それをどう受け止めて挑戦するか」=7月30日(金)シンガポールで再起戦

2021/07/30 11:07

アバゾフも岡見も僕との試合を望んでいる。良いマッチアップはたくさんある

──ビタリー・ビグダシュ選手との試合(2020年と2021年4月)がキャンセルになったと仰っていましたが、その試合はいつ組まれると思いますか。

「たぶん、この試合の後じゃないかな。それは本当にONE Championship次第だから、誰が次でもいい。ONE Championshipで14試合戦ってきたけど、一度もオファーを断ったことはあないんだ。誰が相手でも戦うのが自分だ。僕は、『この選手と戦いたい』ってあまり言わないけど、チャンピオンだった時は色んな選手が僕とやりたいって声を上げた。そうやって試合が組まれることもある。次がビタリー・ビグダシュとの3戦目でもいい。とにかくアクティブでいたいし、より良い状態でいたいんだ」

──いつものアウンラ選手の試合は動き溢れる試合でしたが、過去2戦は違うように見えました。

「確かに過去2試合はディフェンスばかりの試合だった。グラップリングマッチみたいになってしまって、本当に面白い試合ではなかったと思う。この試合では、レアンドロと良い試合にできるようにしたいね。ファンを興奮させる試合をしたい」

──この試合で勝った場合、ライニアー選手との再戦を希望しますか。

「ONE Championshipが何て言うか次第なので、あまり気にしていない。もしやるなら、彼との試合のためにしっかり準備をするよ。そうじゃないとしても、良いマッチアップはたくさんあると思う。ONEウェルター級世界王者のキャムラン・アバゾフも僕との試合を望んでいたし、レジェンドのユーシン・オカミ(岡見勇信)も僕と試合をしたいって言っていたのを分かっている。良いマッチアップはたくさんあるじゃないか。ビタリー・ビグダシュとの3戦目だってある。僕はとにかくファンのために良い試合をしたいんだ。残りの数年で、過去最高の自分になって、ファンのためにエキサイティングな試合をすることが一番で、誰かに何かを証明するつもりもないし、アンチに証明することもない。今やっていることに嬉しく思うし、自分がやっていることにベストを尽くしたいんだ」

──ウェルター級に落としてアバゾフと戦うということでしょうか。

「いや、彼がミドル級に階級を上げてという話さ。彼もそう言ってたよね。僕はライトヘビー級のために身体作りをしていたから、もうウェルター級には落とせないよ」

──プロの格闘家である以前に、アウンラ選手は養蜂家でもありましたし(かつて米国フロリダ州フェルダのEisele Honey and Bee Pollination社で養蜂家としても働いていた)。それに、母国に帰った時は、学校を訪れたり、チャリティーにもとても積極的です。母国のヒーローであることに関して、どのように捉えていますか。

「養蜂をしていたときは、ほとんど毎日蜂に刺されていたけれども楽しかった。外での作業もはちみつ作りも、受粉作業も好きだった。受粉のためにいろんなところに行ったよ。カリフォルニアではアーモンドを、ウィスコンシンではクランベリーを、ミシンガンではブルーベリーを、フロリダではオレンジを受粉した。そういった移動型のライフスタイルはすごく自由に思えた。養蜂の仕事は安定していたけど、格闘技への思いが深まり、養蜂の仕事を辞めてMMAに向かった。

 僕は普通の人間で、自分で自分のことをヒーローだとは思っていないんだ。ソーシャルメディアをチェックしたり、物事を調べることを心がけたり、良い人間でいられるようにトレーニングしている普通の人間で、自分のことをヒーローって思うのは好きじゃないんだ。父親であり、夫であり、自分の人生をただシンプルに生きようとしているだけ。そういう中で自分の周りにいる人たちをできる限り助けていきたいと思っているよ」

──最後に、ご自身が思うこの試合の予想を教えてください。

「3Rのどこかで試合が決まると思う。この試合は、プレッシャーと興奮が溢れる試合になる。みんながこの試合を楽しんでくれることを願っているよ。たくさんの応援、サポートに感謝しています。ありがとう!」

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