Krush.1252021年5月30日(日)東京・後楽園ホール
▼第9試合 Krushスーパー・ライト級タイトルマッチ 3分3R延長1R〇佐々木大蔵(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST/王者)判定3-0 ※30-29、30-28×2×平山 迅(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ/挑戦者)※佐々木が2度目の防衛に成功。
佐々木は2008年にK-1甲子園でベスト8入り、同年5月にプロデビューし、2016年にKrushライト級王者となった。2018年4月の2度目の防衛戦で同王座を失い、スーパー・ライト級に転向すると同年11月のK-1スーパー・ライト級王座決定トーナメントでは準優勝。2019年6月大会では不可思をTKOで下している。2月大会で鈴木勇人を破り、ライト級に続いての2階級制覇に成功。12月のK-1では大和哲也を判定3-0に降している。今回が2度目の防衛戦。戦績は28勝(6KO)17敗1分。
平山はパンチを武器に真っ向勝負を展開。渡部太基、塚越仁志、牧平圭太、木村“フィリップ”ミノルといった歴代KRUSH王者たちと拳を交えてきた。2019年4月に大阪から上京してシルバーウルフ所属となり、4月のKrushで竹内悠希にKO勝ち。8月のK-1では山崎秀晃に判定で敗れ、12月のK-1では中野滉太にKO負けして連敗を喫したが、2020年9月の不可思戦では合計3度のダウンを奪って大差の判定勝ちという番狂わせを起こした。戦績は17勝(9KO)16敗3分。
1R、序盤は平山がカーフキックとパンチを繰り出していったが、佐々木がスイッチしての左ミドルを使い始めると流れが変わる。ジャブからの右ストレートをクリーンヒットさせた佐々木。左ミドルを蹴って的確に当てに行く。
2R、佐々木はオーソドックスで右ロー、サウスポーで左ミドルを蹴り、蹴りをしっかり当てていく。ジャブを多用すると平山も力強いジャブで対抗。佐々木はワンツーを繰り出すが、平山も右フックを返す。
3R、佐々木はジャブを突きまくり、平山は鼻血を出す。平山のジャブを一発もらうとジャブの連射を返す佐々木。さらにワンツー。中盤になると左ミドルを的確に何度もヒットさせる佐々木。平山は意地の右ストレートを返すが、すぐに佐々木がワンツーを返して左ミドル。平山が一発出すとその倍を返すという展開で、最後は佐々木がワンツーを連打して終了。
判定3-0で佐々木が盤石ぶりを見せつけ、2度目の防衛に成功した。
マイクを持った佐々木は「今日一日、K-1にお付き合いいただきありがとうございました。いつも通りの安全運転をしてしまいました。それは平山選手の圧があってこういう結果になりました。今回の試合に臨むにあたり、格闘技の練習が終わると幸せを感じていて。一人じゃ強くなれなくてサポートしてくれる人がいるから強くなれるということが身に染みて、試合が決まってからずっと感じていました。グッと来る場面があったんですが、家に帰ってからしみじみしたいと思います。一人じゃ生きていけないんです。人が助けてくれるので、思いやりを持って日々過ごしていきましょう」と、いつも通りメッセージ性の高いマイクパフォーマンスで締めくくった。
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▼第8試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇晃貴(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)延長R 判定2-1 ※10-9×2、9-10×黒田勇斗(K-1ジム心斎橋チームレパード)※本戦の判定は29-29×3
晃貴は現K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊と同じ鳥取県出身で、鳥取時代も同じジムにいた弟分。2019年1月に第4代Krushバンタム級王座に就いた。2019年11月の2度目の防衛戦で佐々木洵樹に敗れて王座を失い、そこからは勝ち負けを繰り返している状態。前回2月大会では野田蒼にKO勝ちしており、このまま波に乗れるか。戦績は9勝(3KO)7敗1無効試合。
黒田は2018年5月からK-1 JAPAN GROUPに参戦し、4戦目で初勝利を上げるも2019年11月の5戦目で椿原龍矢に判定負け。2020年9月のK-1では三井大揮に判定勝ちも、前戦は今年1月に小倉尚也に判定負けしている。戦績は4勝8敗1分。セコンドには、つい先ほどK-1バンタム級日本最強決定トーナメントで優勝した弟の黒田斗真が就いた。 1R、前に出るのは黒田。174cmの長身(晃貴は160cm)から繰り出すワンツー。黒田のローキックがローブローとなって一時中断。再開後、晃貴が飛び込んでのフックをヒットさせ、強いローを蹴り、カーフも蹴る。そしてまた飛び込んでのフック。晃貴のインファイトを許してしまう黒田だが、ワンツーで迎え撃つ。
2R、晃貴は右フックをしっかりヒットさせつつ、強いインローとカーフを蹴る。黒田はヒザを多用するが、晃貴はそれにフックを合わせに行く。身長差やリーチ差を感じさせない飛び込んでのパンチで優勢に立つ晃貴。
3R、打ち合いの中で黒田の右ストレートをもらって腰を落とす晃貴。すかさず黒田がラッシュを仕掛けて晃貴をコーナーへ詰め、右ミドルでも快音を響かせる。コーナーから脱出すると晃貴は再び右フック。黒田も打ち合って判定はドローに。
延長戦。黒田の右ストレート、ボディへのヒザをもらう晃貴だが、ラスト30秒で右フックをヒットさせて反撃。左右フックをパワフルに放ち、黒田の右ストレートに対抗。甲乙つけがたい打ち合いとなったが、判定2-1で晃貴が勝利をもぎ取った。
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▼第7試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R〇小倉尚也(スクランブル渋谷)判定3-0 ※28-26×3×小巻海斗(真樹ジムAICHI)
小倉は2017年からK-1 JAPAN GROUPに参戦しているファイターで、パンチを武器に15勝(8KO)8敗2分の戦績。2020年9月、2021年1月と連勝している。対する小巻は2月のKrushでK-1 JAPAN GROUP初参戦。選手欠場を受けて急遽の出場だったが、ムエタイ三冠王の44・ユウ・ウォーワンチャイからパンチで見事なKO勝利を収めた。戦績は7勝(5KO)4敗1分。
1R、強い右ローと左ミドルを蹴った小巻はいきなりの右フックでダウンを奪う。意表を突かれた小倉だが、体勢を立て直して前へ。小巻は強い蹴りとスピードのあるパンチで小倉から有効打を奪うが、小倉も打ち合いに応じて一歩も退かない。
2Rも打ち合いに行く小倉。顔面とボディへフックを乱れうちにし、前蹴りも突き刺す。カーフキックを皮切りに小倉がペースをつかみ、ついに顔面とボディへのフックの乱れうちから左ボディでダウンを奪い返す。
3R、小倉が猛然とパンチで攻め、ボディをパンチと前蹴り、足をカーフキックで痛めつける。タフな小巻はそれでも打ち合いに応じ、パンチの応酬が繰り広げられる。その中で小倉が顔面・ボディに連打を浴びせてスタンディングダウンを追加。
さらに打ち合いは続き、小巻も諦めずにパンチを繰り出す。小倉も最後まで攻め続け、熱戦は終了。2度のダウンを奪った小倉の逆転勝利となった。
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▼第6試合 Krushスーパー・フェザー級 3分3R延長1R×伊藤健人(K-1ジム蒲田チームアスラ)判定0-3 ※28-30、27-30、26-30〇中島千博(POWER OF DREAM)
中島は極真空手で2017年第34回全日本ウェイト制軽重量級優勝、2017年オールアメリカン大会無差別級3位、2018年USウェイト制軽重量級優勝などの実績を引っ提げてキックボクシングに転向。2019年5月にプロデビューし、2勝(2KO)を飾ったが2020年2月に横山朋哉に敗れプロ初黒星。9月も山本直樹に敗れ連敗中。
伊藤は9勝(2KO)10敗4分と23戦のキャリアを持ち、小澤海斗や芦澤竜誠らと拳を交えてきた。前戦は2020年12月に三輪裕樹に敗れている。
1R、伊藤は左右ミドルで快音を響かせ、カーフも蹴る。ジャブ&ミドルで距離を取る伊藤に中島は攻めあぐねたが、終盤はショートのフック&アッパーで前に出る。
2R、中島はよく伸びる右ストレートをヒットさせる。左右のミドルを蹴る伊藤に中島はプレッシャーをかけていき、終盤についに中島の左ショートアッパーがヒット。アッパーを連打した中島は左フックとアッパーの中間のようなパンチでダウンを奪う。
3Rは伊藤がダウンを奪い返そうとパンチ主体の攻撃で前へ出る。これに中島は蹴りでそのまま逃げ切ろうとするかに見えたが、ショートのアッパーと叩きつけるようなフックで再び攻めていく。伊藤の右ストレートには右のカウンターをヒットさせ、強い左ミドルも蹴る。伊藤は右ストレートとヒザで逆転を狙ったが届かず、中島が大差の判定勝ちを収めた。
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▼第5試合 Krushフェザー級 3分3R延長1R×龍斗(team NOVA)判定0-3 ※29-30×2、28-30〇稲垣澪(K-1ジム大宮チームレオン)
1R、蹴り中心の龍斗はカーフキックも蹴る。稲垣はパンチのコンビネーションから、至近距離で様々なタイミングのヒザを突き上げる。さらに左ボディ。龍斗も左ボディを返しての左ミドル。
2R、龍斗はパンチとミドルで上を攻めながらカーフも蹴る。さらにボディへのヒザ蹴り。稲垣はジャブを多用し、細かいコンビネーションから顔面へヒザを突き上げる。どちらもボディへのパンチをヒットさせ、一進一退の攻防が続く。
3R、お互いにパンチとヒザでボディを攻め合う。龍斗がコーナーへ追い込んでパンチとバックキックで攻めれば、稲垣も体勢を入れ替えて龍斗をコーナーへ詰める。稲垣が終盤に右フックをヒットさせ、判定3-0で接戦を制した。
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▼第4試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R延長1R×三井大揮(WIZARDキックボクシングジム)3R 3分00秒 ※3ノックダウン〇内田 晶(チーム・タイガーホーク)
1R、三井は蹴り主体だが、内田は三井の蹴りをかわしてのローキック。さらに三井が前へ出てくるところを右ストレートで迎え撃つ。後半は三井もパンチ勝負でフックで切り込んでいく。
2R、三井は右ミドルからの右フックで前へ出る。内田は三井の蹴りに右ストレートを合わせに行き、ミドルとローも的確に当てる。アグレッシブな三井に的確性の内田。
3R、三井がフックを打とうと身体を開いたところで内田が左フックでダウンを奪う。挽回しようと前に出る三井だが、内田は左ミドルと右ストレートを上手く当て、またも左フックでダウンを追加。最後は試合終了直前の三井の蹴りに合わせた右ストレート。最終R終了と同時のKO勝ちを飾った。
マイクを持った内田は「自分は宮城県出身で宮城出身の選手がこのリングで戦うのは難しいですけれど、自分が頑張って東北の力を見せたいです」と、東北から名を上げたいとアピールした。
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▼第3試合 Krush女子フライ級 3分3R延長1R〇芳美(OGUNI-GYM)延長R 判定3-0 ※10-9×3×ファエゼ・ウィラサクレック(イラン/WSRフェアテックス・イラン)※本戦の判定は29-29×3。
1R、ファエゼのパワフルなフックとヒザ蹴りに序盤は押されるサウスポーの芳美だったが、終盤は潜り込むような体勢で身体を左右に振りながら前進、フックで応戦する。
2R、芳美がバックハンドブローと左ミドルで反撃を開始するも、ファエゼはすぐに強烈な左ミドルと左右フックで芳美をコーナーへ追い詰める。しかし、芳美はボディへパンチを集中させてファエゼを止めにかかる。
3Rは芳美がどんどん前に出る。右フックを狙う芳美にファエゼはジャブを多用。前蹴りでも距離を取るが、芳美に下がらされる。
本戦の判定はドローとなり、延長戦へ突入。芳美は前へ出て左右フック、右のスーパーマンパンチをヒットさせる。両者ホールディングが多くなる中、先手を取って攻めるのは芳美の方。ファエゼはジャブ以外目立った攻撃がなく、判定3-0で芳美が勝利をもぎ取った。
▼第2試合 Krushライト級 3分3R延長1R×明戸仁志(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)KO 3R 0分39秒〇加藤 港(WSRフェアテックス三ノ輪)※明戸は計量オーバーで減点1、グローブハンデ、ファイトマネー20%減額
▼第1試合 Krushスーパー・バンタム級 3分3R〇愛瑠斗(健成會)KO 2R 0分41秒×光佑(WSRフェアテックス三ノ輪)
▼プレリミナリーファイト 女子-54kg契約 2分3R×TOODY NAOMI(月心会ラスカルジム)判定0-3 ※26-30×3〇ARINA(闘神塾)