2021年5月1日(日本時間2日)米国ラスベガスで開催された「UFC Fight Night: Reyes vs. Prochazka」のライトヘビー級戦で、元RIZINライトヘビー級王者のイリー・プロハースカ(チェコ/同級5位)が、同級3位のドミニク・レイエス(米国)を2R KOに下した(※試合後のプロハースカのインタビュー)。
その衝撃的な回転バックエルボーでのフィニッシュに、世界のファイターたちが反応している。
現UFC世界ライトヘビー級王者のヤン・ブラホヴィッチ(ポーランド)は、「なあ、イリー。チェシンで私と君とで“プリンスvs.サムライ”“ソードvs.カタナ”で戦おう」と投稿。
“プリンス・オブ・チェシン”のニックネームを持つブラホヴィッチは自身の故郷であるチェシン(※第一次世界大戦後の1920年にポーランドとチェコスロバキアに分割された街)での戦いをユーモアとともに提案した。
続けて「もちろん、グローバーは次の候補です。私はいつも私の言葉を守ります」と、9月に対戦予定の1位のグローバー・テイシェイラとの試合に勝利して、チェコのプロハースカとの対戦に向かうことを望んだ。
プロハースカも試合後、「隣国のブラボヴィッチのことは好きだけど、どちらか勝者が対戦相手になるというのはとても光栄なこと。準備はできている」と語っている。
(C) Zuffa LLC
UFC史上2人目の二階級(ヘビー級&ライトヘビー級)同時王者のダニエル・コーミエーは、「このプロハースカという男は、坂道を下る雪崩のようなものだ。彼は男たちを圧倒している。彼は強い心肺機能を武器にして、素晴らしい顎を持ち、素晴らしいフィニッシュの勘を持っている。私はこの男にとても興奮しています!」と絶賛。
また、現UFC世界バンタム級王者のアルジャメイン・スターリング(米国)は、「美しい回転ヒジだった! ワオ!! 言葉も無いね。最初から最後までエンターテインな戦いだった。レイエスがその後無事だといいけど」と芸術的な回転バックエルボーに言葉を失ったことを記した。
アフリカ出身者及びナイジェリア人史上初のUFC世界王者(ウェルター級)カマル・ウスマンは、「うわー、あれは狂気の沙汰だ」と一言。
UFC世界ヘビー級2位のデリック・ルイス(米国)は「ライトヘビー級での幸運を祈るよ、チッ」と、その活躍に嫉妬交じりに舌打ち。
7月10日の「UFC264」でコナー・マクレガーとの3度目対戦に臨むダスティン・ポイエー(米国)は「レイエスが無事であることを祈る。あれは残酷だった。危険で厳しいスポーツだが、大好きなスポーツだ」と衝撃KO劇を振り返った。
さらに、6月19日のUFCでジョン・チャンソンと対戦するダン・イゲ(米国)は、「あいつはやってのけたよ!」と興奮。UFC世界ミドル級ランキング13位のケビン・ホランド(米国)は「OK、次の僕のヘアースタイルは決まったよ」と、プロハースカのムエタイのモンコンをイメージした弁髪姿にインスパイアされたようだ。
日本でも、その勝利を祝う声は多数。なかでも6月13日のRIZIN東京ドーム大会の「バンタム級ジャパンGP」で春日井たけしと対戦する扇久保博正(パラエストラ松戸)は、試合後すぐに自身のYouTubeに感想をアップ。
「アメージング、ブーシャカラカ、ブーシャカラカ、ファンタスティック! すごいですね。イリー・プロハースカ、見事KO勝ち!」と、TUF出身らしい巻き舌の英語で祝福。
そして、強豪同士の対戦の試合展開を、「僕はドミニクの左ハイが当たるんじゃないかと思っていましたが、よくよく考えると、ガードの低い相手になぜかハイキックで蹴りづらいんですよね。頭を一瞬下げてのフェイントからのアッパーとか、呼吸をずらしてからのジャブやストレートで間を外してガンガンいいパンチを当てていった。あとイリー、ストレッチをたくさんやっていて柔らかいので、なかなかドミニクのパンチが芯をとらえられず、そしてイリーも打たれ強いなと思いました」と、分析。
「RIZINファイターが勝ってくれると嬉しいですね。イリーまた、渋谷でも飲みに行こうよ」と、かつて渋谷で交流を深めたことがあるかどうかは定かではないが、再会を期待した。
試合後、プロハースカは、UFCジャパンのSNSを通じて、「日本のみんな、RIZINのみんな、サポートありがとう(ここから日本語で)アリガトウ、ニホン、ダイスキ、RIZINダイスキ!」と、日本のファンにメッセージを送っている。