「尊敬するようないい試合ばかりで心苦しいけど──」と高谷総監督が脱落者を発表
白熱の試合形式のスパーリングがすべて終了し、オーディションの総指揮を務める高谷裕之総監督が思わず「思い入れがありすぎて、泣くかと思いました」と話した合否発表に。
「人生の中で、こんなにもチャンスに巡り合えることって、本当数回しかないと思う。そのチャンスを掴むのか逃すのか、分かれ際になる瞬間だと思うので、精いっぱい頑張って夢を掴んでもらえたら」と、緊張した表情を浮かべる参加者たちに声をかけた数原龍友(GENERATIONS from EXILE TRIBE)。
その言葉の通り、全力で合宿最終日の最終試合に向き合ってきた参加者たちは、負けて悔し涙を流す者、勝ってなお「油断できない」と神妙な表情で語る者など、様々な人間模様を見せた。
ついに2次オーディションの合否発表。試合の勝敗はもちろん、練習に取り組む姿勢やハートの強さなど、合宿で見せたすべてが審査の対象となる。
「最後の試合形式のスパーリングも疲れているなか、尊敬するようないい試合ばっかりで心苦しいけど、ここで……脱落者を発表します」と高谷総監督が口火を切ると、まず名前を呼ばれたのは、合宿の練習中に怪我を負い、オーディションの合否に大きくかかわるといわれた最終試合に参加ができなかった山本歩夢と源浩宗の2名。
岡見勇信ヘッドコーチは、「怪我は格闘家としてはつきものだけど、“闘いをしない”というのは格闘家としては厳しいところ。この3日間は決まっていたこと。最低限の参加資格を達成できなかった、これが大きな理由となります」と脱落の意図を伝えた。
脱落の発表を受け、“パラエストラ柏の隠し玉”山本は「初日の午後に、不慮の事故で怪我をしてしまって、準備はしてきたので、こういう結果は残念です」と険しい表情で語る一方、「最後のMMAスパーを見て、僕のほうがまだ強いって、正直思ってます。ひとつ願いとしては、試合形式でやるときは、噛ませ犬でもいいんでぜひ呼んでください」とコメント。オーディション勝ち上がり組との試合はいつか組まれるか。
すでに山本は、5月5日の『DEEP 101 IMPACT』後楽園ホール大会で、朝倉未来1年チャレンジの西谷大成(トライフォース赤坂)との対戦が決まっている。
また、高谷総監督から「源はほんとうに練習してこないで逆にすげえなと、どんだけ伸びるか見てみたかったんだけど」と評価も受けた源は、「準備不足と怪我で何も見せられず後悔しかありません。練習の大切さを学んだので、他のところでどんどん上がっていって、(LDH martial arts)所属のメンバーをぶっ倒したい」と語り、悔しさと闘志をにじませつつ、合宿場を後にした。
その後、追って3名の脱落者も発表され、2次オーディションでは計5名が脱落。12名が次のステージへ駒を進める結果となった。
様々なドラマが生まれた会場で、合格者を前に「ひとつだけ、オーディション経験者として皆さんにお伝えしておきたいことがある」と話し始めた数原。
「脱落した人たちの想いも、皆さんには感じてもらいたい。これは、友人や家族など、自分だけの夢じゃなくなってくる。それをいかに自分に責任として課して、責任を強さに変えてどこまで努力できるのかっていうのがすごくポイントになってくると思います。自分も、今でもマイクを握るときは、自分以外の落ちた人たちの気持ちももちろん思い出しますし、それだけいろんな人が皆さんに想いを乗せて、夢を託していると思うので。頑張ってください」と檄を飛ばした。