2021年4月17日(土)東京・後楽園ホール『RISE 148』にて、RISE QUEENフライ級暫定王者・小林愛三(NEXT LEVEL渋谷)に挑戦する田渕涼香(拳聖塾)が9日(金)大阪の所属道場にて公開練習を行った。
田渕は2017年第22回全日本少年少女空手道選手権大会(極真会館関西総本部主催)高校生女子軽量級優勝の実績を持つ空手歴17年の20歳。昨年12月に陣内の欠場を受けて急遽RISE初参戦。階級上の小林からダウンを奪い判定勝利を収める番狂わせを起こした。今年2月には寺山日葵と対戦するも、寺山の牙城を崩せずプロ初黒星。戦績は3勝(2KO)1敗。
公開練習ではシャドーとミット打ちを披露し、空手らしい後ろ廻し蹴りなどの蹴り技、一発一発を強く打ち込む“突き”を見せた。
前回の初黒星を振り返り、「初めての横浜アリーナという大きな舞台で試合をさせていただいて、メンタルの弱さを感じました。寺山選手は王者で技術も上だったんですが、それ以上に覚悟の部分で負けていたと思います。自分のメンタルの弱さが出た、と試合が終わってから思いました」という田渕。
小林との初戦は「試合のオファーをいただいた時から試合をたくさん見させていただいて、打たれ強さやパワーが凄くあると思っていました。実際に試合をして思っていた以上にオーラが凄くて圧力も凄かった。小林選手の気持ちに負けないように戦った感じでした」と十分な研究をして臨んだようだ。
1Rに田渕が右ストレートでダウンを奪う波乱の展開となったが、「ダウンを取った時は自分でも何が起こったか分からなかったんですが、やっているうちに取り返しに来るって分かっていたのでそこは警戒していました」と小林の追い上げは驚異だったとする。
小林は田渕のパンチを「まるでトンカチで殴られたみたい」と例えたが、田渕はそれを聞くと「自分ではパンチがそんな強いとは思っていなくて。トンカチと言われたのは初めてなので評価いただけて嬉しいです(笑)」と、実はパンチにはそれほど自信があるわけではないと話した。
「空手ではパンチで倒すことはめったにないのですが、キックでは右ストレートで倒すことができて。自分の中では自信があるわけじゃないけれど、空手のタイミングでパンチを出したらタイミングよくたまたま当たった感じなので、自信を持って当てにいきたいと思います」
それよりも「パンチを警戒してくると思うので、蹴り技をしっかり使っていこうと思います。右ストレートを狙う練習よりかは空手ならではの多彩な蹴りを使っていきたいと思います」と空手ならではの足技を使っていきたいとする。
今回はタイトルマッチなので3分5R+無制限延長Rとなる。そのことについては「空手は基本2分で延長が2分、キックは3分3R、今回は5R。長いので不安な部分もありますが、自分がどれだけ通用するか、やったことがないのでどこまでやれるのか楽しみにしています」と、自分がどこまでやれるのか試せるのが楽しみだという強心臓ぶり。
今大会には兄の神太も出場し、RISEフェザー級王者・工藤政英で対戦する。そのことについて「練習の時から試合が同じ日なので、目指すところは同じなので気持ちが入っている部分はありますし、いい環境で練習が出来ていると思います」と兄妹で気合いが入っていると言い、「兄にしっかり勝ってもらって、私に繋いでいただけたらと思います」と言って笑った。
今回が5戦目になり「慣れてきた感じはあります」と田渕。「まだ5戦目なのでリングというよりかは張面パンチに慣れる方が先なので。リングに立つことに緊張はありますが、リングだからと言っていつも以上に緊張することはないです」と言い、その顔面パンチに関しても「違和感は全くないです。リングに上がれば勝つことしか考えてないので試合中は大丈夫です。兄と一緒に師範に指導していただいて、キックボクシングの練習もしています」と苦手意識もないと断言。
「技術で倒すのが理想です。しっかり練習を積んできているので、いい試合が見せられたらと思います」という田渕だが、「メンタルを強化しているので気持ちの面で勝ちます」と気持ちで勝負するという。
(写真)今大会で一緒に出場する兄の田渕神太(左)と 5月29日(土)30日(日)にエディオンアリーナ大阪で開催される『第6回全日本フルコンタクト空手道選手権大会』に兄と共に出場が決まっているが、「私が道衣を着てキックの試合に出るのは空手を背負っている意識があります。だからRISEのベルトを持ってJFKOに出られるのであれば、今後はRISEを背負って空手の大会に出るので覚悟と責任を持って出たいと思います」と、今回勝って王者になれたらRISEを背負って挑みたいと話した。
また、空手とキックボクシングの両方を並行してやっていることには「空手の良さ、キックボクシングの良さがそれぞれあります。空手とキックでは間合いが違ってきますが、技を出すタイミングや、空手は接近戦が多いですがキックでは接近戦よりも離れた間合いが多く、並行してやっている分、両方の良さを感じられるのがいいと思います」と、両方の特色が両方で活きると答えた。