2021年3月28日(日)東京・後楽園ホールにて『RISE 147』が開催された。
▼メインイベント RISE QUEENアトム級(-46kg)タイトルマッチ 3分5R延長無制限R×紅絹(王者/NEXT LEVEL渋谷)※2度目の防衛戦 45.95kg判定0-2(48-49, 49-49, 48-49)○宮﨑小雪(挑戦者/TRY HARD GYM/アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021 優勝)45.85kg※宮﨑が新王者に
メインイベントはRISE QUEEN アトム級(-46kg)タイトルマッチ、3分5R無制限延長Rで王者・紅絹が挑戦者に宮﨑小雪(TRY HARD GYM)を迎えて2度目の防衛戦を行う。
紅絹は2006年10月デビューのベテラン選手で、パンチを主体としたトリッキーなファイトスタイルで各団体にて活躍。2012年11月、J-GIRLSミニフライ級王者になったのを皮切りにタイトルマッチを多数経験。2019年7月には那須川梨々との王座決定トーナメント決勝戦を制し、RISE QUEENアトム級(-46kg)王座に就いてベテラン健在を示した。2020年2月には平岡琴との倒し倒されの激闘を制して初防衛に成功している。2020年10月の「RISE GIRLS POWER QUEEN of QUEENS 2020」1回戦でAyakaを破り、11月の準決勝では百花に勝利。決勝進出を果たすも寺山日葵に敗れて準優勝に終わった。戦績は35勝(2KO)21敗6分。2月26日には37歳となった。
対する挑戦者の宮﨑は“宮﨑姉妹”の妹で、小学3年生から空手を学び、2019年8月のKAMINARIMON全日本女子トーナメントで優勝。アマチュア戦績10戦10勝(3KO)無敗の戦績を引っ提げ、16歳で2019年11月にプロデビュー。デビュー戦は松谷綺とドローだったが、KARENと小林愛理奈に連勝。その試合で新人離れしたテクニックを見せて関係者から高い評価を受けたが、11月のAyaka戦では判定2-0で惜敗。そして今年1月「アトム級NEXT QUEENトーナメント 2021」で佐藤レイナ、小林愛理奈に勝利して優勝した。戦績は4勝1敗1分。2月5日に18歳になったばかり。
老獪かつトリッキーな上手さを持つ紅絹がまたも若手の壁になるか、それとも高度なテクニックが高く評価されている小雪が初の5R戦で世代交代を成し遂げるか。
1R、静かな立ち上がり。ともにサウスポー構え。左の蹴りのダブルは宮﨑。前手のジャブ、左から右のアッパー、前蹴りも届かせる。ワンツー&ロー、ときに強引な入りも見せる紅絹。しかし宮﨑は左ストレートを当てる。
2R、紅絹の距離より遠くから出入りは宮﨑。上から右ボディをヒット。紅絹の入りを右にかわす。そこにバックフィストを繰り出す紅絹。後頭部で受けた宮﨑。ジャブに紅絹は鼻を赤くさせる。
3R、宮﨑の左をかわして左を振る紅絹。左の蹴りはスウェイでかわし前に。続く後ろ廻し蹴りもかわす紅絹だが、宮﨑はリズムに乗る。ジャブの打ち終わりに右フックは紅絹。左ローは互いに蹴り返し。紅絹はローをダブルでヒット。左は相打ち気味だが、中間距離は宮﨑が前蹴り、入っても右アッパーを繰り出す。
4R、紅絹の入りに右ミドルで止める宮﨑。紅絹の入りは単発に。右ミドルを当てて左で入る宮﨑。さらに紅絹の入りに右ヒザも! 右ミドルで先制する宮﨑。左右スイッチしながら下がる宮﨑。紅絹も右を返すが連打に繋げられない。宮﨑は右のリードジャブ、右の蹴りとリズムよく攻める。
5R、打ち気になる紅絹に右ハイから入る宮﨑。右を振る紅絹を左ミドルで迎撃する。右から歩いて左の蹴りで前進する宮﨑。紅絹もステップを踏むが、すぐに詰める宮﨑。蹴りをかわして左を振る紅絹! さらにバックフィストもブロックする宮﨑が最後は右の蹴りから左ヒザを突き前進してゴング。
判定2-0(49-48, 49-49, 49-48)で宮﨑が勝利。新王者に輝いた。
宮﨑はリング上で「いろんな人に支えられてこのベルトを獲ることができました。小6でお母さんが病気で亡くなり、こうして一番になる姿をお母さんに報告できて嬉しいです。お父さん、お兄ちゃんいつもありがとう。これからもチャンピオンに恥じないように頑張ります。よろしくお願いします」と、涙を流しながら挨拶した。
また、敗れた紅絹は、バックステージで「宮﨑選手が速くてついていけなかった。動かしてもらえなかった。後手後手に回ってしまって完敗です。『ベルトが無くなった時点で終わり』と言っていたので……これでキャリアの最後にします。等身大の実力でした。小雪選手はまだまだ伸びしろがある選手。逆に安心というか、私はもうすっきり身を退くことが出来ます。今までありがとうございました」と言葉を詰まらせながら、引退を表明した。
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▼セミファイナル ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021 決勝戦 3分3R延長2R○AKARI(TARGET)[判定2-1] ※30-29, 28-29, 29-28×大倉萌(大道塾 吉祥寺支部)※AKARIが優勝。寺山日葵への挑戦権を獲得
RISE QUEENミニフライ級王者・寺山日葵(TEAM TEPPEN)へのタイトル挑戦権を懸けて戦う「ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021 」。AKARI、大倉萌ともに準決勝を3Rフルに戦ってきた。
1R、ともにオーソドックス構え。前足を上げて圧力をかけるAKARI。互いに前蹴り。大倉も首もとに高い前蹴りを放ち、左ミドル! さらに右ミドルもヒット。
互いにローの蹴り合いから右ストレートを当てるのはAKRI! 左インローも当て、右前蹴りで大倉を下がらせる。中に入りたい大倉は右で入るが、その打ち終わりに右を返すのはAKARI。
2R、右の跳びヒザ、右ミドルを当てた大倉。左右の入りにヒザを返すAKARI。ワンツー右ローまで繋ぐ。左の刺し合いでバランスを崩し尻餅をつくAKARIだがノーダウン。大倉の接近戦にAKARIも右をしっかり返す。
3R、詰める大倉は右ミドル! AKARIも高い打点の右前蹴りを顔面に! 打ち合いのなかで右ミドルまで返すAKARI。大倉の入りに出ばなをくじく右前蹴り! 鼻血は大倉。最後はAKARIが左右のワンツーをまとめて蹴りまで繋げて大倉をロープまで詰めてゴング。AKARIが両手を挙げた。
判定は2-1(30-29, 28-29, 29-28)でAKARIが勝利。「RISEミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021」を制したAKARIは涙。敗者も涙でリングを後にした。
2試合6Rを戦い抜き優勝したAKARIは、「今日まで練習を見ていただいた伊藤先生、(神村)エリカ先生たちに御礼を言いたいです。初めてのワンデーで自分で煽っていたし、緊張というかどうしようと思いましたが、皆さんのおかげで勝てました。正直、嬉しい気持ちはありますが、まだまだ課題が山積みで、寺山選手にはこのままじゃ勝てないので、気合を入れて頑張ります。“シンデレラが女帝を越える”瞬間を見てください」と力強く挨拶。
コメントを受けて、リングに上がった寺山日葵は、「AKARI選手、強いですが、チャンピオンらしく防衛できるよう追い込みます」と王者としてコメント。
再びマイクを渡されたAKARIは、「寺山選手、そう言ってくれてますが、内心まだまだだよと、余裕ぶっこいてると思うので、私がこれから追い上げて抜かしてやろうと思います」と、らしい言葉で女帝越えを宣言した。
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▼第6試合 スーパーフェザー級(-60kg) 3分3R延長1R○SEIDO(LARA TOKYO/同級5位)60.0kg[不戦勝]×中村 寛(BK GYM/第6代DEEP☆KICK-60kg級王者)※中村は前日計量前に重度の脱水症状のため病院に緊急搬送。公式計量を通過していないため失格に
前日計量をパスしたSEIDOは、「対戦相手からさんざん『おっさん』『鼻曲がり』『きしょい』とか言われてきたので、明日はぶっ倒してやろうと完璧なコンディションを作り上げてきました。相手はトップの選手だと思っていて、3カ月間すべてをかけて自分もやってきたので楽しみでしょうがない。コンディション不良で相手はいませんが、計量をしっかりクリアしてリングに立つのがプロなので、それをしっかり守ってもらいたいです」と語っていた。
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▼第5試合 ヘビー級 3分3R○内田雄太(Team Aerts/ホーストカップ日本ヘビー級王者)99.25kg[2R 2分19秒 KO] ※右フック×森 孝太郎(NEXT STEP GYM/J-NETWORKライトヘビー級暫定王者)96.45kg
内田は全日本空手道連盟主催の全日本三連覇を成し遂げた両親を持つ空手サラブレッドで、自身も高校・大学と空手に打ち込み、柳ケ浦高校時代は国体準優勝、近畿大学では全日本学生空手道連盟主催の全日本大学団体優勝、個人優勝を飾った。2015年8月の和道会ワールドカップ84kg級で優勝後、総合格闘技に転向。2015年末の『RIZIN』でプロデビューするがワレンティン・モルダフスキーに一本負け。
2017年3月からはオランダに渡り、ピーター・アーツの指導を受けてキックボクサーとしてのプロキャリアを積む。2018年末には『平成最後のやれんのか!』で.小西拓槙に勝利。2019年12月には初代HOOST CUP日本ヘビー級王座に就いた。
森はサウスポーでコンパクトにまとめる重いパンチとタイミングが絶妙なヒザを得意とし、2019年8月のJ-NETWORKライトヘビー級次期王座挑戦者決定戦で中平卓見に2RでTKO勝ち。10月にムハナド・アスランとJ-NETWORKライトヘビー級王座決定戦を行うはずだったが、アスランの負傷欠場で暫定王者として認定された。
なお、現在空位のRISEヘビー級王座に関して伊藤代表が「年内には決めたい」という発言を受け、内田は「まずは一つひとつをしっかり勝っていくこと。そして当たり前にベルトを獲って、同じジムのバダ・フェルダオスが元チャンピオンだった清水賢吾選手に挑戦して負けているので、自分がベルトを獲って見せびらかせたい」とコメント。対する森は「自分はRISEのタイトルを獲るためにトレーニングを重ねてきました。タイトルを獲るためにもいい試合で終えたい」と意気込みを語っている。
1R、ともにオーソドックス構え。重い右ロー、右ミドル、そして左の順突きを入れる内田。しかし森も左手を顔に伸ばす。右ジャブ&ローの内だに圧力をかける森はヒザ。遠い距離からの伸ばす突きは内田。森は近距離で戦う。
2R、距離を取り、ワンツー&右ローまで繋ぐ内田。右フックも当てるが森も下がらず前へ。ヒザを突く。前に詰める森に、右に回ってさばきながら右フックは内田! 森は立ち上がれず、内田が見事KO勝ちした。
試合後、内田は「森選手、ありがとうございました。なんか焦ってしまって、心の部分がまだまだ鍛えられていない。いまはオランダに入れませんが、RISEさんもっとヘビー級盛り上げましょう。僕がブッ倒しますんで」と笑顔無しでマイクアピールした。
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▼第4試合 スーパーライト級(-65kg) 3分3R延長1R○森 香津眞(チームドラゴン/同級6位)64.9kg[延長判定3-0] ※10-9×3×吉沼大樹(フリー/J-NETWORK Next Generation Cup 67kg級優勝)64.9kg
強打による倒しっぷりから期待されているRISEスーパーライト級6位・森香津眞(チームドラゴン)と、J-NETWORK Next Generation Cup 67kg級優勝の吉沼大樹(フリー)が対戦。
1R、サウスポー構えの吉沼にオーソドックス構えの森。左インローの吉沼! 森も左ロー、右インロー! 吉沼の前足に狙いを定める。吉沼はボディにヒザ! 互いにローの蹴り合い。森が右のロングフックで前に! 吉沼がミドルを返してゴング。ヒット数の森のラウンドか。
2R、左奥足ローの吉沼。森も右ロー右アッパー! 左前手のフックも。右インローを当てる森は前進して右フック。吉沼は詰めて右フックも森が中に入って防ぐ。
3R、右インローをダブルで突く森。構わず前に出る吉沼は左! 左奥足ローを狙う吉沼。左ボディストレートを当てると森の手数が減る。左ヒザ、左ストレートを当てて前に出る吉沼。左ハイをブロックした森も右を振ってゴング。
判定1-0(森30-29, 29-29, 29-29)で延長へ。
どす黒く腫れ上がった右太腿に右インローは森。しかし詰める吉沼も左奥足ロー。右インローの森、詰める吉沼に左右をガード上から振る森が手数。
延長判定は3-0(10-9×3)で森が熱戦を制した。
森はリング上で「怪我で流れての再戦、ありがとうございました。相手からも負けられない気持ち伝わりました。次、誰とでもやるんで上位とお願いします」と語った。
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▼第3試合 フェザー級(-57.5kg) 3分3R延長1R○梅井泰成(TEAM TEPPEN/同級8位)57.5kg[判定3-0] ※30-29, 30-28×2×山田直樹(KSS健生館/DEEP☆KICK57.5kg1位)57.45kg
那須川弘幸会長がその素質を認めるRISEフェザー級8位・梅井泰成(TEAM TEPPEN)と、DEEP☆KICK57.5kgの1位の山田直樹(KSS 健生館)が対戦。
1R、サウスポー構えの梅井のセコンドには那須川天心。オーソドックス構えの山田へのローがローブローとなる。左奥足ローは梅井。パンチでの圧力をかける山田は前に。梅井の左の蹴りに山田も右インローを蹴り返す。山田の右の蹴りをかわして梅井は左ハイをヒット!
2R、右の蹴りで前に出る山田。圧力で梅井を下がらせる。その入りにパンチを合わせる梅井。右ミドルを突く山田、組みが多くなる両者に注意。梅井の組みにフラストレーションの山田。梅井は左のスーパーマンパンチ。山田は詰めて右ヒザを突く。いなして当てる梅井のラウンドに。
3R、詰めてヒザの山田。梅井は離れて左ミドル、左右をまとめてクリンチ。上に狙いが集まる山田。出入りの梅井は回りながら左ミドル。とらえたい山田は詰めると出入りの梅井を前蹴りでこかす。
判定は3-0(30-29, 30-28, 30-28)で梅井が勝利。セコンドの那須川から笑顔で迎えられた。
梅井は「関西からTEAM TEPPENに移籍してきた梅井です。前回に続きインパクトない勝利でしたけど、フェザー、そろそろ2連勝したので脇役扱いせんと、もうちょっと試合順上げてほしいです」とマイク。しかし解説席の直樹からは試合内容に厳しい評価の声も出た。
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NEXT QUEENトーナメント 2021 準決勝
▼第2試合 ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021 準決勝第2試合 3分3R延長2R○AKARI(TARGET/2018年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝)48.8kg[判定3-0] ※30-29×2, 30-28×宮崎若菜(TRY HARD GYM/2019年KAMINARIMON全日本女子トーナメント-52kg級優勝)48.7kg
AKARIはジュニア時代から神村エリカに教えを乞い、その遺伝子を継ぐ女子高生ファイター。2019 年9月にプロデビュー戦を判定勝ちで飾ると、長い手足を活かした攻撃で勝利を重ね現在5戦5勝。神村譲りのミドルキックを得意とし、“美脚炸裂シンデレラ”の異名を持つ。
宮崎はフルコンタクト空手出身で、2019年10月に福岡で開催された『RISE WEST ZERO』でプロデビューし判定勝ち。GIRLS POWER第1回大会ではAKARIと対戦して判定で敗れるもその後は3連勝中。1月の前戦では華麗なハイキックでプロ初のKO勝利を収めている。唯一黒星をつけられたAKARIへのリベンジを宣言し、SNS上もバチバチとやり合う。今大会でアトム級王者・紅絹に挑戦する小雪の姉。戦績は4勝(1KO)1敗。
AKARIと宮崎は2019年11月に対戦し、AKARIが判定勝ち。また、AKARIと第1試合の大倉は2020年8月に対戦が組まれたが大倉側の事情で対戦が流れたという経緯がある。
1R、オーソドックス構えのAKARIにサウスポー構えの宮﨑で出入り。左前足を上げて牽制するAKARIは右ミドル! 宮﨑も左ハイを強打! 宮﨑の入りに右ストレートを合わせるAKARI。宮崎の左ミドルに右の蹴り返しはAKARI。しかし蹴りに宮崎は左ストレートを合わせる。AKARIが中央を取るラウンド。
2R、左の蹴りを上下に打つ宮﨑。AKARIも右インロー! さらに右ストレートをヒット! 右の前蹴り、ミドルで宮﨑を下がらせるAKARI。左をスイングし、左右をもとめる宮﨑。さらに左インローも。AKARIも左のミドルでストッピング、右の下段蹴りを打ち下ろし。左の強い蹴りは宮﨑。続く入りにはAKARIが前蹴りでこかす。
3R、詰める宮﨑はワンツーの左。AKARIもプレスをかけて左右の蹴り右インロー、右ヒザ! パンチ主体になる宮﨑に右のヒザを合わせるAKARI。さらに組んで1発のヒザ。宮﨑は左ロー。しかし左ハイはブロックするAKARI。
判定3-0(30-29, 30-29, 30-28)でAKARIが勝利。大倉同様にフルラウンドを戦っての決勝進出となった。
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▼第1試合 ミニフライ級(-49kg)NEXT QUEENトーナメント 2021 準決勝第1試合 3分3R延長2R×山本ユノカ(Kick Box/元WBA女子世界ライトミニマム王者、元OPBF女子東洋太平洋フライ級王者)48.9kg[判定0-2](29-30, 29-29, 28-29)○大倉 萌(大道塾 吉祥寺支部/2017年北斗旗全日本空道体力別選手権大会 女子-215クラス優勝)48.85kg
山本は2012年4月にプロボクシングでデビューし格闘家のキャリアがスタート。これまでOPBF女子東洋太平洋フライ級王座、WBA女子世界ライトミニマム級王座に就いた。そして2019年11月にジャパンキックボクシング協会でキックボクシング転向第一戦を行い白星デビュー。昨年7月にRISE QUEENの紅絹と対戦し敗戦したものの、8月には樋田智子に判定勝ちをしている。戦績は2勝1敗1分。
大倉は10歳の頃から大道塾・空道を学び、2017年には『北斗旗全日本空道体力別選手権大会』の女子215(身体指数=身長+体重)以下クラスで優勝。空道と並行してキックボクサーとしても活躍。プロデビュー戦では多彩な足技で対戦相手の顔面から出血させてのTKO勝ちを収めた。昨年開催された『QUEEN of QUEENS』にプロ2戦目で抜擢され、百花と接戦を演じ敗れるもポテンシャルの高さを見せつけている。戦績は1勝(1KO)1敗。
1R、ともにオーソドックス構え。右ミドル、インロー、右カーフと蹴りを軸に戦う大倉。右ハイ、右フックも当てる。前足重心の山本は蹴り足を掴んでの右も2度連続して打ち注意。右の蹴りは大倉! カーフを効かされた山本はクリンチしてのボディ打ちを連打する。
2R、さらに右カーフを当てて離れる大倉。山本は詰めて右から左の返しのフック! 大倉はパンチでも打ちあいに応じるが近距離は山本。大倉の右ローに左腿が赤く腫れる山本。大倉の打ち終わりに左を当てる山本! しかし大倉も右を打ち返し右ロー! 徐々に山本のパンチが前のめりになる。
3R、1Rは蹴りの大倉、2Rは左クロスの山本、勝負の最終ラウンド。右を突く大倉。近い距離にしたい山本は入ればまとめるがブロッキングの大倉は巧みに上下に散らす。山本にホールドしての攻撃で注意。終盤に詰めて右ボディストレートから左フックを当てる山本が追い上げゴング。
判定は2-0(30-29, 29-29, 29-28)で大倉が接戦を勝利。延長に行くこと無くしかし、フルラウンドで1回戦を勝ち上がった。