アトム級GPにハム・ソヒが参戦したら「もしかしたらすごい差があるかもしれないけど──」
――さきほど、平田選手が仰った通り、ONE本戦では、アトム級GPの開催が企画されています。そこは意識はしてますか。
「していますね。5日のONEの試合にスタンプ選手とかもいたんですけど、“絶対負けちゃいけない試合”というのがあるので、GPが開催されるまでは、絶対負けたくもないし、ずっとそこに向けての身体づくりだったので、自分の中ではそのGPで優勝するという目標があるので、それまでは必ず勝ち続けます」
――2月5日の試合で、スタンプ選手は初参戦のアリヨナ・ラソヒナ(ウクライナ)選手に敗れ、佐藤将光選手もランク外のファブリシオ・アンドラージ(ブラジル)選手に敗れています。いまのONEでは、いつどんな強い相手が出てくるか分からないなか、GPまでどう作っていくか、という緊張感とか危機感もありますか。
「スタンプ選手の相手もそうですけど、逆に今までは自分がそういう“若くてみんなが知らない選手”だったので、そういう選手が増えて新陳代謝するのは普通じゃないかなと思っています。そこをどう自分が先頭に立って上まで行けるかということだと思います」
――アトム級GPを見据えるうえで、5日の試合の実感を伺いたいです。スタンプ選手とラソヒナ選手が試合をして、あの試合でスタンプ選手は、オモプラッタなど寝技の成長と同時に、ギロチンチョークで極められるなど、粗さも見えたと思います。今のご自身と比べて、スタンプ、ラソヒナと対戦したら、どう戦えると感じたでしょうか。
「ラソヒナ選手、やっぱり打撃もインパクトあるし、寝技も上手なんですが、少しずつ隙はあったと思うので、そこの隙をどう潰して、パウンドでも寝技でも極めていけるかというところが鍵だと思いました。フィジカル負けはしないです。
あと、スタンプ選手はやっぱムエタイ、首相撲は強いと思うんですけど、足へのタックルは切れないんじゃないかなと、あの試合ではけっこう見えた部分がありました。それに、寝技もまだ持っているものが少ないんじゃないかなと。防御の仕方もちょいちょい危ないところがあったので、自分がもっともっと寝技を極めていけば全然チャンスはあると思います」
――なるほど。あのラソヒナ選手に、今回、アトム級GPに参戦すると言われているハム・ソヒ選手はROAD FCで圧倒して勝っています。あの試合もご覧になっていますか?
「2014年の試合ですよね。あれはまだ見ていないです」
――スタンプ選手に判定勝ちしたラソヒナ選手を圧倒するハム・ソヒという存在について、ご自身との今の距離をどのように考えていますか。
「もしかしたらすごい差があるかもしれないですけど……やってみなきゃ分からないし、先日の佐藤将光選手もそうですけど、ランキングが上となっていても、噛み付いてくる選手がたくさんいるので、ハム・ソヒ選手がランキングが上だとしても、自分が全然まだまだ噛み付ける立場でもあると思うので、そこはどう自分が追い上げていくか、楽しみです」
――以前、「浜崎朱加選手に勝つハム・ソヒ選手はどれだけ強いんだろう」と話していました。ハム・ソヒ選手は抜けているかもしれないけど、ご自身の今後の伸びしろに期待してほしいと。
「ハム・ソヒ選手とは、どこで戦うにしろ、勝つことを考えるのは変わらないです。でも強い人とやりたいという気持ちは結構あるので、自分がどれだけ出来るのかが、今は気になります。ランキングに入っている人ともまだやったことがないので、ランカー相手にどれだけ自分のいいところを出せるのかも試したい。
とりあえずGPが開催されたら、もう誰とでもいいからどんどん上を目指すだけなので、その中で“どんなキツい練習があるんだろうな”という楽しみもあります。それに“勝ったときの喜びもそうとう大きいんだろうな”という楽しみもあるので、そこはずっと楽しみにしています」
――そういう中で、平田選手は放送中に「メン・ボーに興味がある」と名前を出しました。2013年のMMAデビュー戦で、現UFC世界女子ストロー級王者ジャン・ウェイリに判定勝利しているメン・ボーですが、1月のサマラ・サントス戦では、シンプルな打撃と、右一本で差して崩す強引さも見せて、少し実像が見えてきたなと感じました。その強打者メン・ボーとやってみたいと感じたのはどんなところからですか。
「今までのメン・ボー選手のイメージだとワンツーが強いというイメージだったんですけど、前回の試合を見て、逆にワンツーだけしかないんだと思い始めてからは、自分が打撃にこだわらず、得意の投げも寝技もあるので、(メン・ボーの)フィジカルが強くてもそこをうまく使えば全然チャンスはあると思っています」
――そのアトム級GPに臨む前に、今回この試合を1試合挟めるということでは、平田選手にとってはとても意味がある試合になるのではないでしょうか。
「そうですね。ずっと試合が組まれない中での、この2月のやっと1年ぶりの試合なので、いきなり本戦のONEに出るより、1回挟んでからのほうがいいとずっと考えていたので、試合を組んでもらったことは本当に感謝です」