KNOCK OUTとREBELSの王者であるスアレックをマットに沈めた笠原(右) 撮影/安村 発
シュートボクシング協会「SHOOT BOXING 2021 act.1」
2021年2月7日(日)東京・後楽園ホール
▼ダブルメインイベント2 62.5kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R ※ヒジなし
〇笠原弘希(シーザージム/SB日本スーパーフェザー級王者)
TKO 2R 2分18秒 ※左ボディブロー
×スアレック・ルークカムイ(タイ/スタージス新宿/KNOCK OUT-RED 61.5kg王者、第4代REBELSーREDスーパーライト級王者、REBELS-REDライト級暫定王者)
弘希はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・ 内藤大樹との接戦を制し、2019年9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。12月の新日本キック対抗戦では重森陽太のヒジ打ちによるカットでTKO負けを喫したが、2020年2月には前口太尊に大激闘の末にTKO勝ち、11月には元MMAファイターのハルク大城にも勝利した。
スアレックはタイのラジャダムナンスタジアムで活躍後、2015年からは日本で試合を行ってきた。“超攻撃型ムエタイ”と称される、パンチを主体としたアグレッシブなスタイルで国内トップクラスを次々と撃破し、2017年11月にREBELSーREDスーパーライト級王座を獲得。2019年10月にはREBELS-REDライト級暫定王者となり二階級制覇。さらに、2020年9月のKNOCK OUTではワンデートーナメントを制し、KNOCK OUT-RED 61.5kg王者となった。
1R、スアレックは左ミドル&右ローからワンツー、笠原は左ミドルを中心に蹴っていく。前へ出て右ストレート、右アッパーを打つスアレック。笠原はジャブ、左ハイ。スアレックがボディを打ってくると左ハイを返す。残り10秒、スアレックは組み付くと持ち上げての投げを見舞うが、これは弧を描いていないためシュートポイントにはならず。
2R、うなり声を上げながら前へ出てパンチを放つスアレック。強烈な右フックをもらった笠原だが左右ボディを打ち返す。どんどん前へ出てアッパー、フックを放つスアレックだったが、笠原が右アッパーからの左ハイをヒット。グラついたスアレックに連打を浴びせ、ロープへ釘付けにする。たまらず組み付くスアレックだがダメージは深い。
笠原の右フックからの左ボディ、そして連打でスアレックは防戦一方に。突き刺すような笠原の左ボディでスアレックがうずくまるようにマットへ沈む。そして青コーナー側からタオルが舞い、笠原のTKO勝ちに。場内から大きな拍手が沸き起こった。
笠原はマイクを持つと「正直スアレック選手は激闘派で怖かったです。その分、殺されないように僕はしっかり練習をしてきました。2月、しっかりいいスタートが切れたので、今年は僕がSBを引っ張っていけるように1試合1試合倒していきます。この時期で大変ですが、僕の試合で元気をもらえる人も少しはいると思うので、また試合を見に来てください」とアピールした。
▼ダブルメインイベント1 58kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R ※ヒジなし
〇笠原友希(シーザージム/SB日本フェザー級王者)
判定3-0 ※30-28×3
×栗秋祥梧(クロスポイント吉祥寺/元ムエタイ大和フェザー級王者、元PRINCE REVOLUTION58kg級&61kg級王者)
友希は11戦目のSB日本スーパーバンタム級王座決定トーナメント決勝戦で、植山征紀に敗れるまではプロデビュー以降10戦全勝をマーク。2019年6月には国内55kg級トップクラスの小笠原瑛作(REBELS)をヒジ打ちによるカットでTKOに破る大番狂わせを演じた。5連勝の勢いに乗って2020年7月、那須川天心への挑戦者募集に応募して対戦相手に選ばれたが初回KO負け。再起戦では手塚翔太と大激闘の末、KO勝ちでSB日本フェザー級王座に就いた。戦績は16勝(8KO)2敗のサウスポー。
栗秋は近年のREBELSを牽引する存在で、2019年8月大会で185戦166勝の戦績を持つルンピニースタジアムの元ランカーをKO、10月のKNOCK OUTではISKAスペイン・ムエタイ・フェザー級王者ミケール・フェルナンデスを降している。また、12月にはシュートボクシングに参戦し、SB日本スーパーバンタム級王者・植山征紀をヒジ打ちでTKOに葬り、2020年2月のKNOCK OUTでは駿太もヒジでTKOに破り4連勝。しかし、9月のKNOCK OUTで宮元啓介に敗れ、12月にはダウサコンにも敗れており、連敗脱出をかけてSBのリングへ乗り込んでくることに。
1R、両者ともに蹴りを上・中・下と蹴り分けての様子見。笠原は前蹴りも多用する。残り10秒で栗秋が左フックで仕掛けるも、笠原も右フックを打ち返す。
2R、笠原は強烈な左ハイ&ミドル、栗秋が蹴ってくるとパンチを合わせに行く。圧力をかけてフックを繰り出してくると栗秋に笠原のテンカオがタイミングよく何度も当たる。パンチでもボディを攻める笠原。組み付いて投げを狙った笠原だが、栗秋も組み付いて逃れる。
3R、前蹴りを多用する笠原に栗秋は左右フックをフルスイング。空を切るがカモンゼスチャーで笠原を挑発。笠原は前蹴り、ヒザ蹴りでボディを攻める。前蹴りをキャッチして組み付いて笠原が裏投げを決めてシュートポイント(2点)。“やられた”という表情の栗秋。笠原はさらにジャーマンスープレックスも仕掛ける。飛びヒザ蹴りで逆転を狙って栗秋だったが、それもかわされて投げに持ち込まれて試合終了。
試合前に「SBの技の全てを使って勝つ」と宣言していた笠原が、栗秋を判定3-0で撃退した。