キックボクシング
レポート

【KRUSH】武尊の後輩・晃貴がリベンジ&初防衛に成功、K-1トーナメント出場権も獲得

2019/04/20 00:04
2019年4月19日(金)東京・後楽園ホールにて『K-1 KRUSH FIGHT.100』が開催された。メインイベントでは、K-1 KRUSH FIGHTバンタム級王者・晃貴が挑戦者に隼也ウィラサクレックを迎えての初防衛戦。この試合には6月30日(日)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN』で行われる「スーパー・バンタム級(-55kg)世界最強決定トーナメント」への出場権も懸けられた。 ▼メインイベント(第9試合)K-1 KRUSH FIGHTバンタム級タイトルマッチ 3分3R・延長1R〇晃貴(王者/K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定3-0 ※三者とも30-26●隼也ウィラサクレック(挑戦者/WSRフェアテックス三ノ輪)※晃貴が初防衛戦に成功。 晃貴は現K-1 WORLD GPスーパー・フェザー級王者・武尊と同じ鳥取県出身で、弟分。2019年1月の王座決定戦で萩原秀斗を延長戦の末に下し、第4代K-1 KRUSH FIGHTバンタム級王座に就いた。今回が初防衛戦となる。  対する隼也は、WPMF日本フライ&バンタム級2階級制覇王者。2018年4月の「Krush.87」では晃貴から判定勝利を収めており、今回の再戦では挑戦者として、王者・晃貴が持つベルト奪取を狙う。  1R、晃貴がワンツーをヒットさせれば隼也は右ストレートを返す。ローの蹴り合いとジャブの打ち合いがあり、拮抗したまま終わるかと思われたが、残り15秒を切ったところで晃貴が右ストレートからの右フックでダウンを奪う。  2R、隼也はジャブを突いて体勢を立て直そうとするが、晃貴のワンツーに襲われて隼也は鼻血を出す。晃貴はパンチをもらっても下がらずに前へ出てワンツーとヒザ蹴りで攻めていく。  3R、パンチで逆転を狙う隼也だが、晃貴は隼也の右に右を合わせ、前へ出てくるところにも右、さらにヒザを突き上げる。最後に右をヒットさせた晃貴がパンチでラッシュ。隼也を下がらせる展開となり、試合終了。  ジャッジ三者とも30-26の大差で晃貴が初防衛に成功。同時に、6月30日(日)東京・両国国技館『K-1 WORLD GP 2019 JAPAN』で行われる「スーパー・バンタム級(-55kg)世界最強決定トーナメント」への出場権も手にした。  晃貴はマイクを持つと、「次は6月30日、思い切り楽しんで思い切り盛り上げます」と高らかに宣言した。 ■晃貴のコメント「勝ててよかったです。蹴りが重かった。6月30日決定したので優勝してK-1のベルトを獲ります。6月のことは全然考えず、リベンジのことだけを考えていました。右ストレートを打ったら入りました。ジャブに合わせて打つようにしていました。今回勝ったので成長したと思います。倒しに行くつもりで行きました。前回ジャブを突かれて負けた印象があったので、右をジャブに合わせることを考えていました。今までで一番冷静に戦えました。ジャブはもう大乗でした。レベルアップして6月30日に挑みます」 ■隼也のコメント「素直に強かったです。自分的には1Rの途中までよかったんですが一発もらって空回りして、試合が全部それで変わってしまった。チャンスを逃してしまってもう一回考える時だなと思います。先のことは今は考えられないです。思った以上に一発の強さがありました。一発の強さが前よりはあったと思います」 ▼セミファイナル(第8試合)K-1 KRUSH FIGHTウェルター級 3分3R・延長1R●牧平圭太(HALEO TOP TEAM/第3代Krushウェルター級王者)判定0-3 ※27-29、27-30、27-29〇松岡 力(K-1ジム五反田チームキングス)  牧平は昨年2月に塚越仁志の持つKrushウェルター級王座(当時)に挑戦するも逆転KO負け。昨年11月の再起戦で渡邊俊樹に判定勝ちし、今年の初戦を迎える。  対する松岡は昨年Krushデビューを飾り、中国遠征も含めて3連勝するも、12月のK-1大阪大会では野杁正明に1RKO負けを喫してからの再起戦となる。  1R、サウスポーの牧平が左ローとパンチの連続攻撃で松岡を焦らせる。松岡もローを蹴りに行くがパワーで勝る牧平が左ミドルと左ローで押し気味の展開に。  2R、牧平が強い左ミドルとローで優勢に立ったかと思われたが、松岡の右ストレート、右ハイキックが連続ヒット。これで一気に形勢逆転となり、松岡のストレートとアッパーが牧平を捉え、牧平はクリンチが多くなる。  3R、パンチと蹴りを使い分ける松岡に牧平は蹴りで応戦するが、松岡のパンチを浴びて顔面が血で真っ赤に染まる。牧平は度重なる組み付きで減点1。松岡の連打に追い回される苦しい展開が最後まで続き、松岡の判定勝ちとなった。 ■松岡のコメント「疲れましたね。当分試合したくないです。相手どうこうではなく減量失敗して足が動かなかった。そこで足を使わずパンチで戦ったのがいい経験になりました。内容は全く覚えてません(現王者の木村“フィリップ”)ミノル君に返上してもらってベルトを獲りたいです」 [nextpage] ▼第7試合 K-1 KRUSH FIGHTフェザー級 3分3R・延長1R●伊澤波人(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)判定0-3 ※29-30、29-30、28-30〇TETSU(月心会チーム侍)  伊澤はフェザー級転向後は4連勝と負けなしで、前回1月のKrush一夜明け会見ではフェザー級のタイトルマッチを熱望していた。一方のTETSUは2月のKrushで本戦初出場ながらキャリアで大きく上回る佐野天馬に勝利。今回は同じKREST勢で、さらにキャリアが豊富な伊澤との対戦となり、勝利すれば一気にタイトル戦線に駆け上がれるビッグチャンスが巡ってきた。 1R、序盤から連打で前へ出るTETSU。蹴りのフェイントからパンチを当てていき、伊澤がバレリーキック(カカトで相手の太ももを蹴る技)を放つとすぐに同じ技を返して対抗する。TETSUの手数にやりにくそうな伊澤だが、しっかりとローを当てていく。  2R、TETSUはパンチに飛びヒザ蹴りを織り交ぜ、相手をよく見て左フック、右ストレートを当てていく。伊澤はローを蹴りながらパンチで打ち合うが、パンチの的確さでTETSUが上回る。  3Rが始まると同時に伊澤は後ろ廻し蹴り。TETSUも負けじとハイキックを放つ。どんどん前へ出て距離を潰し、パンチの打ち合いに持ち込むTETSU。伊澤も打ち合いで右をヒットさせるが、手数はTETSUの方が圧倒的に多い。TETSUはパンチだけでなくハイキック、ヒザ蹴りも繰り出し、攻撃をフルラウンド続けて試合を終え、伊澤を判定で破る金星を獲得した。 ▼第6試合 K-1 KRUSH FIGHTウェルター級 3分3R・延長1R〇山際和希(谷山ジム)KO 3R2分22秒 ※右ハイキック●大泉 翔(昇龍會)  大泉は元プロボクサー。2014年西日本スーパーライト級新人王で、10戦5勝(2KO)3敗2分の戦績を持つ。K-1ルールでの試合は今回がデビュー戦。  迎え撃つ山際は27勝(10KO)11敗4分の戦績を持ち、キックボクシングでBigbangウェルター級王座のタイトルを保持。  1R、さっそくパンチで襲い掛かろうとする大泉だったが、山際の右ミドルが強烈にヒット。蹴りまくる山際が右ミドル、右ハイ、右ストレートでダウンを奪う。その後も右ミドルで圧倒した山際だったが、大泉が右ミドルに右フック合わせてダウンを奪い返した。  2R、山際は徹底して右ミドルを蹴る。それを左腕で受け続ける大泉。パンチを合わせようとするが、山際にわき腹を蹴られてしまう。そして山際の右ミドルからの顔面ヒザ蹴りで大泉がダウン。  3Rもバシバシとミドルを蹴っていく山際。右ストレートのカウンターで大泉の動きが止まったところへ右ハイキック。大泉がダウンし、立ち上がってファイティングポーズをとるもレフェリーは様子を見てストップ。山際が鮮やかなKO勝ちを飾った。  山際はマイクを持つと「パンチが強くてビビッてしまいました。でも皆さんのおかげで勝つことができました。どんどんK-1とKRUSHに呼んで欲しいです。次はKRUSHのタイトルに絡んだ試合かK-1参戦でお願いします」とアピールした。 [nextpage] ▼第5試合 K-1 KRUSH FIGHTスーパー・バンタム級 3分3R・延長1R〇椿原龍矢(月心会チーム侍)判定2-0 ※30-28、29-29、30-28●龍斗(K-1 GYM横浜infinity)  1R、椿原は序盤と中盤の2回、右を中心としたパンチ連打とヒザ蹴りで龍斗をコーナーへ追い詰める場面を作る。龍斗はサイドキックを多用するが、上中下に攻撃を振り分ける椿原が圧倒的優勢。  2Rは龍斗が手数を増やして椿原に連打をまとめる場面も。椿原はそれをブロックして強打を打ち返すという展開。  3Rは龍斗が前へ出てきてパンチとヒザ蹴り。椿原は強い一発で応戦する。椿原の流れるようなコンビネーションが上中下に決まるが、龍斗は一歩も退かずに打ち合う。それでもクリーンヒットを奪うのは椿原の方で、椿原が判定勝ちを収めた。 ▼第4試合 K-1 KRUSH FIGHTフェザー級 3分3R・延長1R〇鷹大(WSRフェアテックス西川口)KO 1R2分30秒 ※左フック●三輪裕樹(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  三輪は前日計量をクリアーできず、両者合意の上で試合を実施することになった。三輪は2点減点からのスタート、8オンス(鷹大)と10オンス(三輪)のグローブハンディ、さらに三輪はファイトマネー30%没収。  1R、前に出て左右フックを振るう三輪に、鷹大は左ボディからの右フック。前に出てアグレッシブに攻めるのは三輪の方だが、鷹大はよく見ている。  三輪が前に出てくるタイミングで鷹大の狙いすました右フックが入り、三輪はダウン。立ち上がるも鷹大の左フックでマットに沈み、鷹大の見事なKO勝ちとなった。  鷹大はマイクを持つと「今回こういう形で、僕も1回倒れたこともあったし、相手の気持ちもわかる。三輪選手、体がきついと思うのでゆっくり休んでまたどこかで戦えればと思います。強い相手とやらせてください」と、三輪を気遣うと同時にさらなる強敵と戦いたいと語った。 [nextpage] ▼第3試合 K-1 KRUSH FIGHTバンタム級 3分3R・延長1R●萩原秀斗(K-1ジム総本部チームペガサス)判定0-3 ※28-30、27-30、26-30〇蒼士(昇龍會)  1R、蒼士は強烈な右ローを狙い撃ちするが、そこへ萩原がパンチを合わせてくると左ミドルに切り替える。この左ミドルでダメージを与えたと見たか蒼士はボディをパンチで攻めていく。  2Rも強烈な左ボディとローで攻めていく蒼士に萩原は後退を繰り返すが、右が当たり始める。しかし、萩原が左ボディを打ったところに蒼士が左フックを合わせてダウンを奪う。  3R、打ち合いにいく萩原だったが、逆に蒼士の左ボディや右ストレートをもらう形に。蒼士の的確な攻撃は最後まで萩原を捉え、萩原の逆転を狙うパンチは空を切って蒼士が判定勝ちした。 ▼第2試合 K-1 KRUSH FIGHTスーパー・フェザー級 3分3R・延長1R〇伊藤健人(K-1ジム目黒TEAM TIGER)KO 3R2分30秒 ※右ヒザ蹴り●優谷(WSRフェアテックス西川口)  1Rはミドルとローの蹴り合いから始まり、伊藤が右ローで優勢に立ったかと思われたが、中盤からサウスポーの優谷のワンツーが伊藤をとらえ始め優谷がパンチで前へ出てヒットを奪う。  2Rもパンチで攻めていく優谷だったが、伊藤のミドルとパンチをボディにもらうと大きくリングを回り始める。それを追っていく伊藤。  3R、伊藤の右ストレート、右ハイがヒット。さらに右のパンチをボディに叩きつけると優谷は露骨に嫌がり、伊藤はボディへ攻撃を集中させる。顔面を打ってボディへつなぎ、右ボディでダウンを奪うと、最後は優谷の右フックに右ヒザ蹴りを合わせてKO勝ちした。  伊藤はマイクを持つと「これからもチャンピオンを目指して頑張っていきます」とアピールした ▼第1試合 K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級 3分3R・延長1R(※18:00~)〇平山 迅(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)KO 2R1分46秒 ※右顔面ヒザ蹴り●竹内悠希(K-1ジム五反田チームキングス)  2018年6月に瑠久に延長戦のスプリット判定の末に敗れた平山だが、半年振りとなる今回の試合は、スーパー・ライト級への階級転向、そしてシルバーウルフ移籍という二つの大きな決断を下しての再起戦となる。  対する竹内はチームキングス移籍初戦となった2月のKrushで1RKOという最高の結果を飾り、上り調子で平山を迎え撃つ。  1R、左ミドルを蹴る竹内に平山は右を中心としたパンチでプレッシャーをかけていく。左ボディと左右フックで襲い掛かり、終盤、左ボディからの右フックでダウンを奪う。  2R、平山がコーナーへ詰めてのパンチ連打で竹内を釘付けにし、強烈な左ボディからの右顔面ヒザ蹴り連打を突き上げてKO勝ちした。平山はマイクを持つと「去年逃したので今年8月、K-1大阪大会にぜひ自分を呼んで下さい」と出場をアピールした。 [nextpage] ▼プレリミナリーファイト第3試合 K-1 KRUSH FIGHT女子アトム級 2分3R●菅原美優(K-1ジム三軒茶屋シルバーウルフ)TKO 3R1分8秒 ※レフェリーストップ〇延谷美智子(K-1ジム川口TEAM SIRIUS)  菅原は、第5回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-50kg優勝、第6回・第7回K-1アマチュア全日本大会チャレンジBクラス女子-45kg優勝、K-1 AWARDS2018(年間表彰式)アマチュア最優秀選手賞を獲得。2019年1月に満を持してプロデビューし、3戦のキャリアを持つ豊嶋里美からパンチでダウンを奪っての判定勝利で白星デビューを飾っている。  対戦する延谷は第21回K-1アマチュアチャレンジ女子Bクラス-55kg優勝の実績を持ち、今回がプロデビュー戦となる29歳。  1R、序盤から延谷がパンチで前へ出る。菅原は左ミドル連打で応戦し、パンチを打ち返すが延谷のパンチをもらう。偶発的なバッティングで一時中断、再開直後に菅原が飛び蹴りでダウンを奪う。しかし延谷は立ち上がるとすぐにパンチで反撃、菅原は被弾する。  2R、延谷の止まらない連打に苦戦を強いられる菅原は一発の強打で対抗。だが延谷の圧倒的な手数に押され、鼻血を出してスタミナ切れの兆候も見える。延谷は勢いを増してパンチで襲い掛かる。  3Rも延谷の連打は止まらず、菅原はパンチで追い回される展開に。菅原の攻撃の起点となる最初の蹴りをかわし、延谷はパンチのラッシュを仕掛けていく。ロープを背負いパンチを浴びる菅原。そしてついに、菅原が自分で蹴りを出した後に延谷のパンチで押されて力尽きるようにダウン。カウントが数えられたが、レフェリーは様子を見て試合をストップした。 ▼プレリミナリーファイト第2試合 K-1 KRUSH FIGHTスーパー・ライト級 3分3R●小島大輝(一信会館総本部)KO 2R48秒 ※3ノックダウン〇寺島 輝(TANG TANG FIGHT CLUB) ▼プレリミナリーファイト第1試合 K-1 KRUSH FIGHTバンタム級 3分3R―桑田裕太(Ωmega)両者失格 ※両者コンディション不良で計量に参加できず―篠原広耀(優弥道場)
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