那須川天心と握手を交わす武尊。2021年、どこで実現するのか
2020年12月31日(木)さいたまスーパーアリーナで開催の『Yogibo presents RIZIN.26』に来場したK-1 WORLD GPフェザー級王者・武尊(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)が、大会終了後に囲み取材を行った。
武尊は記者たちの質問に自分の言葉で全て答えた。以下、その全文。
<記者との質疑応答>
「この試合をずっと格闘技ファンの方たちだったりみんなが熱望してくれていて、その試合がなかなか実現できないことに僕自身が悔しい気持ちが凄いあったし。それを変えるために熱望されてから5~6年ですかね、僕自身ずっとやりたかったし、天心選手も同じだと思うし。この試合をやるためには格闘技界がもっともっとよくなっていって、大きくなっていくための試合にしないといけないので。
僕はやっぱり片方を脱退して片方の団体へ行くやり方はしたくなくて。そうすることによって片方は絶対に落ちちゃうし。この試合をするにあたって誰かが落ちたり傷ついたりする試合にしちゃいけないなと思って、ずっとどうにか格闘技界がひとつになるような試合ができると思ってずっと動いてきたつもりなので、それがちょっとずつ形になってきて。
たくさん待たせてしまっていますけれど、去年の時点で僕は自分でリミットを作って、来年1年で実現できなかったら格闘家を引退しますって宣言して今年を迎えたんですけれど、その中で今年はコロナだったりいろいろな状況が変わってそれが実現できなくて。ファンの方や応援してくれる方や信じてついてきてくれる皆さん、あとは同じK-1で戦っているファイターたち、僕に憧れてK-1を始めてくれた子たち。そういう人たちにちょっとでも希望を見せたかったし、今年最後の日ですけれど、僕の意思表示と来年実現させるという決意を込めてRIZINの会場に来場させていただきました」
――ご自身としては実現させたいのは来年(2021年)ということでよろしいですか?
「そうですね。来年しかないと思っています」
――実現するとして、武尊選手の理想の実現の形はどのように思い描いていますか?
「やっぱりK-1、RIZIN、RISE、Krush、いろいろな団体がありますけれど、どこかを落としてやる試合にはしたくないし。K-1で一緒に戦っているファイターたち、後輩たち、背中を追っかけてくれている子たち、そしてK-1に入ってくれた子たち。その人たちを裏切ることは絶対にできないし。この試合をやるためには中立なリングで、僕はK-1王者として、天心選手はRISEのチャンピオンとして、格闘技界をひとつにするための試合にしないといけないと思っているので、僕の理想の試合の形はK-1でもRIZINでもない中立なリングを作ってそこでやりたいと思います」
――数年前に最初に天心選手がやりたいと言われ始めてからいろいろありましたが、その時から武尊選手もやりたかった?
「もちろん格闘家はみんな分かると思いますが、自分より強いと言われているヤツがいるのは許せないんですよ。同じ団体の普通の試合とは違って、言い出したらきりがないくらい、いろんなことがそれを拒んでいるというか。それだけ大きい問題だったし、だけど逆を言えばこれだけ試合ができなかったことも格闘技界をひとつにするための大事な期間だったと思うし、僕自身も天心選手がいてくれたからこそ、今でも現役をやっていると思っているので。そういう意味では感謝しています」
「初めてです。本当に素晴らしい選手なんだと思いましたね。今日の試合はKOではなかったですけれど、天心選手の強さが出ていて、間近で初めて見ましたけれど、今まで見たことがない選手だなっていうか、本当に強い選手だと思いました。本当に早くリングで向かい合いたいなと思っています」
――武尊選手が希望する時期はありますか?
「第一に僕は1月24日にK-1でタイトルマッチが決まっているので、その試合に勝たないと次はないと思っているし、その試合で勝った後に時期とかそういうものが決まってくると思うし、今はそこに関しては何も言えないし、この先、僕はその試合で死ぬかもしれないし、命がそこで終わる可能性もある試合をしているので、試合後の予定はいつも入れないんです。なので、試合に勝ってその後にまたそこはお話しできたらいいかなと思っています」
――天心選手をハグするような形で、耳元で何かを言われていたと思うのですが、何を言われてていたのでしょう?
「それは2人だけの秘密です」
――間近で天心選手と目を合わせたわけですが、そこで感じたものはありましたか?
「天心選手もいろいろな事情だったり、できない理由は分かっているし、できなかった理由も。僕は率直に間近で試合を見られてよかったと思うし、今までも戦いたかったけれど、今日、会って目を見て、喋って、もっと戦いたいと思いました」
――去年に実現するためにずっと動いていると言われていましたが、中立のリングを作るために動いていて、その目途がたって今日来たってことなんですか?
「そういうことですね。そういう実現の仕方じゃないと、僕はこの試合はやる意味がないと思っていたので」
――武尊選手が1月24日にレオナ選手に勝つのは当然なんですけれども、那須川選手も2月28日に志朗選手と試合をすることになっていて、もしここで那須川選手が星を落としたとしても試合を実現させたい気持ちは変わらないですか?
「僕は1月の試合も絶対負けないし、天心選手も絶対負けないので、その心配はしてないです」
――那須川選手が来年いっぱいくらいでキックボクシングから卒業すると表明したことも、今回動いたきっかけのひとつになっているのでしょうか?
「いや、その前から僕はずっと実現するために動いていたし、いろいろな方たちが協力してくれて。まだ完全に決定しているわけではないですけれど、この試合をやるために動いてくれた人はたくさんいて、そのたくさんいた中でも実現できなかったことだったので、いろいろなパターンと言うか、この実現法はどうかなっていろいろな方々にお話ししてやってきて、やっと一番理想的な形で格闘技界が他のスポーツに負けないくらい、僕はずっとそういう格闘技界にしたいと思ってやってきて。そのための戦う場所を作れるんじゃないかなっていう。それでこういうアクションを起こしたので、それは関係ないですね」
最後に、僕から天心選手に一言。僕も天心選手の試合を見て早く戦いたいなって気持ちが強くなったし、天心選手にも僕の試合を見に来て欲しいなと思うので、1月24日『K'FESTA.4』で待っています」