▼第4試合 DEEP JEWELS グラップリングルール52kg以下 4分2R
×さくら(フリー)※52kg
[判定0-3] ※18-20×3
○伊澤星花(高本道場)※51.85kg
今後の日本の女子MMA界を背負う逸材同士の組み技での対戦。
計量後、さくらは、「17歳、高校3年生のさくらです。前回の試合(10月にMMAでKAIに一本勝ち)が終わった直後に、伊澤さんと組ませていただいて、グラップリングという自分の原点に戻れる試合が出来て、すごく嬉しいです。MMAを通じて約1年間、作り上げてきた技術を出せると嬉しいなと思っています。応援、よろしくお願いします」と、練習の成果を出したいと語った。今回のセコンドとして出稽古先のIGLOOの米倉大貴と大浦マイケがつく。
対する伊澤は、「今日は絶対、一本勝ちをしたいと思うので、どうぞ楽しみにお待ちください!」とシンプルながら力強く一本勝ちを宣言している。
さくらは、柔術と柔道をバックボーンに持ち、数々の柔術大会で優勝。DEEP JEWELSアマチュアグラップリングでも4戦4勝の実績を引っ提げ、2019年12月の『DEEP 93 IMPACT』でプロMMAデビュー。國保小枝に1R3分17秒、腕十字による一本勝ちを収めて白星デビューを飾ると、2020年2月には永尾音波とのJK対決に臨み、永尾の打撃に苦しみながらも寝技で優位に立ち判定勝ちした。
しかし、7月の3戦目で大島沙緒里(AACC=9月のDEEPでDEEP女子ミクロ級王者に就いた)にプロ初黒星。10月のKAI戦で1R リアネイキドチョークで一本勝ちし、再起を果たしている。
対する伊澤は、2020年8月のZST「BATTLE HAZARD07」でのグラップリングマッチで実力者・杉内由紀と引き分け、10月のMMAデビュー戦では54.5kg以下契約ながら、実力者・ARAMIを判定3-0で勝利している。
小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。現在、東京学芸大学教職大学院生の22歳で、「総合格闘技で世界チャンピオンになるのが目標」という。
MMAデビュー戦で実力者を下したJD伊澤と、現在MMA3勝1敗のJKさくら。ともにグラップリングでは杉内由紀と時間切れドローとなっており、上から圧力をかける伊澤と、下からも仕掛けるさくらの寝技巧者同士、女子MMAファイター屈指のグラップリングマッチが大阪で実現となる。
1R、さくらはシッティングガード。伊澤は上からパスを狙うがさくらは潜りから足関節狙い。そこを凌いだ伊澤はがぶり狙いもさくらは下からシングルレッグから足手繰りゲイリー・トノンばりの後転で足関節狙い。
サドルロックを組ませず、ここも切る伊澤はバックテイクへ。再び潜りから足を手繰りに行くさくらをパスしサイドに向かう伊澤だが、さくらも足を越えさせず戻してフルガードに。
2R、下を選択するさくらにハーフで上からアタックする伊澤はサイドに回るとヒザを立て正対するさくらにギロチンチョーク狙い! ここは首を抜くさくらは右で脇を差すがそこにオモプラッタから腕十字を狙う伊澤。またいで防ぐさくらは立ちがると、スタンドで小手に巻くさくらに投げを狙う伊澤。凌ぐさくら。ゴング。
判定はさくらの下からの仕掛けを切り、強い体幹で上から攻めた伊澤が見事フルマークの3-0で勝利した。足関節にもしっかり対応し、柔術の実力者さくらの寝技を封じた伊澤。MMAでも生きるトップからの攻めの強さは、12月19日の『DEEP JEWELS 31』(新宿FACE)でノンタイトルで対戦するストロー級王者・本野美樹にとっても脅威となりそうだ。