2020年11月29日(日)大阪・住吉区民センター大ホールにて、「DEEP&PANCRASE大阪大会」が開催された。
光野有二朗グループ presents DEEP & PANCRASE 大阪大会
2020年11月29日(日) 住吉区民センター大ホール1部13:15開場13:45開始 2部17:00開場 17:30開始大阪市住吉区南住吉3-15-56※今大会は新型コロナウイルスの感染防止のため通常の2kg増しの契約体重。
▼第8試合 メインイベント DEEP公式戦 58.7kg 契約 5分3R×安谷屋智弘(フリー)58.55kg[判定0-3](27-30×3)○秋葉太樹(総合格闘技道場reliable)58.5kg
安谷屋は、2019年4月のDEEP大阪大会で現修斗フライ級暫定王者の福田龍彌を判定で破り、2019年9月には元ZSTフライ級暫定王者の坂巻魁斗も判定で下すなど、2018年4月から3勝1分と負け無し。今回、1年2カ月ぶりの試合に臨む。
対する秋葉は、PANCRASEフライ級6位。2017年12月から原猛司、安永有希、荻窪祐輔に3連勝も、2018年10月の翔兵戦で判定負け。2019年3月に神酒龍一に判定勝利で復活も、9月の「Road to ONE:CENTURY」で清水清隆に1R KO負けを喫した。
12月には、荻窪祐輔の代役として南アフリカのルサンド・ビコと緊急対戦。判定負けで2連敗となっている。当初、9月大会で1位のライリー・ドゥトロと対戦予定も中止に。安谷屋との試合が約1年ぶりの試合で約3年ぶりの大阪での試合となる。
井上直樹と寝技で接戦、柴田MONKEY有哉とも熱戦を繰り広げた安谷屋の組み技と、荻窪を跳びヒザ蹴りで沈め、神酒のテイクダウンを切って当てた秋葉の打撃の戦いとなるか。神龍誠が持つフライ級王座を狙う安谷屋。一気に上位を狙う秋葉は、石原夜叉坊・川原波輝とも練習を積んでおり、倒されても立ち上がりに自信を持っているだろう。それぞれのこの1年の進化に注目のカードだ。
1R、ともにオーソドックス構え。先にワンツーで牽制する安谷屋。秋葉は左インロー。さらに安谷屋の詰めに左フックを振り、一転ダブルレッグで尻を着かす。しかしすぐに立つ安谷屋にボディロックテイクダウンは秋葉! 背中を着かせた秋葉は、安谷屋の立ち上がりにバックに。背負って立つ安谷屋の背後から連打でパウンドする安谷屋。背負ったままグラウンドに持ち込み、腕を手繰り正対を狙う。
オープンガードになったところで正対した安谷屋に下から腕十字を狙った秋葉だが、その体勢にさせない安谷屋がアームインギロチンへ。首を抜いた秋葉がバックに回り、安谷屋も首を防いでゴング。
2R、秋葉のバックフィストに、左右の連打で詰めてスタンドバックから引き込んだ安谷屋。正対際でバックを狙う秋葉を押さえ込もうとするが、秋葉は下からオモプラッタで上に。しかしうつ伏せになりながら脇を差して立ち上がる安谷屋がギロチンチョークへ。背中がコーナーでスペースが無い安谷屋は腕を解き立ち上がる。
そこにボディロックテイクダウンは秋葉! 安谷屋はロープにヒジをかけて防ごうとする(※2R終了後・注意)が下に。背中を譲りながら立ち上がる安谷屋は背後の秋葉を前に落とそうとする。その向き直り際に腕十字・三角を狙う秋葉に、組ませない安谷屋がパウンドしたところでゴング。
3R、左右で詰める安谷屋のバックを取ろうとする秋葉、中央再開からヒザ着きながらダブルレッグテイクダウン! 逃げる安谷屋のバックに回るが、またも腕を潜り正対する安谷屋。そこにすぐにダブルレッグテイクダウンは秋葉。安谷屋はクローズドに入れてアームインギロチン! しかし首を抜いた秋葉がマウントで上に。
安谷屋の右脇に頭をつけて肩固めを狙うが、それを嫌って背中を見せる安谷屋のバックをキープし、背後からパウンド、正対際にはマウント、さらにバックキープから、残り10秒の拍子木でパウンド。そこに安谷屋も後ろを見せながら正対を狙うもゴング。
互いに極めさせないスクランブル合戦も、後半にポジションでドミネートした秋葉が組み技の進化を見せ、判定3-0(30-27×3)で勝利。「コロナで試合が無くて、やっと試合できたのにこんなしょっぱい試合ですみません。こんなもんじゃないんで、もっと大きな舞台でRIZINでも活躍できると思うんでよろしくお願いします」と地元のファンに挨拶した。
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▼セミファイナル DEEP公式戦 72.3kg契約 5分2R×太田裕稀(格闘技吉田道場) 71.5kg[判定1-2]※18-20×2, 20-18○木村俊也(BLOWS) 72.1kg
1R、サウスポー構えの太田。オーソドックス構えの木村の右ローが金的に入り、いきなり中断。再開。右アウトローを当てる太田。さらに左インローをヒット。慎重な探り合いから左足を外側に置くように左回りの木村。太田はその場跳びのヒザ蹴りで牽制。
2R、思い切って左右を振る木村。かわす太田は低いダブルレッグもがぶる木村。右は遠い。ワンツーからアッパー狙う太田に右を狙う木村。太田の左に右ミドルを合わせる。圧力をかけるのは木村。太田も右ジャブを返すが、木村が右で飛び込み。それを太田が掻い潜り足関節を狙ったところでゴング。
判定は前に出て手数を出した木村がスプリットで制した。
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▼第6試合 DEEP公式戦 81kg契約 5分2R○嶋田伊吹(Fight Holic)80.55kg[判定3-0] ※20-18×3×鈴木道場長(UBF) 80.9kg
1R、オーソドックス構えの鈴木に、長身サウスポー構えの嶋田の左インローが金的に。再開。左ジャブ、左ミドルで前に出る。
2R、オーソドックス構えからサウスポー構えにスイッチし左ミドルを当てる嶋田。またもインローが金的に。左の攻撃で勝った嶋田がフルマークの判定勝利。
▼第5試合 PANCRASE公式戦 ライト級 3分3R○小川道的(柔術兄弟/ALIVE伊勢支部)72.0kg[判定3-0] ※30-27×2, 30-26×田中壱季(ソフトコンタクト) 71.7kg
ALIVE名古屋にも出稽古する小川のダブルレッグテイクダウンに再三ブリッジで返す田中だが、小川は徹底してテイクダウン、腕十字も狙うが極め切れず。スタンドで田中の右を掻い潜りテイクダウン奪う小川。終盤にはサイド奪いパウンドも田中が凌ぎ、判定へ。3-0(30-27×2, 30-26)の大差でドミネートした小川が勝利した。
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▼第4試合 DEEP JEWELS グラップリングルール52kg以下 4分2R×さくら(フリー)※52kg[判定0-3] ※18-20×3○伊澤星花(高本道場)※51.85kg
今後の日本の女子MMA界を背負う逸材同士の組み技での対戦。
計量後、さくらは、「17歳、高校3年生のさくらです。前回の試合(10月にMMAでKAIに一本勝ち)が終わった直後に、伊澤さんと組ませていただいて、グラップリングという自分の原点に戻れる試合が出来て、すごく嬉しいです。MMAを通じて約1年間、作り上げてきた技術を出せると嬉しいなと思っています。応援、よろしくお願いします」と、練習の成果を出したいと語った。今回のセコンドとして出稽古先のIGLOOの米倉大貴と大浦マイケがつく。
対する伊澤は、「今日は絶対、一本勝ちをしたいと思うので、どうぞ楽しみにお待ちください!」とシンプルながら力強く一本勝ちを宣言している。
さくらは、柔術と柔道をバックボーンに持ち、数々の柔術大会で優勝。DEEP JEWELSアマチュアグラップリングでも4戦4勝の実績を引っ提げ、2019年12月の『DEEP 93 IMPACT』でプロMMAデビュー。國保小枝に1R3分17秒、腕十字による一本勝ちを収めて白星デビューを飾ると、2020年2月には永尾音波とのJK対決に臨み、永尾の打撃に苦しみながらも寝技で優位に立ち判定勝ちした。
しかし、7月の3戦目で大島沙緒里(AACC=9月のDEEPでDEEP女子ミクロ級王者に就いた)にプロ初黒星。10月のKAI戦で1R リアネイキドチョークで一本勝ちし、再起を果たしている。
対する伊澤は、2020年8月のZST「BATTLE HAZARD07」でのグラップリングマッチで実力者・杉内由紀と引き分け、10月のMMAデビュー戦では54.5kg以下契約ながら、実力者・ARAMIを判定3-0で勝利している。
小学生から柔道とレスリングを始め、レスリングでは2012年ジュニアクイーンズカップ52kg級準優勝、2012年沼尻直杯全国中学生選手権女子57㎏級で優勝。柔道は高校2年生の時にインターハイ3位と全国選手権5位に入賞。2019年東京学生柔道体重別選手権女子52kg級では準々決勝まで進出している。さらに女子相撲にも出場し、2019年の全日本選手権で準優勝と、組み技のハイブリッドガールだ。現在、東京学芸大学教職大学院生の22歳で、「総合格闘技で世界チャンピオンになるのが目標」という。
MMAデビュー戦で実力者を下したJD伊澤と、現在MMA3勝1敗のJKさくら。ともにグラップリングでは杉内由紀と時間切れドローとなっており、上から圧力をかける伊澤と、下からも仕掛けるさくらの寝技巧者同士、女子MMAファイター屈指のグラップリングマッチが大阪で実現となる。
1R、さくらはシッティングガード。伊澤は上からパスを狙うがさくらは潜りから足関節狙い。そこを凌いだ伊澤はがぶり狙いもさくらは下からシングルレッグから足手繰りゲイリー・トノンばりの後転で足関節狙い。
サドルロックを組ませず、ここも切る伊澤はバックテイクへ。再び潜りから足を手繰りに行くさくらをパスしサイドに向かう伊澤だが、さくらも足を越えさせず戻してフルガードに。
2R、下を選択するさくらにハーフで上からアタックする伊澤はサイドに回るとヒザを立て正対するさくらにギロチンチョーク狙い! ここは首を抜くさくらは右で脇を差すがそこにオモプラッタから腕十字を狙う伊澤。またいで防ぐさくらは立ちがると、スタンドで小手に巻くさくらに投げを狙う伊澤。凌ぐさくら。ゴング。
判定はさくらの下からの仕掛けを切り、強い体幹で上から攻めた伊澤が見事フルマークの3-0で勝利した。足関節にもしっかり対応し、柔術の実力者さくらの寝技を封じた伊澤。MMAでも生きるトップからの攻めの強さは、12月19日の『DEEP JEWELS 31』(新宿FACE)でノンタイトルで対戦するストロー級王者・本野美樹にとっても脅威となりそうだ。
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▼第3試合DEEP公式戦 67.8kg契約 5分2R○堂園悠(修和館)67.2kg[2R 4分35秒 TKO]×たかつぐ(OSC)67.45kg
※オーソドックス構えから右を振り詰めるたかつぐ。オーソからサウスポー構えの堂園は左フックでダウン奪いパウンド。
▼第2試合PANCRASE公式戦 フライ級 3分3R○KARL(総合格闘技道場コブラ会)58.6kg[判定]×桐山康平(パンクラス大阪稲垣組) 58.55kg
▼第1試合PANCRASE公式戦 バンタム級 3分3R×山﨑鼓大(BLOWS) 63.0kg[判定]○吉田 陸(スプラッシュ)62.65kg