シュートボクシング
レポート

【シュートボクシング】海人が鮮やかなハイキックでKO勝ち、RIZIN大晦日参戦をアピール。笠原友希が大激闘を制して新王者に、未奈が圧勝で初代王者

2020/11/28 19:11

▼第5試合 62.0kg契約 エキスパートクラス特別ルール 3分3R延長無制限R
〇笠原弘希(シーザージム/SB日本フェザー級王者)
判定3-0 ※30-27、30-28、30-26
×ハルク大城(ボスジムジャパン/パンクラス2013年ネオブラッド・トーナメントフェザー級優勝、TRIBELATEキックライト級王者)


 笠原はSB次期エース候補として期待され、2018年9月、SB日本フェザー級王座決定戦で元貴を下して王座を獲得。6月大会では前SB日本スーパーバンタム級王者・ 内藤大樹との接戦を制し、2019年9月のSB日本スーパーフェザー級タイトルマッチでは王者・深田一樹を2RKOで下して二階級制覇を達成した。12月の新日本キック対抗戦では重森陽太のヒジ打ちによるカットでTKO負けを喫したが、今年2月には前口太尊を大激闘の末にTKOで降した。


 ハルクは2004年ウェイトリフティング全国高校総合体育大会でトータル272.5kgを上げて優勝。アマチュアを経てプロMMAデビューを果たすと、ぶんぶん振り回す強打を武器に主戦場とするパンクラスでは2013年新人王トーナメント優勝の実績を持つ。2012年から2018年までパンクラス上位ランカーと激戦を繰り広げ、8勝4敗2分の戦績。戦いの舞台をキックのリングに移しても、現在連勝記録を更新中。


 1R、サウスポーの大城の左右フックに笠原は“もっと来いよ”と手招き。大城のボディフックに左フックを合わせようとするが、大城はパワフルな左右フックを打ち込む。そのパンチをブロックする笠原だが、被弾も許す。強烈なパンチを受ける笠原だが、左フックで大城の足がもつれ、後退するところへ左の追い打ちでダウンを奪う。コーナーへ詰めての連打とヒザでラッシュを懸ける笠原。城もフックで応戦。


 2R、笠原は右ミドルをクリーンヒットさせ、大城が組み付いてくるとヒザ蹴り。大城が低い体勢からの右フックをヒットさせた。


 3Rは序盤から激しい打ち合いに。笠原がオーソドックスに戻った大城に左右フック、左ボディを次々とヒットさせ、大城も左右のフックで前進。笠原は右ミドルとジャブ、大城もボディから顔面を打つ。笠原の左ボディが強烈にヒットしても、ハルクは打ち返す。


 最後は打ち合い。笠原はつかむと頭部へのヒザ蹴りを連打、そして左フックのクリーンヒット。粘った大城だったが、判定は3-0で笠原の勝利となった。

▼第4試合 SB日本女子ライト級(62.5kg)初代王者決定戦 エキスパートクラスルール 3分3R延長無制限R
〇未奈(秀晃道場/SB日本女子ライト級1位)
判定3-0 ※30-25、30-24×2
×溝口孝湖(WATANABE GYM/HOOST CUP女子スーパーライト級王者)
※未奈が初代王座に就く。


 未奈は女子大生ファイターとして2010年10月にプロデビュー。“東北の剛腕美女”の異名を持ち、女子離れしたパンチ力で連続KOを飾ったとともにその端正なルックスでも注目され、雑誌グラビアを飾った。2011年8月からはSBを主戦場とし、対戦相手を“フルボッコ”にするスタイルで戦績は14勝(5KO)8敗。昨年のGirls S-cupではMMAルールに初挑戦してKO勝ち。前戦は2019年9月大会でシン・ミンヒ(韓国)に完勝して現在5連勝中。


 対する溝口は“尾張の重戦車”の異名を持ち、女子離れした破壊力のある攻撃力が光る国内女子重量級のエース選手。こちらも強すぎて相手探しが難航、ここ数戦は主戦場とする『HOOST CUP』で外国人選手との対戦が続く。昨年5月にはHOOST CUP女子スーパーライト級王座決定戦でアーネスト・ホーストの愛弟子でWKU世界スーパーライト級王者マーレーン・オクックスを右フックで1R62秒の秒殺でタイトルを獲得した。以前から未奈との対戦を熱望しており、ようやく決まった一戦にモチベーションは高いという。


 未奈は白ランのコスプレで入場した。


 1R開始早々、足を止めて打ち合う両者。2度目の打ち合いでは皆が首投げでシュートポイント(1点)を奪う。さらに足を止めて左右フックで打ち合う両者に場内はどよめく。ワンツーで攻める溝口に未奈は右ストレートから左フック。組み付くと鮮やかな首投げで2度目のシュートポイント(1点)。


 2Rもいきなり打ち合う両者。連打の応酬に合わせて手拍子が起こる。パンチの回転力に優る未奈が打ち勝つ場面が目立つ。未奈の左ボディに右ストレートで対抗する未奈。そして3度目の首投げでのシュートポイント(1点)。続けて首投げでまたもシュートポイント(1点)。未奈は笑顔を浮かべてパンチを繰り出す。


 3R、笑顔の皆はストレート連打で打ち合うと投げを狙う。溝口も左右フックで応戦。未奈はジャブからワンツー、そして組み付くと首投げでシュートポイント(1点)を加算する。ラスト10秒で両者足を止めて左右の連打で打ち合いを繰り広げ、場内は拍手に包まれた。


 判定は大差で未奈の勝利。見事、初代王座に輝いた。白いコスチュームに赤いベルトを巻いた未奈は満面の笑み。


 未奈はマイクを持つと「欲を言えば倒したかったんですけれど、溝口選手も強かったので。今回はSBルールで勝つというのを目標にしていました。毎日練習したくないとか、ミット持ちたくないとか言いながら練習に付き合ってくれた会長、ありがとうございました」と言うと思わず涙が込み上げた。


 続けて「大晦日に出たいとか海外の大会に出たいとか他の協会に出たいとか言ってる人がいますが、私はSBが大好きでこれからもSBで頑張りたいと思っています。これからもSB協会をよろしくお願いします」と“シュートボクシング愛”を語った。

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