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2020年11月21日(日本時間22日)米国ネバダ州ラスベガスの「UFC APEX」にて「UFC 255」が開催され、王者デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)が、同級4位のアレックス・ペレス(米国)に、1R 1分57秒 ギロチンチョークで一本勝ち。初防衛に成功した。
試合後、フィゲイレードは、同大会でブランドン・ロイヴァルを1R TKO(ロヴァルが右肩脱臼)に下した同級1位のブランドン・モレノ(メキシコ ※写真下)との対戦をアピール。
12月12日の「UFC 256」で予定されていたバンタム級タイトルマッチの王者ピョートル・ヤン vs. 挑戦者アルジャメイン・スターリングが、ヤンの「個人的な理由」による欠場で延期となり、さらに、女子フェザー級王座戦のアマンダ・ヌネス vs. ミーガン・アンダーソンもヌネスの負傷欠場により中止となっているため、「フィゲイレードvs.モレノ」のフライ級タイトルマッチがメインカードになる可能性が高まっている。
インターバル21日で王者と挑戦者がタイトルマッチに臨むのはUFC史上最短となる。
▼UFC世界フライ級選手権試合 5分5R
◯デイブソン・フィゲイレード(ブラジル)王者
[1R 1分57秒 ギロチンチョーク]
×アレックス・ペレス(米国)4位/挑戦者
※フィゲイレードが初防衛成功
MMA19勝1敗の王者フィゲイレードは、UFC8勝中、6勝を一本・KO勝利しているフィニッシャー。2017年にUFCに参戦し、2020年2月のフライ級王座決定戦でジョセフ・べナビデスを2R、右ストレートでTKOも、体重超過により王座獲得の権利を剥奪。その後、7月のダイレクトリマッチでベナビデスを1R リアネイキドチークで絞め落とし、晴れて王者となっている。今回が初防衛戦。
対する挑戦者のペレスはMMA24勝5敗でランキング4位。当初、元UFCバンタム級王者のコーディ・ガーブラントがフィゲイレードの王座に挑戦予定だったが、ガーブラントが怪我で欠場。代役としてペレスの出場が決定した。ペレスはタチパレスファイトで活躍後、RFA、KOTC、CFFCを経て、UFC人材発掘の「ダナ・ホワイト・コンテンダー・シリーズ(DWCTS)」から参戦。UFC戦績は6勝1敗。うち4勝は一本・KOをマークしている。
コールに雄叫びを挙げた“獣神”フィゲイレード。
1R、オーソドックス構えのペレスにサウスポー構えのフィゲイレード。開始早々、ペレスが右ハイで牽制。かわすフィゲイレードも左の前蹴り。バックステップでかわすペレス。オーソにスイッチするフィゲイレードだが、すぐにサウスポーに戻し左ミドルをヒット。手の位置は低い構え。
ワンツーで飛び込むペレスを左にかわすフィゲイレード。右前手で拳を触りながら、再び左ミドルをヒット! ノーガードで詰めるとオーソから左ボディで飛び込み。そこにペレスも左を合わせに行く。
サウスポー構えになるフィゲイレードに右ローから右ミドルのダブルはペレス! オーソから詰め直すフィゲイレードは右フック。その打ち終わりにペレスはニータップからシングルレッグで左足を肩口まで上げるが、足を刈られない片足立ちのフィゲイレードは、カニ挟みからペレスの右足をキャッチ。
足を抜いたペレスは上を奪いに行くが、正対したフィゲイレードがカウンターで左手でアームインギロチンへ! 首の対角に回ろうとするペレスをしっかりクローズドガードの中に入れるフィゲイレード。引き込まれなよう上半身を片ヒザ立ちまで立てたペレスだが、タップした。
初防衛に成功したフィゲイレードは、試合後、ジョー・ローガンのインタビューに、ヴァリッジ・イズマイウの通訳を通して、ブランドン・モレノとの対戦に名乗りを挙げた。
フィゲイレード「セフードは立派だった。でもこの階級のチャンピオンは俺だ」
Deiveson Figueiredo (@DeivesonDaico) ties Demetrious Johnson for most finishes in @UFC flyweight history with seven.
— UFC News (@UFCNews) November 22, 2020
MOST FLYWEIGHT WINS - UFC History
13 - Demetrious Johnson
13 - Joseph Benavidez
09 - Deiveson Figueiredo
09 - Jussier Formiga
08 - John Moraga
08 - Dustin Ortiz pic.twitter.com/XrQjP4EGbd
──すごいサブミッションでした。初防衛成功です。
「ウィザーズマスターって呼んでくれていいぜ。合宿中にもコーチたちと約束していたんだ。こうなるって伝えてきたし、思っていた通りになった。このためにトレーニングしてきたし、その通りのことが起きた」
──サウスポー構えだったのは、カーフキックを警戒していたから?
「その通りだ。相手の蹴りをもらわず、自分の蹴りを当てるために。相手はこれまでの試合で俺の蹴りを一度も見ていなかったからスタンスを変えたんだ。キックを放っていけるとは思っていたけど、向こうはそれを映像で見たことがないからね」
──今後、対戦したい相手は?
「ブランドン・モレノとやりたい。ダナ、かなえてくれよ。俺がやりたいのはその試合だ。俺はモレノをぶちのめす。あいつは俺のことを散々言ってるからな」
──12月12日の「UFC256」だと21日後です。調整するのは大変では?
「調整が大変なのはモレノも同じだろ?」
──今回はパワーだけじゃない。あなたの総合力を見せつけられました。あんなに綺麗なテイクダウンからサブミッションのトランジションを見たのは久しぶりです。
「あのポジションは俺にとっての基礎だ。あそこからトレーニングを始めたし、きっとあいつならあのポジションでチャレンジしてくると思っていた。それがあいつにとっては最大のミスさ。オクタゴンで犯しちゃいけない最大のミス。俺はそうなると分かっていたから、それでジ・エンド。ブラジルのみんなを愛している。パウンド・フォー・パウンドの一番は俺だ!」
──今後の展望をお聞かせください。
「この階級で一本やKOを自分が見せていくことで、フライ級はエキサイトな階級だと、みんなに理解してもらうことが大事だ。フライ級で一本勝ちやKOが生まれるエキサイトさを伝えることにはカネに換えられない価値がある。俺は長期政権になることを約束するよ。いいかい、いまから言うことは必ず書いてくれ。セフードは立派だった。でもこの階級のチャンピオンは俺だ。チャンピオンは俺で、この階級を制圧する。世界にそれを証明する。おれの言った全ては現実となる。そのことを忘れるな!」
When @joerogan and @Daico_Deiveson needed a translator, @WallidJfc appeared out of thin air 😆 #UFC255 pic.twitter.com/o4rvPpqhJ8
— ESPN MMA (@espnmma) November 22, 2020
▼フライ級 5分3R
○ブランドン・モレノ(メキシコ)
[1R 4分59秒 TKO] ※右肩脱臼
×ブランドン・ロイヴァル(米国)
TWISTER INCOMING!? 👀 #UFC255 pic.twitter.com/JNtdnslll9
— UFC (@ufc) November 22, 2020
◆ブランドン・モレノ「俺こそが次のタイトル挑戦者」
「今回の試合はかなり緊張していた。ブランドン・ロイバルはこの試合に挑むにあたって失うものがなかったからね。俺はこの試合にすべてをかけた。ランキングも、これまでの取り組みも、経験も、すべてだ。本当に緊張した。今はここにこうして勝者としていられることがうれしい。UFCが俺のポジションを尊重してくれて、これまでの仕事ぶりに敬意を払ってくれることを願っている。今回の試合は自分にとってスペシャルなものだったし、1Rで勝った。ブランドン・ロイバルを相手に1Rで勝負を決めたんだ。あいつは危険なやつだし、彼はこのスポーツの、このフライ級での将来がある。今日は俺の番だった。俺こそが次のタイトル挑戦者だと思っている。みんなにはとても感謝している。みんなのサポートに心から感謝している。これは始まりに過ぎない。まだまだここからがハードなパートだけど、すべてをかける覚悟はできている」
"Gimme my title." 🏆@TheAssassinBaby may have just locked in the next shot at the top. #UFC255 pic.twitter.com/MRWz1bX1GG
— UFC (@ufc) November 22, 2020