キックボクシング
レポート

【ビッグバン】FUMIYAがKrush王者・山際和希をバックハンドブローで衝撃KO

2020/11/08 17:11
「スーパービッグバン2020 ビッグバン10周年記念興行・谷山ジム35周年記念興行」<第1部>2020年11月8日(日)東京・TDCホール ▼第9試合 メインイベント第2試合 67kg契約 3分3R×山際和希 (谷山ジム/Krushウェルター級王者)KO 2R 3分00秒 ※バックハンドブロー〇FUMIYA(ポゴナ・クラブジム)  山際は2009年に全日本学生キックボクシング連盟ウェルター級王者となり、プロデビュー後も順調に勝ち星を積み重ね、2015年6月にBigbangウェルター級王座を獲得(現在も保持)。2017年2月まで11連勝を記録した。K-1 JAPAN GROUPには2013年から参戦し、2017年9月にはK-1初代ウェルター級王座決定トーナメントにも出場した。8月のKrushで行われた第7代Krushウェルター級王座決定トーナメントの1回戦で一吉(RAOU JAPAN)を1R1分35秒、右フックでKO。決勝戦では近藤魁成(大成会館)に1R3分ちょうどでTKO勝ちし、悲願だったKrush王座に就いた。今回が王者としての第一戦目。戦績は31勝(13KO)14敗4分。  対するFUMIYAもK-1&Krushで活躍するファイターで、水泳でジュニアオリンピックに出場し、陸上でも関東大会出場を果たしたフィジカルエリート。2017年3月にKrushでプロデビューし、そのデビュー戦では2戦目の鈴木に2度ダウンを奪われるも、3Rに右ストレートで逆転KO勝ちを収めている。前戦は7月のKrushで鈴木勇人(K-1ジム五反田チームキングス)に1R1分30秒、KO負けを喫している。戦績は5勝(5KO)7敗。  1R、山際が得意の右ミドルを蹴れば、負けじとFUMIYAも左ミドルを蹴る。山際の左右フックを浴びたFUMIYAはバックハンドブローを2連発、その直後にバックスピンキックも。山際はロー、ミドルを蹴りながらパンチを一発ずつ丁寧に当てていく。  2R、山際は右ミドルから右フック、Bigbangルールを活かしたワンキャッチからのヒザ蹴りをボディに突き刺す。FUMIYAも左フックと左ミドルで応戦するが、疲れが見え始めて一発放ってはクリンチに。山際は単発ながら右を的確に当てる。FUMIYAはもらっても構わず前に出る。  山際がもみ合うような状態で右フックを放った直後、FUMIYAが至近距離で回転してのバックハンドブロー。ラウンド終了ゴングとほぼ同時に山際がダウンし、そのまま失神。現役Krush王者にFUMIYAが衝撃KO勝ちを収めた。  FUMIYAはマイクを持つと「ここ最近、僕は勝ちがあまりなくてもう終わったんじゃないかって周りの人やファンの人にSNSで言われていたんですが、これがFUMIYAです!」と笑顔でアピールした。 ▼第8試合 メインイベント第1試合 72kg契約 3分3R×MIKE JOE(フィリピン/BATTLE FIELD/TEAM J.S.A/Bigbangスーパーウェルター級王者)判定0-3 ※29-30×2、28-20〇神保克哉(K-1ジム目黒TEAM TIGER)  JOEはアマチュアボクシングからキックボクシングに転向し、MMAにも挑戦した。8月のKrushに初参戦すると、藤村大輔(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)を相手に独特な柔らかい動きでパンチをかわし、右のストレート&フックをヒットさせての判定勝ち。  神保はK-1アマチュアを経て2015年6月にKrushでプロデビュー。2019年6月にはKrushスーパー・ウェルター級王者ジョーダン・ピケオーに挑戦したことも。同年9月にはK-1に初参戦し、城戸康裕(谷山ジム)と対戦したが2R2分29秒、KO負け。今年3月には「K-1 WORLD GP第3代スーパー・ウェルター級王座決定トーナメント」に抜擢されたが、1回戦でエダー・ロープス(ポルトガル)に2R49秒、KO負けを喫している。  1R、どっしりと構えるJOEに神保はジャブを起点に、左ロー、左ミドル、右ストレートと単発ながら攻撃を当てていく。  2R、ガードを固めるJOEに神保は左右のボディ。JOEも左右フックと前蹴りを放つが、神保は打ち終わりをしっかり狙って打って行く。神保の後ろ蹴りにJOEも後ろ蹴り。  3R、JOEはジャブと前蹴り、神保は左ボディと3連打。JOEはカウンターのテンカオを上手く当てていくが、神保のストレートに仰け反る画面も。右ストレートと左フックで前に出る神保にJOEも淡々とパンチを返すが、前に出て攻め続けた神保の判定勝ちとなった。 [nextpage] ▼第7試合 セミファイナル Bigbangスーパーライト級タイトルマッチ 3分3R△昇也(士魂村上塾/王者)ドロー 判定0-1 ※28-29、29-29×2△稲石竜弥(チームOJ/元Bigbangライト級王者/挑戦者)※昇也が初防衛に成功。  昇也は昨年12月のBigbangで行われた王座決定戦を制してBigbangスーパーライト級王者となった。今年3月の『村上祭』ではMA日本ウェルター級6位・浅井悠太と激しい打ち合いをして勝利を奪っている。サウスポーから多彩な蹴り技を繰り出し、左フックを強打するタイプ。9月の『KNOCK OUT』では鈴木千裕と打ち合いの末にTKO負け。今回が初防衛戦となる。  稲石はレベルス、ビッグバン、Krushなど様々なリングを渡り歩き、3本のベルトを腰に巻いた。“変態的”と称されるトリッキーな動きが持ち味だ。2019年9月は秀樹、12月は与座優貴にそれぞれ判定負けを喫したが、今年7月のRISEではKENTAから勝利した。  1R、サウスポーの昇也の左ハイがかすめる。稲石の独特の軌道を描く左右フックに左フックで対抗し、左ミドルを蹴ると稲石が一瞬腰を落とす。立て直した稲石は左右フックを下がりながら打つ。  2R、下がる稲石は昇也が入ってくるところにパンチを合わせに行き、右が顔面とボディへ決まるたびに右手を上げてアピール。昇也はなかなか近寄ることができず、このラウンドはあまり手が出なかった。  3Rも同じく稲石は下がって昇也が前へ出てくるところを右のパンチと左ミドルで狙い撃ち。昇也が左ストレートをヒットさせると左右フック4連打を叩きつける。昇也も左ストレートを打ち抜いていく。 判定はジャッジ1名が稲石を支持したが、2名がドロー。昇也が薄氷を踏むような思いで防衛に成功した。  昇也は「稲石選手は気持ちが強くてやばかったです。再戦したいです。必ず決着を付けます」と再戦を約束した。 ▼第6試合 Bigbangスーパーバンタム級王座決定戦 3分3R延長1R×戸井田大輝(戸井田ジム/MA日本同級王者)判定0-2 ※30-30、28-30×2〇鬼山桃太朗(K-1 GYM SAGAMI-ONO KREST)  戸井田は空手をベースに持ち、パワフルな攻撃が持ち味。フルパワーのロー&ミドル、構えを左右にスイッチして放つ回転力のあるパンチ連打が目立つスタイル。2019年9月にKO勝ちで7戦無敗のままMA日本スーパーバンタム級王座に就いたが、11月のBigbangでK-1の亀本勇翔とBigbangスーパー・バンタム級王座を争い判定3-0で敗れて初黒星。8月のRISEでも良星に敗れ初の連敗を喫した。  岡山県出身の鬼山はKrushで連続KO勝利を飾っている注目の新鋭で戦績は3勝(2KO)1敗。「鬼に育てられた桃太郎」というキャラクター設定なのだという。  鬼山は犬、猿、そして雉ではなく鶏の被り物をしたセコンドを従えて入場。  1R。戸井田はステップで回り込み、ジャブと左インロー。鬼山のパンチを軽快にかわしていたが、コーナーを背負ったところで鬼山の右の大砲を浴びる。左右のショートで戸井田が大きくバランスを崩す。  2R、いきなり足を止めて左右フックで撃ち合う両者。戸井田はステップで離れる。この打ち合いで不利だった戸井田だが、右フックを3度当てて逆襲。しかし、鬼山は前へ出て攻撃の手を休めず、右の強打で戸井田を大きくグラつかせた。  3R、鬼山の左フック、右フックで頭が大きく揺れる戸井田。ステップで回り込みながらジャブを打ち、右ストレートにつなげる戸井田は右ストレートも当てに行くが鬼山の圧力に下がり気味。判定2-0で鬼山がプロわずか3戦目にして王座に就いた。  鬼山は「桃から生まれた鬼山桃太朗です。めちゃめちゃ嬉しいです。言うことを考えていたんですが忘れちゃいました。倒せなくてすいません。1Rから自分のペースに持っていけたのでよかったです。いいパンチをもらって転びそうになったんですが最後まで立っていられてよかったです。KRESTには偉大な先輩がたくさんいますが、僕も引っ張っていけるような選手になります」と勝利者インタビューに答えた。 [nextpage] ▼第5試合 ウェルター級 3分3R×政斗(治政館ジム/ジャパンキック同級1位)KO 3R 1分44秒 ※左ハイキック〇小川健晴(T.G.Y)  1R、序盤は両者静かな立ち上がりだったが、サウスポーの小川が左ストレートを連続ヒット。左右フックを打ち返す政斗だったが、やはり小川の左をもらう。  2R、いきなり勝負に出た政斗は右ストレート&左フックで前に出る。特に左フックがヒット。この猛攻に下がり続ける小川は左ミドルを蹴るが、政斗のパンチを浴びる。  3Rは両者打ち合い。政斗の右ストレート、左フックでコーナーに詰まった小川だったが、左ハイでダウンを奪う。続く左右フックのラッシュでダウンを追加し、最後も左右フックのラッシュから左ハイ。小川が鮮やかなKO勝ちを飾った。 ▼第4試合 52.5kg契約 キックルール(ヒジ打ちあり)3分3R〇奥脇一哉(エイワスポーツジム/WMC日本バンタム級2位)判定2-0 ※29-29、29-28、30-29×渡部ヒロシ(士道館ひばりヶ丘道場/MA日本フライ級2位)  渡部のパワーに押され下がり気味だった奥脇だが、2R中盤からは右ボディストレートと左ボディフックでボディを狙い撃ち。3Rラスト10秒には左右ストレートの連打と首相撲からの崩し。奥脇が判定勝利を飾り、連敗から脱出した。 ▼第3試合 バンタム級 3分3R〇鈴木太尊(谷山ジム小田原道場)判定2-0 ※29-29、29-28×2×星野航大(TORNADO)  鈴木の左ミドルに星野は左ボディで応戦。1R、2Rともに鈴木が右ストレートの連打で優勢の場面を作る。3Rは果敢に左右フックで打ち合いに行った星野だったが、追い上げならず判定2-0で鈴木の勝利となった。 ▼第2試合 88kg契約 3分3R×真島達也(谷山ジム)判定0-3 ※28-30×2、29-30〇鈴木健太郎(E.S.G)  左右フックを振り回す真島にワンツーで対抗する鈴木。2Rはお互いに右ローを蹴り合い、3Rは真島が左右フック、鈴木が右ストレートを当て合って右ローも蹴り合ったが、より右ストレートを命中させた鈴木が判定で勝利した。 ▼第1試合 ウェルター級 3分3R×松山 翔(菅原道場)判定0-3 ※28-30×2、27-30〇野村太一(K.Bスポーツジム)  前に出て手数で攻める松山に、野村は右ストレート、左フック、顔面前蹴りで迎え撃つ。3Rには松山がバッティングで右目上から流血。最後まで前に出て攻め続けるガッツを見せた松山だが、野村が右フックでグラつかせるなどヒットを多く奪い判定勝ち。
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