キックボクシング
インタビュー

【REBELS】KING強介、トーナメントで優勝して「江幡塁選手に勝ってエンドロールを迎えたい」

2020/11/06 22:11
【REBELS】KING強介、トーナメントで優勝して「江幡塁選手に勝ってエンドロールを迎えたい」

「トーナメントで負けた時点で引退しようと考えている」とKING強介

 2020年11月8日(日)東京・後楽園ホール『REBELS.67』の第6試合「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」準決勝で、ISKA K-1ルール世界バンタム級王者・小笠原瑛作(クロスポイント吉祥寺)と対戦するINNOVATIONフェザー級王者・宮元啓介(橋本道場)のインタビューが、主催者を通じて届いた。

 第5試合の「REBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント」準決勝で、元WBCムエタイ日本統一スーパーバンタム級王者・小笠原裕典(クロスポイント吉祥寺)と対戦する元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者KING強介(team fightbull)のインタビューが、主催者を通じて届いた。

 強介は2011年7月に27歳でプロデビューし、2018年2月からREBELSに参戦。2戦目でREBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王座を奪取。宮元啓介とは5Rフルに激闘を演じてドロー、小笠原瑛作には判定負け、栗秋祥梧に延長で判定勝利と活躍したが、大野貴志、HIROYUKIに連敗。一時は引退も考えたが、妻の実家の三重県伊賀市に移住。育児と介護、宮大工の仕事と慌ただしい生活の中で地元の有志とチームを結成し、格闘技ジムのない地で一から環境を作ってカムバックした。トーナメント1回戦ではタネヨシホにTKO勝ちも、9月の『ROAD to ONE』では朝陽・PK. センチャイムエタイジムに判定負けしている。

どんな環境であれ、本人次第でどうにかなる

――2月のREBELS-RED 55.5kg級王座決定トーナメント一回戦を振り返っていただきたいと思います。右のカーフキックでタネヨシホ選手を2RKOしました。

「幸いKO勝ちできましたが、元々カーフキックでのKOは狙っていなかったんです。作戦としては、上下に散らして削っていき最後にパンチで倒すというものだったのですが、それがうまいことはまってああいう形で終わったのでラッキーでした。ちなみに練習ではカーフキックを使うのですが、あれでまさか倒れてくれるとは全く思っていませんでしたね。昨年に二連敗していた中でいいオファーをいただいて、僕でいいのかなと思っていましたが、こうやって主催者の期待通りの役割を果たすことができたので良かったです」

――今も練習環境は三重に?

「二連敗したぐらいの去年9月ぐらいに神戸から嫁の実家の三重に移住しました。今は4人の子供がいて、神戸にいた時に結果を残せずこのまま引退しようと思ったのですが、山口代表からいいお話をいただいて最後に一花咲かせようかなと。このままじゃアカン、家族が傍にいた方がより集中できて力を発揮できると思ったので三重に移住を決意しました。練習はほとんど自分一人だけなんですが、team fightbullというチーム名でボクシングジムを間借りして週一、二回の練習を続けています。それ以外は出稽古を中心に、京都の野口ジムや大阪の山口道場に行っています」


(写真)トーナメント1回戦ではタネヨシホをカーフキックでKO

――最後に一花咲かせるということは、もう引退も考えてのトーナメント参戦であると。

「そうですね。トーナメントで負けた時点で引退しようと考えていて、家族にも伝えています。奥さんはこれ以上やるな、辞めないでとも言わず、『あんたが決めたことなんやろ?』というだけですね(笑)。子供たちは僕のやっている姿を見て喜んでくれますし、格闘技自体に興味を持って接してくれ、会場でも一生懸命応援してくれます」

――仕事もされているんですよね?

「神戸にいた時は大工の仕事を続けながら単身赴任でした。三重に来てどうせ環境が変わるなら全部挑戦していくものにしようと宮大工(神社仏閣の建築や補修に携わる大工)の仕事を1からスタートしたのですが、それが辛くて辛くて……(苦笑)。今までの大工の仕事とは全く別物で、周りは昔ながらの職人さんばかりで全くやり方を教えてくれませんし、見て習えという感じなので、見たことを元にやり始めても怒られるという負の連鎖なんです。毎日怒られて地獄の日々を送りながら『俺は何をやっているんだろ? もう投げ出したろかな』と思いながらも生きています。けれども、ここで投げだしたら終わりなので、クビになるまで頑張ろうかなと。

 練習と仕事の両立をしないといけないという凄く難しい状況下ではあるのですが、自分で決めてやり始めたことなので最後までやり切ろうと思います。負けて次がある若い選手たちとは違って、僕は負けても後がない年齢なので一戦一戦大事に戦うだけです。ちなみに、最後の挑戦ということでジム移籍を考えたことはありません。環境が良ければ堕落することもあるでしょうし、必ずいい結果が得られるとは言えません。どんな環境であれ、本人次第でどうにかなるものなんです。それが一回戦の結果につながったんだと思います。僕はどちらかというとエリートではありませんし、恵まれた環境ではないからこそ考えてやることに意味があるのかなと。這い上がっていくストーリーの方が自分には合っています」


――格闘技と今のお仕事と通じるものがあるんですね。ちなみに1日のスケジュールを教えて下さい。

「朝6時ぐらいに起きて仕事に行き、だいたい夜の8時ぐらいに終わります。そのまま練習に行き、夜中の1時ぐらいに帰宅するといった毎日です。宮大工の仕事は日曜休みなので、その時は時間をたっぷり使ってできる練習をしています。神戸に住んでいた時よりも家族といる時間が多いので今の環境の方がいいですね。僕自身が家族依存症なんですよ」

――試合の話に戻しますと、次に対戦する小笠原裕典選手の印象を教えて下さい。

「トータルバランスに凄く優れた選手だと思います。フィジカルが強くガードも硬い。相手の隙を見て、ヒジ、パンチ、ヒザと色んな攻撃をしてくるので凄く厄介な相手だと思います。僕は出入りが得意なのでそこで攪乱しようと思っていても、今までに小笠原瑛作選手、栗秋祥梧選手、炎出丸選手とクロスポイント勢と対戦経験が多いので色んな作戦を考えてくるでしょう。裕典選手は頭がいい選手なのでどういう作戦でくるのかが楽しみでもありますね。普通にやれば……僕の判定負けです(笑)」

――普通には戦わないと(笑)。決勝戦では宮元啓介選手と瑛作選手のどちらとやりたいですか? 過去に宮元選手とはドロー、瑛作選手には判定負けしています。

「そうですね。どちらにも因縁があるのでどちらでも構いませんし、どう転んでも僕にとってはやりがいがあります。僕は進化し続けているので、以前の僕とは違うイメージでいた方がいいですよ」

――ベルトを獲ったらその先のことも考えてますか?

「今回、REBELS-RED王者になって、KNOCK OUTチャンピオンの江幡塁選手へ挑戦したいですね。そこで江幡選手に勝ってエンドロールを迎えたいと思います」

取材 安村発

(プロフィール)
KING強介(team fightbull) King Kyosuke
元REBELS-MUAYTHAIスーパーバンタム級王者
1984.6.6生/兵庫県神戸市出身/36歳/163cm/オーソドックス/36戦17勝(9KO)17敗2分

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