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2020年9月12日(日本時間13日)米国ネバダ州ラスベガス「UFC APEX」にて、「UFC Fight Night: Waterson vs. Hill」が開催された。
UFC Fight Night: Waterson vs. Hill
【メインイベント】
▼女子ストロー級 5分5R
○ミシェル・ウォーターソン(米国)115lbs/52.16kg
[判定2-1] ※47-48、49-46、48-47
×アンジェラ・ヒル(米国)115.5lbs/52.39kg
女子ストロー級8位のウォーターソンと13位のヒル。メインイベントに予定されていたチゴ・サントスvs.グローバー・テイシェイラがテイシェラの新型コロナウイルス陽性により、中止に。ヒルとウォーターソンの試合が繰り上がりメインとなった。
1R、ともにオーソドックス構え。右のオーバーハンドで牽制するヒル。ジャブを突くウォーターソンはインロー。しかしそこを詰めるヒルは右ストレート。内側に頭を傾けかわすウォーターソンは左で差して組み付くと、右に差し替えるが突き放すヒル。
ウォーターソンの右ローに右オーバーハンドを合わせるヒル。ウォーターソンの組みをいなしていく。スイッチしての左ハイはウォーターソン。右で差して組むが、ここもヒルは許さず。右から左右と3連打はヒル。ウォーターソンも右前蹴りを突く。左で差して頭をアゴ下に付けるヒル。離れ際にヒジを狙う。右サイドキック、左ミドルを当ててブザー。
2R、ジャブの刺し合いはウォーターソンが先に当てる。左ミドルはヒル。さらに前蹴り。ウォーターソンはヒザを触りに行くが深追いせず。ワンツーから右ローに繋ぐ。打ち合いからカウンターの右フックを当てるヒル! ウォーターソンのテイクダウントライは切る。シングルレッグで足をつかむも、片足立ちから足を抜くヒルが金網に押し込みヒザ蹴り。突き放すウォーターソンも右ストレートをヒット! 詰めて近い距離でヒジを突くヒル。踵落としも。
3R、細かいステップを踏み、前に出るヒルをサイドにかわすウォーターソン。ヒルは左ジャブ。右オーバーハンドをガード上に叩くウォーターソン。右で差して小外がけでついにテイクダウンを奪う! ハーフガードから徐々に上っていくウォーターソン。ヒルの立ち上がり際にバックを狙うが、ヒルは正対で下に。ヒザを押して足を抜こうとするウォーターソンに両足を戻すヒル。蹴り上げで距離を取るが、アゴに当たり、注意を受ける。
4R、ウォーターソンの組んでのテイクダウンを、回して金網に押し込むのはヒル。左ジャブを当てるウォーターソン。ヒルも左ハイ、詰めてボディロックから右で小外がけでテイクダウンを狙うウォーターソンだが、一瞬バランスを崩しながらも倒れないヒル。前に出るとウォーターソンは右の高い前蹴りをアゴに突く。今度はヒルが左で組むがウォーターソンも崩されず。
5R、左ジャブダブルから右ローはウォーターソン。ヒルが打ち気になったところにシングルレッグに入るが、切るヒル。右のサイドキックをジャブ代わりに使うウォーターソン。詰めて右アッパーはヒル。サウスポー構えから前足の右でサイドキックはウォーターソン。左ミドルで前へ。右ボディストレートから右を振り前進するウォーターソン。サウスポー構えからオーソに戻す。シングルレッグは切るヒルだが手数が減ってきた。左フックを当て、右ストレートを突くウォーターソンは踵落とし。かわすヒルだが、声を挙げてのワンツーローはヒル。しかしウォーターソンも金網まで押し込み、首相撲からヒザを突きブザー。
判定は47-48、49-46、48-47のスプリットでウォーターソンが勝利。中盤からサウスポー構えに変えて右の前足で顔面、ボディに突いた打撃がリプレイに映し出された。
接戦を制したウォーターソンは試合後、公式インタビューで、「長く戦っているので本当に大変……負けから抜け出すのはずっと坂を上る気分だし、少しも満足できないこともあるから、やっと満足できるのは嬉しい。もうどこにも行けないんじゃないかと思うこともある。タップアウトして次のレベルに行くこともある。自分を信じないといけないの。自分のスキルを、能力を信じる必要があるし、必ずそこに辿り着けると自分の体を信じないとそこに行けない。マウスピースを噛み締めて頑張るしかない」と、自信を持って戦うことの難しさを語ると、判定が2-1と割れたことについて「スプリット判定を聞くのは嫌いだけど、もっと前進できるように踏ん張れると思っているし、自分が“あと少し”を求めてしまうのも分かっている。正直、もっと楽に彼女をテイクダウンできると思っていた。彼女のディフェンスは本当に凄かったし、ケージワークも本当に良くて、今回の試合は立ち技の力に頼るしかなかった」と、予想以上にヒルのテイクダウンデフェンスが強かったことを語っている。
さらに「試合に勝つというプレッシャーを(自分に)かけたくない。試合に臨んで、流れを掴むことにもっと力を込めたいし、ダメージを与えることに力を注ぎたい。だって結局、そういうものだから」と、本質的に強くあることを望むウォーターソンは、今後について、「私見だけど、女子ストロー級はUFC女子のロースターの中で一番スタックしている階級だと思う。(タティアナ)スアレスの負傷、ニーナ(アンサロフ)の妊娠とかがあって、トップが停滞気味。できるだけ早くトップに行きたい。ちょっと長くかかっているから、本気で辿り着きたいと思っている」と、トップ5に割って入ることを誓った。
【セミメインイベント】
▼ライト級 5分3R
○オットマン・アツァイター(モロッコ)156lbs/70.76kg
[1R 1分33秒 TKO]
×カーマ・ワーシー(米国)155.5lbs/70.53kg
ワーシーの左ローにカウンターのワンツーを効かせたアザイターが左フックを効かせて、左ボディ、右アッパーでラッシュ。ダウンしたワーシーをパウンドウアウトした。
アツァイター「リスクを犯さなければ、みんなのハートは勝ち取れない」
「あまり考えすぎないようにして、考えをすべてシャットアウトしたんだ。とにかく試合に集中する。結局、戦いだから。ダンスするわけじゃなし、遊ぶわけでも、他の何かをするわけでもない。試合の前も試合の後も、お互いにリスペクトできる。試合が終わった直後に、握手したようにね。リプレー映像は彼と一緒に見たくらいさ。でも、試合中は何も考えない。ベストを尽くすためにできることをやるだけ、この試合のために6カ月から7カ月も頑張ってやってきたことを出せるように。UFCにセミメインイベントとして戦うチャンスを与えてもらい、俺たちの試合をものすごく信じてくれたってことだと思っているから、本当に感謝している。ファンも、この試合を見たかったと思う。すべてのUFCファイターがUFCとファンに感謝を伝えるのはそういうわけだ。
最初からノックアウトしたかったとは言わない。でも、少なくとも、みんなが見たがっていることはやりたいと思った。戦いも、強打も、流血さえもね。みんなをワクワクさせないといけない。スコアのポイントをつけるだけなら、もっと安全な試合にだってできるし、気をつけてリスクを犯さないっていうのならもっと安全だけど、俺たちはリスクを犯さなければならない。リスクを犯さなければ、試合には勝つかもしれないけど、みんなのハートは勝ち取れない。それが大きな違いさ。いつでもいいよ。今回の試合では怪我がない。試合前にも言ったけどね。すべてがうまくいって、怪我がなければ、あとは兄弟とマネジャーの決断次第。次にどうするかは教えてもらうだけ。俺はなんに対してもオープンだよ」