キックボクシング
レポート

【RISE】軽量級最高峰の対決で大崎一貴が王座奪取、狂犬vs反抗期は3度ダウン奪った前口太尊の勝利

2020/09/04 13:09

▼セミファイナル(第7試合)スーパーフェザー級(-60kg)3分3R延長1R
×森本“狂犬”義久(BRING IT ONパラエストラAKK/フェザー級2位)
判定0-3 ※26-29、26-29、25-29
〇前口太尊(TEAM TEPPEN/元J-NETWORKライト級王者)


 森本は空手出身のアグレッシブファイターで、パンチ、ハイキック、ヒザ蹴りとどの技でも倒せる破壊力の持ち主。15勝のうち10勝がKOで、この数年間RISEを盛り上げてきた主力選手の一人だ。昨年、篠塚辰樹との因縁対決を制したが7月の『ONE』でジョシュ・トナー、9月のRISE幕張大会でタリソン・ゴメスに判定負けを喫し2連敗中。階級を上げて約1年ぶりの試合に臨む。


 前口は2010年4月にプロデビューし、同年のJ-NETWORK新人王に。2013年8月にはJ-NETWORKライト級王座を獲得した。パンチを武器にトップクラスで活躍し、近年は『KNOCK OUT』を主戦場に。TEAM TEPPENへ移籍し、7月にRISE初参戦。5連敗と厳しい状況だったが11月に初代WBCムエタイ日本統一フェザー級王者・氏原文男から勝利を収め、連敗をストップした。前戦は2月のシュートボクシングで笠原弘希にTKO負けを喫したが、アグレッシブなファイトで会場を沸かせた。


 1R、アグレッシブに仕掛けていくのは前口。ローの蹴り合いからパンチとバックスピンキックを狙う。森本の右ストレートがヒットして後退したかに見えた前口だが、右アッパーの連打で前に出ると意表を突くバックハンドブローでダウンを奪う。さらに右の連打で攻め込みヒザ蹴り、右ショートを決めてダウンを追加した。


 2R、逆転を狙って最初から打ち合いを挑む森本を前口は左右フックでなぎ倒すようにダウンを追加する。さらに右のパンチで攻め込む前口の猛攻に森本はKO寸前となるが、前口の右を何度もらっても闘志溢れる表情で打ち返す。そして攻め疲れたか前口が失速すると、森本はボディへのパンチとヒザ蹴りで逆襲。コーナーやロープ際に詰められる前口だが、それでも打ち返して右でヒットを奪う。


 3R、森本は逆転を狙って左右の連打と飛びヒザ蹴り、ハイキックを放つが、前口は耐えて打ち返す。森本のラッシュに逆転の予感で大きく沸きあがる場内。コーナーに詰まる前口も猛攻に耐えて右フックの打ち返しをヒットさせ、さらにクリンチと必死の抵抗。打ち合いは最後まで続き、熱闘は合計3度のダウンを奪った前口の大差判定勝ちでピリオドが打たれた。


 大喜びの前口は「ヤバいよ。狂犬の右ストレート怖かった。大爆発にはならなかったけれど、彼のおかげでここまで盛り上げられました。今月34歳なんだけれど、そう見えないでしょう? 60kg落ちるのでこれからどんどんやって、チャンヒョン・リーとやりたいと思っているのでラストチャンスをください」と、RISEスーパーフェザー級王者に挑戦したいとアピールした。

▼第6試合 スーパーフライ級(-53kg)3分3R延長1R
×奥脇一哉(エイワスポーツジム/同級6位、元REBELS-MUAYTHAIフライ級王者)
KO 1R 2分32秒 ※右ハイキック
〇大﨑孔稀(OISHI GYM/WMC日本スーパーフライ級王者、J-NETWORKスーパーフライ級王者)


 大崎孔稀はメインに出場する一貴の弟で20勝5敗1無効試合の戦績を持ち、20勝の内14勝がKO勝ちという攻撃力の持ち主。パンチ、蹴り、ヒジ、ヒザいずれでもKOできる破壊力を持ち、タイ人と渡り合うテクニックも持っている。特にボディブローは強烈。RISEには2019年11月大会に初参戦するも政所仁にダウンを奪われて敗れた。今回は約10カ月ぶりの再起戦に。


 奥脇はジュニアキック出身で2016年1月にREBELS-MUAYTHAIフライ級王座に就いたが、その後は不調が続き勢いに乗れていない。前戦は6月の『BOM』で中村空にKO負けを喫しており、持ち前のアグレッシブさで再浮上を狙う。


 1R、大崎は左右のローと左ミドル。奥脇も右ローとジャブ。大崎が左右ハイを放つと、奥脇はパンチで前へ出てくるが大崎が右のスイングフックで迎え撃つ。パンチを増やして前へ出る大崎が左フック、右ストレートでヒットを奪い、テンカオと三日月蹴りをグサリとボディへ。


 コーナーに詰まった奥脇が右フックを放ってきたところへ大崎が右ハイを合わせ、これがジャストミート。奥脇がバッタリと倒れ、レフェリーは即座に大崎のKO勝ちを宣した。


 戦慄のハイキックでKO勝ちした大崎は「今回はコロナで大変な時期ですが、観客を入れて応援してもらえて。久しぶりの試合で緊張していたんですが、一番いい形で勝ててよかったです。メインで兄ちゃんがタイトルマッチあるので、いい形でつなげたので必ず勝つと思います」と、メインの兄へバトンを渡した。

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