2Rに左フックでダウンを奪った大崎が3分5R変わらない安定したペースで戦い続け、田丸から王座を奪った
「RISE 143」
2020年9月4日(金)東京・後楽園ホール
▼メインイベント(第8試合)RISEスーパーフライ級(-53kg)タイトルマッチ 3分5R無制限延長R
×田丸 辰(TRY HARD GYM/王者)
判定0-3 ※47-49、47-49、47-50
〇大崎一貴(OISHI GYM/初代WMC日本フライ級王者、LPNJフライ級王者/挑戦者・同級1位)
※大崎が第2代王座に就く。田丸は2度目の防衛に失敗。
軽量級最高峰のカードがタイトルマッチで実現。
田丸はジュニアキックボクシング出身で、卓越したボクシング技術とディフェンス能力でプロデビュー後は10戦全勝(2KO)と無敗の快進撃を続けてきたが、2019年9月にRISEバンタム級王者・鈴木真彦とRISE王者対決を行い延長戦の末に初黒星を喫した。所属ジムを変えて7カ月ぶりの再起戦となった7月のMASAKING戦では判定勝ちで再起を飾っている。今回が2度目の防衛戦。
大崎はタイ・ルンピニースタジアムで8連続KO勝利を飾り、同スタジアム王座に挑戦したこともある。2018年には「KING OF KNOCK OUT初代フライ級(51kg)王座決定トーナメント」で準優勝。2019年8月には『RIZIN』に初参戦し、瀧谷渉太から2度のダウンを奪って勝利している。RISEには2月大会で初参戦し、連勝中だった風音からダウンを奪って勝利。7月大会ではスーパーフライ級1位の政所仁との接戦を延長戦の末に制し、今回の挑戦となった。
1R、両者ローとハイを蹴りつつパンチを狙う展開。サウスポーの田丸はガードを下げて大崎を誘うが大崎は乗らない。田丸はフェイントを駆使。右フックをお互いにヒットし合う場面もあったが、静かな出足となった。
2R、ワンツーを放つ田丸に大崎は左ロー、右インロー。ロープを背負った田丸が屈んで大崎のパンチをかわすと、大崎は右アッパーを突き上げての左フックでダウンを奪う。立ち上がった田丸は焦ることなく冷静にジャブを突いていった。
3Rも冷静な田丸はジャブと強い右ローを蹴ってコツコツと攻める。大崎は圧力をかけながらロー、ハイと蹴りを散らす。左ストレートを狙う田丸だが、大崎はヒットを許さない。コーナーに詰まった田丸へ大崎が連打を放つと田丸は打ち合いには応じずテンカオを突き刺す。
4R、田丸は大崎の蹴りにワンツー、左ストレートを狙っていく。ハイも蹴っての逆転を狙うが、大崎は全くペースを変えずに蹴られたら蹴り返す。強いローで田丸の身体が傾くシーンも。
5R、大崎の右フックにアゴが上がる田丸。パンチを狙っていく田丸だが、大崎はペースを変えずに前足へローを狙い撃ち。田丸は効いてきたかバランスを崩す。田丸がハイを蹴れば大崎もすかさず蹴り返してポイントを譲ることなく、最後まで安定したペースで戦い抜いた大崎が判定勝ち。田丸の牙城を崩して見せた。
大崎はマイクを持つと「試合見てくださったり、応援してくれてありがとうございます。前回の政所選手との試合内容がよくなくて、このままでは田丸選手に勝つのは難しいと思ったんですが、会長を始め(大石)駿介君、(小川)翔君、孔稀…たくさんの仲間や先生に練習を見てもらって勝てて凄く嬉しいです。今まで育ててくれたお母さんや会長に少し恩返しできたと思います。孔稀がいい形でつなげてくれたので凄く気合いが入ってつらいところでも踏ん張れました。これからRISEの王者として勝ち続けたいと思います」と、多くの人へ感謝の言葉と王者としての目標を語った。