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レポート

【ZST】 IGLOO米倉が八田をヒールで極める! イゴールもレダにヒール一本勝ち=8.30「BH07」

2020/08/30 05:08
 2020年8月30日(日)、GENスポーツパレスで「BATTLE HAZARD07」が開催された。  夜大会前の昼大会のメインイベントでは、「GTF.4」を全試合秒殺で制したIGLOOの米倉大貴が、元ZSTフライ級王者の八田亮と(ストライプルオハナ)とGTルールで激突。米倉が内ヒールフックで一本勝ちを極め、松本義彦との対戦をあらためてアピールした。  他にもGTルールでの注目試合、日本初のコンバットGTFルール、KOKルールや旧リングスルールを元にしたRXルールなど、様々なルールが設定された実験的な大会となった。 BATTLE HAZARD 07 2020年8月30日(日)GENスポーツパレス13:30開場 14:00開始 ▼第8試合 メインイベント マリオンアパレル presents GTルール 60kg以下契約 10分1R○米倉大貴(IGLOO)[1分10秒 ヒールフック] ※内ヒール×八田 亮(ストライプルオハナ)  昼大会のメインイベントでは、7月の「GTF.4」を全試合秒殺で制したIGLOOの米倉大貴が、元ZSTフライ級王者の八田亮と(ストライプルオハナ)とGTルールで激突。  米倉は2019年DUMAUJAPANCUPNOGIのダブルゴールド。IGLOO軽量級の雄で、『GTF.4』でも3試合をすべてヒールフックで一本勝ちしているフットロッカーだ。  対する八田はZST本戦やPANCRASEでも活躍するなど、MMAのなかで柔術を駆使し、独自の技術体系から打撃ありの試合でスイープ、フロントからのギロチンショークなどを極めている寝技師。GTルールのなかでいかに持ち味を発揮するか。  シッティングガードの米倉は下から足関節狙い。ヒザを押し回転して早めに足を抜いていく八田に、米倉はストレートフットロック(アキレス腱固め)。それをうつ伏せになって抜く八田の足を持って上を取る米倉は、右足を中に滑らせてふくらはぎに当て、八田の回転を制してから右足を右脇に抱えて、内ヒールフックに! 八田がタップした。  試合後、米倉は「結果は練習していた内ヒール極められて良かったです。(八田選手のお店で祝勝会?)明日、行きます。松本(義彦)選手と試合させていただきたいです。IGLOO、最強です!」とマイクアピールした。 [nextpage] ▼第7試合 GTルール 90kg契約 7分1R○イゴール タナベ(IGLOO)[1分 4分04秒 ヒールフック] ※内ヒール×レダ メブトゥシュ(CARPE DIEM)  GTFルールでは『GTF.4』90kg以下トーナメントをオール腕十字一本勝ちで優勝したイゴール・タナベ(IGLOO)と、同トーナメントの優勝候補と言われながらも1回戦で谷口の“びっくり技”に敗れたレダ・メブトゥシュ(CARPE DIEM)が対戦する。  先にジャンピングガードで引き込んだのはイゴール。腕を抜くレダはバランスを崩し下になるもディープハーフからバックテイクに成功する! チームの応援・拍手もあり、互いに面子を賭けた必死の攻防が続く。バックにつきながらもコーナー際で前方に落とされたレダ。ストップドントムーブで中央から再開。  最後はイゴールがサドルロックから内ヒールを極めた。試合後、息子とリングで記念撮影したイゴールは、「2週間前にヒザを怪我して欠場も考えましたが、三重から両親も来て、練習はできなかったけど気持ちで戦いました。山田崇太郎選手と戦いたいです」と語った。 ▼第6試合 エキシビション-房野哲也(リベルダージ)-長野将大(リバーサルジム武蔵小杉 所プラス)平田真徳(ALLIANCE)※平田が脱水症状で欠場、急遽、長野が出場しエキシビションに  KOKルール(グラウンドでのパウンド無し)では、房野哲也と平田真徳が激突の予定が、平田が減量中に脱水症状となり欠場。代わりに長野が出場し、房野とノンストップの攻防を繰り広げた。 [nextpage] ▼第5試合 GTタッグ王座挑戦者決定戦 合計135kg以下契約 15分3 本勝負△山中健也(IGLOO)&岩本健汰(IGLOO)[時間切れドロー]△森戸新士(藤田柔術)&高橋サブミッション雄己(和術慧舟會HEARTS)  グラップリングなど多様なルールの試合が組み込まれている『BATTLE HAZARD』では、2015年5月の第2代GTタッグ王者決定トーナメントで優勝し、タッグ王座に就いている宇野薫(UNO DOJO)&植松直哉(Nexusense)組への「タッグベルト挑戦者決定戦」として、山中健也(IGLOO)&岩本健汰(IGLOO)vs. 森戸新士(藤田柔術)&高橋サブミッション雄己(和術慧舟會HEARTS)の一戦が決定。  ZSTのグラップリングトーナメントでも猛威を振るっているIGLOOから、山中&岩本の黄金コンビが名乗りを挙げたことで、ZST勝村プロデュサーは「誰も相手が出ないかと思われていたところ、広島の森戸が立候補。そしてパートナーには高橋サブミッション。即席タッグだが一発のある高橋に、昨年柔術ルールで山中に一本勝ちしてる森戸。激闘必至」と期待を寄せている。  森戸の蟹挟み狙いを潰す先発の岩本一人で、3回タッチをさせるIGLOOチーム。岩本の内・外のヒールフックで高橋にタッチ。高橋も岩本の外ヒールに再び森戸にタッチ。岩本はそのままリングに残る。森本は岩本の外ヒールに立ち上がって高橋に繋ぐ。岩本も山中にタッチ。山中のアタックを凌ぐ高橋。ヒールに高橋のストレートフットロック、山中のパス狙いを跳ね上げ足スイープを狙う高橋。山中も際で上に。タッチした森戸はIGLOOの足関節を潜らせず。試合は時間切れドローに。 高橋「互いにドローということで見ごたえのないものを見せてしまいましたが、宇野薫さんに挑戦したいです」 森戸「広島から来たので一本取りたかったのですが、次あればぜひ宇野さんと植松さんと戦いたいです」 岩本「勝つ気で来たんですけど、ドローになりました。これからもこのタッグほど強いチームは実力的にはないと思うので、タッグチームチャンピオンになって海外にも挑戦したいです」 山中「モッティーと練習して勝つ気でいたんですけど、引き分けで曖昧な結果になりました。このまま練習を続けて今度はちゃんと一本で勝ちたいです」  11月13日、宇野&植松組に挑戦するのはどちらになるか。勝村プロデューサーは「持ち帰って検討したい」と語った。 [nextpage] ▼第4試合 GTルール ストロー級 7分1R△杉内由紀(ポゴナクラブジムさいたま支部)[時間切れドロー]△伊澤星花(高本道場)  杉内は2019年4月の「QUINTET FIGHT NIGHT 3 in TOKYO─Female Open Team Championship 2019─」で、池本美憂、杉本恵、長野美香を相手に3人抜きの一本勝ちを極めている実力者。  対する伊澤星花はデビュー戦。2012年のレスリング全国中学生選手権女子57㎏級で優勝するなど、中学時代から柔道とレスリングの二足の草鞋を履いてきた。現在は高本道場所属で、出稽古では渡辺華奈、青野ひかるらとも練習を積んでいる。  女子のGTFルール戦に勝村プロデュサーは「この試合が盛り上がれば女子にも力を入れていきたい」と語っている。  シッティングガードの杉内は下から外掛けヒール、足関節狙い。ロールして足を抜く伊澤は、かつぎパスから腕十字狙いも杉内はすぐに体を起こす。最後は伊澤のアンクルと杉内の内ヒールのかけあいで時間切れドローに。  試合後、杉内は「伊澤選手が思ったよりも強くて、デビュー戦とは思えなかったです。女子トーナメントをやってくれたら絶対勝ちます。目標はちょっと強みのおばちゃんになることです」とコメント。  伊澤は、「十字で極めきれたかったけど(杉内は)エスケープがすごくうまかった。応援ありがとうございます。ほんとうは毎日毎日、勝利者インタビューの練習をしてたんですけど(笑)。目標は総合格闘技で世界一になることです」と挨拶した。リング上で両者にインタビューした勝村プロデューサーは女子GTFトーナメント開催に向け前向きに動いていくことを語った。 [nextpage] ▼第3試合 コンバットGTFルール フェザー級 7分1R○寒河江寿泰(トイカツ道場/今成柔術)[6分52秒 ヒールフック]×清水俊一(総合格闘技宇留野道場)  エディ・ブラボー率いる「EBI」で有名な「コンバット柔術」同様に、「グラウンドでの掌底あり」の「コンバットGTFルール」で、フェザー級で寒河江寿泰(トイカツ道場/今成柔術)と、元UFCファイターの清水俊一(総合格闘技宇留野道場)が対戦。  勝村プロデュサーは「コンバットGTF、面白いと思う。本家(コンバット柔術)もグラップラーがこのルールで戦うイメージだけど、ZSTでは最初から掌底でKO狙いだけの選手とかにも出てきてほしいなー。MMAファイターカモン。あとはリトアニアから選手呼べたら面白いだろうな」と、この試合を皮切りに、さらなるMMAファイターの参戦を望んでいる。  清水はスタンドで猫だましで顔前で両手を叩く。ダブルレッグから引き込む清水に寒河江はパスガードからマウント、掌底。さらに下からの潜り、前転して足関節を狙う。サドルロックを逃れる清水。今度は清水がボディロックテイクダンからバック狙いも寒河江は正対。スタンド。上をキープせずに下でも勝負し、引き込み際に掌底を狙う清水。しかし寒河江はクロスヒール狙いから内ヒールフックで、終了8秒前にタップを奪った。 [nextpage] ▼第2試合 RXルール(旧リングスルール)10分1R○松本大輔(IMNグラップリング)[7分41秒 キムラロック]×飯塚 優(プロレスリングHEAT-UP)  ZSTにも参戦しているプロレスラーの飯塚優(プロレスリング HEAT-UP)がリングスルールで、グラップリングを得意とするプロMMAファイターの松本大輔(IMN グラップリング)と対戦。RXルールは掌底あり、ロープエスケープが3回まで許されている。  サウスポー構えの松本は左ロー。レガースにシューズ直用の両者。先にポジション奪いキムラでエスケープ奪う松本は、飯塚のボディロックテイクダウンマウントにも足を戻し下から靴のある足にヒールフックを2度極め3度のエスケープを奪うと、最後も飯塚のマウントを返してパスガード。頭つきのキムラロックを極めた。▼第1試合 ルール当日発表△平 信一(綱島柔術)[時間切れドロー]△谷口 実(RBアカデミー)  平信一vs.谷口実の異色カードも決定。勝村プロデュサーが、「ZSTらしいというかバトルハザードらしいカードをぶっこみました。みんな大好き“ミノルロック”の谷口くん! いろんなカードを思いつきましたが、そこに食いついてきたのが、まさかの元ZSTライト級王者の平信一。はい、狂ってます」と記す通り、ルールはまさかの当日発表だという。 “暴走柔術”こと元ZSTライト級王者の平は、2020年7月24日の「PANCRASE 316」で、葛西和希(マッハ道場)と対戦し、自ら仕掛けた豪快なジャーマンスープレックスで頭・肩を打ち、動けず。先に立ち上がった葛西のパウンドを浴び、TKO負けを喫したばかり。無差別級でも戦う、アグレッシブなファイターだ。  対する谷口も注目のグラップラー。平の試合の2日後の26日に行われたZSTのグラップリングトーナメント「GTF.4」で、谷口は90kg以下トーナメントに出場。1回戦で柔術の名門・CARPE DIEMの強豪レダ・メブトゥシュを相手に、まさかの4分20秒、フットロックで勝利している。  この試合でレダからヒザ十字、外ヒールなどを仕掛けられた谷口は、ディープハーフへ移行すると、なんと両足でレダの足首を極めるアンクルホールドでタップを奪い、大番狂わせを起こしている。  優勝候補から一本勝ちした谷口の試合はネットで生配信されたが、解説席も騒然。「いったい何が起きた?」「どこがどう極まった?」とざわつくばかり。世界をネットが網羅している現代において、未知の強豪や未知の技などありえないと言われるなか、秘技を磨き、大一番で極めてみせた。  しかし、続く2回戦で谷口は、2019年全日本ノーギ優勝のグラント・ボグダノフ(KUSSANO TEAM)のヒザ十字からのトーホールドであっさりタップするなど、ほんとうに「足関節のスペシャリスト」なのか、「一発屋」なのか、定かではない“未知強”だ。果たして平との試合で、さらなる「僕しか知らない足関節技」が炸裂するか !? ネット上では「ノゲイラがPRIDEでスピニングチョークを極めた翌日に全国の道場で皆んながこぞって真似してる現象を思い出す」などのコメントも並び、すでに世界中のグラップリングサイトやグラップラーが“ミノルロック”の分析を始めている。次戦にも注目が集まるところだ。  組み技師同士の対戦。何と注目のルールはキックルールに。1Rともにオーソドックス構え。距離を詰める平は左右フック。距離を取りたい谷口は右ローを当てるも、詰める平が右アッパー、連打に息を切らし、谷口の反撃に合うも、左右連打でコーナーに詰めてスタンディングダウンを奪う。2Rも詰める平だがスタミナ厳しく、谷口もボディ打ちで反撃。平がオーバーハンドで詰めるも決めきれず、時間切れドローに。ダウンは奪ったもののフィニッシュできなかった平は悔しさと疲労で両ひざをマットに着いた。
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