5月6日、東京・後楽園ホールで開催される修斗プロ化30周年記念大会「SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 30周年記念大会」の決定対戦カード発表会見が3月20日、都内シャトーアメーバにて行われた。#shooto0506
修斗とONEの提携により、「2019年1月以降に新たにプロフェッショナル修斗世界王座を戴冠した選手は、自動的にONE Championshipの契約選手になることができる」との発表が1月25日になされたが、20日の会見では坂本一弘サステイン代表が「基本的には契約が残っていないチャンピオンと他団体との契約がクリアになっている王者がONEと契約が結ばれる」との見解をあらためて示した。
王者・扇久保博正vs挑戦者・清水清隆が正式決定
5.6 決定対戦カード第1弾は、世界フライ級チャンピオンシップ 扇久保博正(王者/パラエストラ松戸)vs 清水清隆(挑戦者・同級1位/TRIBE TOKYO M.M.A.)。
2018年開幕戦で前田吉朗との“兄弟弟子対決”でKO勝利し、ケージから王者に挑戦表明していた清水清隆。試合後に扇久保博正をマットに呼び出し「天下を取り損ねた男、宜しくお願いします!」と清水が叫ぶと、「5月6日に待っています」と応えていた王者・扇久保。今や修斗を代表する“KING OF KING”と呼ばれる扇久保と、連勝で波に乗るトップコンテンダー・清水とのビッグファイトが正式決定した。20日の会見での両者のコメントは以下の通り。
◆扇久保博正「清水選手は連敗から這い上がって連勝してきた凄く底力がある選手。今は清水選手を倒すことしか考えていない」
「修斗の30周年という素晴らしい機会に清水選手とタイトルマッチができることを素直に嬉しく思います。修斗のタイトルマッチは自分のなかでは人生で一番大事な日になると思っているので、すべてをかけて清水選手と戦って勝ちたいと思います。
(清水の「2RでKOで倒す」発言について)いやいや、1RでKOするので。多分、やられない。清水選手のパンチは当たっても効かないと思います。
(清水の「1Rは様子を見て、2Rで倒す」発言に)まぁ、(様子が)見える前にやっつけますよ。
(清水の最近の勝ち上がりについて)一時期、6連敗か7連敗してきたことがあって、そこから這い上がって連勝してきました。そういう選手は凄く底力があって強いと思っています。素晴らしい選手だと思います。
(2018年7月RIZINでの堀口恭司戦の判定負け以来、試合間隔があいたが不安は?)それはやってみないと分からないです。怪我もありましたし、まぁ大丈夫だと思います。
(ONEとの提携もあり、今回防衛した後は?)今は清水選手を倒すことしか考えていないです。その後のことは何も考えていない」
◆清水清隆「外様で全日本アマ修も戦っていないけど、円熟期を迎えて最高の相手と最高のタイミングでタイトルマッチを組んでもらった。2RでKOします」
「前回、(練習仲間だった)前田吉朗との試合があって、自分のなかではそれが一番、心の中ではしんどい試合だったので、タイトルマッチは2RでKOします。チャンピオンも言っていた通り、自分も全身全霊をかけて戦って勝って、ベルトを頂きます。1Rは様子を見て、2Rで倒すという感じですね。
(王者がRIZINで戦うなど修斗で戦う機会が少なかったことについては?)修斗で戦っていなかったのは、日本の格闘技を盛り上げるために扇久保君は代表して別の大会に行っていたので、そこはどうこう思いません。
(修斗の王座への思いは?)タイトルについては、僕は外様で小田原で全日本アマ修も戦っていないし、ここで勝ったらという試合も何回かあって落としてきました。いま35歳になって円熟期を迎えて、最高の相手と最高のタイミングでタイトルマッチを組んでもらって、全てに感謝しています。ベルトを取ります。
(最近の好調の理由は?)TRIBE TOKYO M.M.A.に行って、長南(亮)さんはじめ、素晴らしいコーチに指導してもらい、気持ちと身体が一致して、能力が上がっているのだと思います。
(修斗世界王者になるとONEと契約という提携について)勝ったらどうなるか、自分の中ではストーリーができているんで、勝ちます」
松本光史、2度目の防衛戦の相手は小谷直之に
そしてもう1つの世界戦が決定。世界ライト級チャンピオン、松本光史(フリー)が2度目の防衛戦を行う。挑戦者に選ばれたのはライト級屈指のグラップラー・小谷直之(ロデオスタイル)。
松本は、RIZINでのダロン・クルックシャンク戦でのKO負けから療養で1年以上の休み明け、ぶっつけでの防衛戦となる。
対する小谷は2018年は2戦して2勝とベテランの強さを見せつけて、この世界戦まで登り詰めた。プロデビューから19年、いよいよ掴んだこのチャンスを活かす事ができるか。
◆松本光史「(小谷の)アフリカ戦は大雑把な試合だったけど、しっかりとフィニッシュするのは凄い」
「歴史ある修斗という団体の30周年記念大会で防衛戦を戦えることを光栄に思っています。選手になる前に修斗ファンだったので、そういうファンが内側から盛り上げられることが凄く嬉しいですし、修斗ファンに喜んでもらえるような試合を当日は見せたいと思います。
(挑戦者が小谷に決まったことについて)防衛戦の相手がなかなか決まらない状況で、上位の選手たちとも何回かやっているなかで、僕はキャプテン☆アフリカ選手が上がって来るんじゃないかと思っていました。決まったら(互いの地元の)大阪で試合がしたいと思っていたのですが、その強い選手に一本勝ちした小谷選手が挑戦者になって、やりがいがある相手だと思います。
(小谷vsアフリカ戦を観た印象は?)……大雑把な試合だったなって。でも、しっかりとフィニッシュするのは力がないとできないことなので、そこは凄いと思いました。
(修斗伝統のライト級を海外と比べて)自分も外国人選手に勝てていなくてそこをなかなか越えられないのですが、小谷選手は元UFCファイターで、跳ね返されてきた選手だと思います。そこに差をつけないと、自分がまた挑戦する資格をもらえないです。前回、負けていますが、練習して進化してきたと思っています。それを見せたいと思います」
◆小谷直之「八景の先生方とついに肩を並べることができるのか、と」
「前回、勝った勢いで(王座挑戦を)言ってみたら……こういう30周年という大きな大会で実現するとは思っていなかったです。自分も格闘技を20年ぐらいやっているんですけど、最初がシューティングジム八景でした。あの時の先生方とついに肩を並べることができるのか、と思います。
(修斗のベルトへの思い)日本の総合格闘技のなかで一番歴史があるベルトで、一番重みがあるなと思います。
(アフリカ戦を「大雑把」と言われたことについて)大雑把っていう言い方は何ですが、分かりやすい戦い方ができたと思います。僕はそういう戦いしかやってこなかった人間なので。あんまり細かい分かりづらい攻防とかは正直なところトップ選手の試合を見ても分からないですから、次も大雑把にやって、大雑把に勝ちます」
5月6日の「SHOOTO 30th ANNIVERSARY TOUR 30周年記念大会」には、上記の他にも歴代王者から、現王者の参戦がプランニングされている。
美木航(NATURAL 9)が、2016年4月の青井人戦(引き分け)以来3年ぶりの試合が決定。また、会見でサステイン坂本代表は、フィリピンのチーム・ラカイを視察した結果、「ラカイとの3対3の対抗戦を組みたい」とプランを語った。
3.24 ニューピアホールで開幕「Woman's SHOOTO Under50kg インフィニティリーグ2019」
毎年数多くのドラマと新たなスターを生んできた「インフィニティリーグ」が2019年は女子で開催される事が決定。2018年から積極的に大会に組み入れられている女子公式戦だが、今回の「インフィニティリーグ」では通常の階級にはない50kgでのリーグ戦での開催となった。
参加選手は、3.24ニューピアホール大会リーグ開幕戦で激突する2017年全日本アマ修斗選手権を征した原田よき(赤崎道場A-spirit)と1月大会でのトライアウトで見事プロ昇格を果たした杉本恵(AACC)。
そして2018年全日本アマチュア修斗選手権王者・廣瀬里美(パラエストラ松戸)と様々なプロモーションで活躍する女子MMAの常連・北野きゅう(高田馬場道場)がエントリー。もう1名は現在選考が行われており、決定次第発表となる。
また、今回のインフィニティリーグは、役職の90%が女性という、女性の働きやすい社会を目指し応援する「株式会社シンクスインターナショナル」がサポート。過酷なリーグ戦で優勝した選手にはベルト(防衛義務無し)と賞金30万円が贈呈される事も決定している。
史上初5名の女性ファイターが2019年の一年を通して激闘を繰り広げるWoman's SHOOTOインフィニティリーグ2019にも注目だ。
◆杉本恵「子供たちにベルトを巻いた姿を見せたい」
「ベルトを賭けた素晴らしいチャンスをいただいたので、一つひとつ勝って、子供たちにベルトを巻いたカッコいい姿を見せられるように頑張りたいです。練習時間が限られることもありますが、子供たちを幼稚園に送っていくときに走ったりしています。(試合が続くリーグ戦は過酷だが)試合期間が空くよりもコンスタントにあったほうが私的にはいいので、このリーグ戦はありがたいです」
◆廣瀬里美「子供の声が励みになる」
「今回、選んでいただいて光栄です。私も子供がいてシングルマザーです。修斗は4年やっていて、ウチのジム(パラエストラ松戸)にはチャンピオンがたくさんいます。強い選手ばかりのジムなので、自分も強くなって、この1年間成長してジムの選手に恩返しできるよう、優勝してベルトを巻きたいです。
(試合が続くリーグ戦は過酷だが)私は常に努力したり求めるものがないと止まったり中だるみになってしまいがちなので、1年間刺激になって、いい感じで充実した練習ができる形式だと思います。アマ修斗に3度出場して、練習でも試合でも勝てなかったので、今回、プロシューターとしてかなり気合が入っています。(子育てとの両立について)子供がある程度、手から離れているので、練習に影響が出るとかはないです。親が頑張っている姿を子供は絶対に見てくれているので、『練習頑張って』という言葉が凄く励みになっています」
◆原田よき(※コメント代読)
「目の前の相手に対して自分のやるべきことをやり、勝ちます。出るからには優勝を目指します」
◆北野きゅう(※コメント代読)
「アマ修斗で実績がなかった自分にこのような機会を与えていただき、ありがとうございます。ただ勝つだけでは優勝できないのがリーグ戦です。どのような選手が相手でも自分がやるべきことをやるのはもちろんですが、自分らしく元気にいきたいと思います。応援よろしくお願いします」
◆Woman's SHOOTOインフィニティリーグ2019[出場選手]
原田よき(赤崎道場A-spirit)2017年全日本アマチュア修斗女子アトム級優勝
廣瀬里美(パラエストラ松戸)2018年全日本アマチュア修斗女子アトム級優勝
杉本恵(AACC)レスリング全日本選手権3位、インカレ準優勝
北野きゅう(高田馬場道場)プロ戦績2勝1敗
X ※現在選考中
修斗世界バンタム級王者・佐藤将光がONE参戦
2018年11月の後楽園ホール大会で齊藤曜にリベンジし2度目の修斗世界バンタム級王座防衛に成功していた佐藤将光(FIGHT BASE/修斗世界バンタム級王者)が、ONE Championshipと契約したことを発表。サステインの坂本一弘代表は「行ってくる限りは勝って帰ってこいと送り出したい」と語った。佐藤のONEデビュー戦の日程は近日発表となる。
◆佐藤将光「ビビアーノ選手に1回は触れてみたい」
「ずっと出たいと思っていました。アジアの格闘技の盛り上がりや熱気を感じ、あの雰囲気の中で戦ってみたいと思いました。今回、修斗とONEが提携し、契約することとなりました。ONEにも修斗にもどちらにも出られる、チャンピオンでありながら他団体にも挑戦できることに感謝しています。チャンピオンのまま行けるということが一番嬉しいです。ベルトを返上していく必要もないし、向こうで活躍してこちらでも試合ができます。また、単純に挑戦することにワクワクしています。
修斗のバンタム級は今でも強い選手が集まっていますが、修斗のチャンピオンになればONEと契約できるということで修斗に出たいという選手がどんどん出てくると思いますし、修斗とONEが契約したことで、これから修斗にアジアの選手が増えて、もっと活性化していくんじゃないかという期待感もあります。(ONEで気になる選手は)ビビアーノ・フェルナンデス選手に1回は触れてみたいです(※ビビアーノとの間接的な絡みでは、2012年に佐藤はROAD FCでキム・スーチョルと対戦。2013年にそのスーチョルがONE FCでビビアーノと対戦し判定負け)」