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レポート

【Bellator】チャンドラーがBellator最終試合でベンヘンに1R KO勝ち

2020/08/08 00:08
 2020年8月7日(日本時間8月8日・土)、米国コネチカット州アンカスビルのモヒガンサン・アリーナにて「Bellator 243: Chandler vs. Henderson 2」が開催された。  メインイベントは、ライト級の5分3Rで行われる前Bellator世界ライト級王者のマイケル・チャンドラー(米国)と、元UFC世界ライト級王者ベンソン・ヘンダーソン(米国)の再戦。チャンドラーは155.9lb(70.71kg)で、ヘンダーソンは155.6lb(70.57kg)で計量をパスしている。  両者は、2016年11月19日「Bellator 165」以来の再戦。Bellator世界ライト級タイトルマッチとして行われた試合は、5Rにわたる激闘の末、判定2-1のスプリットで流血した王者チャンドラーが王座を防衛している。  激闘から3年9カ月を経ての再戦。もともと両者は、2019年12月29日の「Bellator JAPAN」さいたまスーパーアリーナ大会で対戦予定だったが、ヘンダーソンが練習中に足を負傷し欠場。日本大会でチャンドラーはシドニー・アウトローと対戦し、1R 2分59秒、右ストレートでKO勝利している。その後、2020年6月6日に米国イリノイ州シカゴでの「Bellator244」で仕切り直しの1戦が組まれるも、新型コロナウイルスの影響で大会は延期となっていた。  チャンドラーにとっては昨年末の日本大会以来の試合となり、今回の試合がBellatorとの契約下で最後の試合となる。ヘンダーソンにとっては2019年9月にマイルズ・ジュリーに判定勝ちして以来のMMA。その後、2020年の1月と5月に「Fight 2 Win」でグラップリングマッチに果敢に出場し敗れているものの実戦感覚は続いている。 ▼ライト級 5分3R○マイケル・チャンドラー(米国)155.9lb/70.71kg[1R 2分09秒 KO] ※左ストレート→パウンド×ベンソン・ヘンダーソン(米国)155.6lb/70.57kg  タッチグローブでヘンダーソンの胸を押したチャンドラー。1R、オーソドックス構えのチャンドラー。サウスポー構えのヘンダーソン。右ローを打つチャンドラーに左ミドルはヘンダーソン。ワンツーはチャンドラーがかわす。  右ボディで飛び込み腹に当てるヘンダーソン。左ハイはブロックの上に蹴る。さらに左ミドルもヒット。ワンツーを振って前に。ヘンダーソンの右ローを掴んで右オーバーハンドフックはチャンドラー。クリーンヒットはしないがそのまま前に出るとワンツー。  さらに右ミドルを当てて前に。ヘンダーソンが金網に詰まりかけたところでチャンドラーはオーソドックス構えから右ミドルを打ってそのまま前足に置いてサウスポー構えにすると右から左ストレート!   右フックを打っていたヘンダーソンはカウンターでアゴにもらい前のめりにダウン。パウンド1発目はかわしたが意識が飛んだかそのままマットに頭をつけて動かず。チャンドラーのパウンド3発にレフェリーが間に入った。チャンドラーが1R KO勝ち! Bellator最後の試合でケージの上で咆哮した。  試合後、ソーシャルディスタンスを保ったケージの中でのインタビューでチャンドラーは、ビッグジョン・マッカーシーからサウスポーでのKO勝ちを問われ「MMAだからね。世界でベストのコーチとベストのトレーニングパートナーがいれば、ここで何でもできる」と答えると、「ベンソンはチャンピオンだ。ケージではモンスターと戦わないといけない。足も腹も痛いよ」と試合を振り返った。  また、今後について「ここにいられて、ここに立てて嬉しいけど、ダディは本当に早く家に帰りたいよ。12週間も離れていたんだ。常に神の手の上にいる。神はいつも正しい時にドアを開けて、正しいタイミングでドアを閉める。次にどうなるか見てみよう。今の試合でBellatorのケージに上がるのは最後。スコット・コーカーをはじめ、ケージの周りのみんな、この団体の人たちを心から愛している。僕の人生にインパクトを与えてくれた。過去10年、最高の経験をシェアできた」と、最後のサークルケージで、惜別の言葉を語った。 [nextpage] ▼ヘビー級 5分3R×マット・ミトリオン(米国)262.6lb/119.11kg[1R 3分14秒 TKO] ※パウンド○ティモシー・ジョンソン(米国)263.2lb/119.38kg  1R、ともにサウスポー構え。ミトリオンの左ローキックをすかして払ったジョンソンがそのままテイクダウン。  サイドからパウンド。亀から巻き込みを狙うミトリオンだが、左から右のパウンドを浴びる。  いったんはヒザ立ちまで戻すとするが、さらに右のパウンドを浴びて亀に。頭を片手でガードもジョンソンにサイドから腰を固定されて動けず。パンチを浴び続け、レフェリーが間に入った。 [nextpage] ▼ライト級 5分3R○マイルズ・ジュリー(米国)155.6lb/70.57kg[判定2-1] ※30-27,27-30,29-28×ジョージ・カラキャニャン(米国)155.5lb/70.53kg  ライト級からフェザー級、Bellatorで再びライト級に戻したジュリー。前戦でフェザー級からライト級に上げたカラキャニャン。  1R、ともにオーソドックス構え。圧力をかけ右ローを当て、右フックを振るカラキャニャン。かわすジュリーは、左ローから左フック。右で差したカラキャニャンは金網詰めてダブルレッグへ。しかしジュリーも左で小手に巻き差し上げ突き放す。  右ローを当てるジュリー。カラキャニャンは左右を振って再び金網まで詰めるとダブルレッグへ。しかしここも左で小手に巻き突き放したジュリーが体を入れ替え離れる。右をヒットさせて前に出るカラキャニャン。  2R、ジュリーのパンチに右ローを合わせるカラキャニャン。じゅはサウスポー構えから左三日月蹴り! 右前蹴りも当てて左ヒジを狙う。さらに左インロー。カラキャニャンの入りに縦ヒジを狙う。左右の細かいボクシングで詰めるカラキャニャン。四つに組み、右の鉄槌をジュリーの左腿に打ち下ろす。  サウスポー構えから詰めるジュリーは組み手争いからテンカオ! しかしカラキャニャンもシングルレッグで引き出しながら離れ際に右オーバーハンド。さらにダブルレッグからスタンドバックに。正対するジュリーは左で差して体を入れ替えると、カラキャニャンはシングルレッグからダブルレッグを仕掛ける。これを金網背に立ったまま防ぐジュリー。  3R、前に詰めるのはカラキャニャン。前手争いから右ヒジを振るジュリー。左で差して押し込むが、体を入れ替えたカラキャニャンがダブルレッグテイクダウン! しかし抑え込むことは出来ず、立ち上がるとジュリーが打撃で前に。さらにシングルレッグも。ここにカラキャニャンはギロチンチョークへ。クローズドガードに入れるが、背中は金網。頭を抜いたジュリーが、上からパウンド。肩固め狙いは防いだカラキャニャンが金網背に立ち上がったところでゴング。  判定は割れて、30-27,27-30,29-28のスプリットで、的確な打撃を当てたマイルズ・ジュリーが接戦を勝利した。 [nextpage] ▼175ポンド契約 5分3R○サバ・ホマシ(米国)175lb/79.37kg[判定3-0] ※29-28×3×カーティス・ミランダー(米国)174lb/78.92kg  元UFCの両者。ともにオーソドックス構え。時折スイッチするホマシは左ミドル連打。さらにダブルレッグテイクダウンを奪い、ハーフガードで固めて上から細かいパウンド。  下から三角絞めを狙うミランダーをかついでパスしたホマシはバックを狙うが、その際で落としたミランダーが上に。ダースチョークを狙うが、今度はホマシが外して上に。  3Rもシングルレッグのホマシをがぶりからダースチョークを狙うミランダーだが、極めさせないホマシはバックから腕十字狙い。それを外されると下でニーシールドで凌ぎ、ゴング。判定3-0(29-28×3)でホマシが勝利。マイク・ブラウンらATT勢が見守るなか、Bellator2連勝を決めた。 [nextpage] 【プレシミナリー】Bellator MMA’s YouTube Channel ▼150ポンド契約→キャッチウェイト 5分3R○アダム・ボリッチ(ハンガリー)150.2lb/68.12kg[判定2-1] ※29-28×2, 28-29×マイク・ハメル(米国)154.6lb/70.12kg ※体重超過  2020年1月のフェザー級ワールドGP準々決勝でダリオン・コールドウェルのリアネイキドチョークに敗れ、14連勝がストップし、初黒星を喫したボリッチ。今回が再起戦となる。対するハメルはMMA7勝3敗。LFAに出場も3つの黒星を喫している。もともとキャッチウエイトの試合だったが、計量でハメルは体重超過。  1R、ジョン・クラウチを師匠に持つハメル。ヘンリー・フーフトが師匠のボリッチと組みと打撃のコントラストの両者。ともにオーソドックス構え。右ローを打つボリッチにハメルはダブルレッグテイクダウン。金網背に上半身は立てるボリッチは、ハメルが外に出した頭を右手で抱えるが、ハマルは右足をヒザ上に乗せて支点を作らせない。しかし、ボリッチも足を戻すとスタンドに。  オーソから左ローを当てるボリッチ。ハメルは再びダブルレッグテイクダウン。上半身は立てるボリッチは頭を押さえて、右腕で頭を抱えると左で差して立ち上がる。  2R、サウスポー構えにスイッチしたハメル。そこにボリッチの右ローがローブローに。インターバルから再開。同じくサウスポー構えで詰めるハメルに鋭い右ハイを打ち込むボリッチ。ガードするハメルは前に。右を振って詰めて組みに行くが、両脇を差したのはボリッチ。体を入れ替え、押し込むがハメルも突き放す。  オーソドックス構えに戻したハメル。ボリッチのストレートをかわして懐に入るが、跳ね返すボリッチ。サウスポー構えから飛び込んでの右当てるハメルは跳びヒザも。ボリッチも距離を保ち、右の蹴りを放つ。  3R、サウスポー構えのハメル。ボリッチの右の攻撃をよけながらダブルレッグに入るが、差し上げ体を入れ替えたボリッチ。体を放すと右ミドル! 効いたか詰めるハメルは組みに。差し上げるボリッチは金網背にハメルの頭を下げさせると右ヒザ! さらに右ヒジを打つ。  オーソドックス構えから互いにジャブの刺し合い。ハメルの跳びヒザを跳んで迎えうってバランスを崩したボリッチが下に。その立ち上がり際にバックを狙うハメルだが、このピンチに足をかけさせず正対するボリッチ。右フックはハメル。右ミドルはボリッチ。互いに右を打って、ゴング。  判定は2-1(29-28×2, 28-29)のスプリットでボリッチが熱戦を制した。 [nextpage] ▼フェザー級 5分3R○クリス・レンチオーニ(米国)145.8lb/66.13kg[判定3-0] ※30-27,30-27,29-28×AJ.アガザーム(米国)145.3lb/65.90kg  1R、詰めるレンチオーニにアガザームは足を手繰りサドルロックからヒールフック狙い。股下を潜ってカーフスライス狙いからバックに回ると、背中を見せて逃げるレンチオーニに飛び乗り、バックテイク。マウント&パウンド。反則のヘッドバッドまで当ててしまう。レンチオーニは腰をずらして脱出。  2R、アガザームの組みを切りヒザを入れるレンチオーニ。スタンドから容易にバックを許したレンチオーニ。アガザームの寝技を恐れていない様子。亀になり足のフックを外そうとするレンチオーニはアガザームを落として上に。鉄槌にアガザームは出血。下から顔面に反則の蹴り上げも。  3R、テイクダウン狙いをことごとく切られるアガザーム。シングルレッグを潰され下に。ハーフガードから潜りを狙うアガザームだが、潜らせないレンチオーニが上から鉄槌。ストレートアームバーを狙いゴング。 「Submission Underground」で連勝するなど、グラップリング力も高いレンチオーニがアガザームのチョークから抜け、右アッパーでダウンを奪い、ヒジも当てるなど、危なげなく判定3-0(30-27,30-27,29-28)で勝利。Bellator3連勝とした。 [nextpage] ▼女子フライ級 5分3R○ヴァレリー・ルレーダ(米国)125.3lb/56.83kg[2R 5分00秒 KO]×タラ・グラフ(米国)125lb/56.69kg  1R、ワンツーから距離を詰めて組むグラップラーのグラフに対し、突き放しサークリングするルレーダはオーソからスナップを利かせた左ハイ。グラフはクリンチからヒザを突くが、ルレーダは接近戦でも左右の強打を振る。右ミドルから左フック、右ミドルのコンビネーションも。 2R、詰めるグラフに左ジャブを当てステップを使って距離を確保するルレーダ。グラフは右ローからワンツーを外から振るが、そこにルレーダは左からカウンターの右フック! ヒザから崩れダウンしたグラフにルレーダはパウンド連打。2R終了までわずかだが、ルレーダのパウンドにグラフが失神。すぐにレフェリーがストップした。ルレーダは勝利のダンスを披露。  プロ3勝=Bellator3連勝を決めたルレーダは、テコンドー衣にブラックベルトを巻いて勝利コールを受け、美人姉妹並んでポースを披露した。 [nextpage] ▼ライトヘビー級 5分3R○グラント・ニール(米国)204.7lb/92.85kg[判定3-0]×ハムザ・サリーム(米国)205.1lb/93.03kg ▼ライト級 5分3R×ナイノア・ダン(米国)155.1lb/70.35kg[2R 1分42秒 TKO] ※右カーフキック○チャーリー・キャンベル(米国)155.8lb/70.66kg ▼ミドル級 5分3R○ダルトン・ロスタ(米国)185.7lb/84.23kg[1R 5分00秒 TKO] ※カットによるドクターストップ×マーク・ガードナー(米国)184.8lb/83.82kg
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