2021年9月24日(金)「ONE: REVOLUTION」がシンガポール・インドアスタジアムにて開催された。日本から猿田洋祐、内藤大樹が出場した。
ONE: REVOLUTION 速報
9月24日(金)シンガポール・インドアスタジアムABEMA生中継(19時30分~26時)
【メインカード】
▼ONE世界ライト級(※77.1kg)選手権試合 5分5R×クリスチャン・リー(米国/シンガポール)王者 76.50kg, 1.0044[判定0-3]〇オク・レユン(韓国)挑戦者 77.10kg, 1.0229※オク・レユンが新王者に。
◆クリスチャン・リー「ライト級のほぼ全員を倒してきました。でも相手のオク・レユンはタイトル挑戦に相応しいパフォーマンスをこれまで見せてきましたね。この試合に向けて人生で一番と言っても過言でないくらいタフなトレーニングを積んできました。ベルト防衛に向けて準備万端ですし、ファンのために素晴らしい試合をしたいと思っています。どの試合でもタイトル防衛戦でも、プレッシャーはどんどん上がっていくものです。この試合に向けても同じです。この試合に向けてきついトレーニングをやってきたので、あとは試合の夜に結果を残すだけです」
◆オク・レユン「クリスチャンは若くてスピードのあるファイターですね。爆発的な試合を見せます。“アンダードッグ”なんて言葉はただの肩書きのようなもので、僕もクリスチャンもこの試合に出る資格がありますよね。同じグローブを着けて、同じ制限時間内で、同じサークルケージの中で戦う。その上で、どちらのファイターが優れた選手なのか、それが大事なことです。この試合で勝ってアンダードッグという印象を打ち消せれば良いと思っています」
メインイベントでは、ONEライト級世界王者クリスチャン・リー(米国/シンガポール)が、ランキング3位のオク・レユン(韓国)を相手に、3度目のONEライト級世界王座防衛戦に臨む。
リーは、2019年5月に青木真也をTKOに下し、ライト級王座を獲得。2019年10月にONE4連勝中だったザイード・フセイン・アサラナリエフに判定勝ちしGP王者にも輝くと、2020年10月に当時14勝無敗だったユーリ・ラピクスを1R TKOに下し、初防衛に成功。2021年4月の前戦「ONE on TNT」では、ティモフィ・ナシューヒン(ロシア)を1R、左フックからのパウンドで73秒 TKOに降し、2度目の防衛に成功している。
対するオク・レユンは韓国ライト級最強ファイター。2019年3月のHEATでトム・サントスを苦しめるなど実力者ぶりを示し、2020年7月の韓国Double Gで、モンゴルのブレンゾリグ・バットムンクとの再戦をリアネイキドチョークで一本勝ち。同年11月にはGladiatorライト級王者のキ・ウォンビンにも判定勝ち。
2021年4月の「ONE TNT 3」でONEデビューを果たし、ダゲスタン出身のマラット・ガフロフに判定勝ち。2021年4月の「ONE on TNT 4」でエディ・アルバレスから1Rにダウンを奪い判定勝ちをマークし、ONE2連勝、MMA4連勝中だ。
1R、上下にレベルチェンジをゆっくり見せるクリスチャン。オク・レユンは右ローから入る。徐々に詰めるクリスチャンは金網詰めてダブルレッグへ、そこにヒザを狙うオク・レユンだがクリスチャンがテイクダウン。
尻餅つき立ち上がるオク・レユンのバックを奪い、横に崩して右足をかけるもいったん外して両足をかけようとするが、オク・レユンもかけさせず。
再度背後から崩して立ち上がり際に左足をかけようとするクリスチャン。正対したオク・レユンの右手を背中越しにつかむが外して右を振るオク・レユン。
なおも右で差して組むクリスチャンを小手に巻いて突き放すオク・レユン。クリスチャンは右ハイ。ブロッキングするオク・レユンに、今度は右上段のブラジリアンキック。ワンツーを振るが、オク・レユンも前手の左フックを狙う。
2R、右ローを当てるオク・レユン。左の踵落としを着地して歩くと、右を振って四つに。しかしオク・レユンもそこに対応。バックを取らさずスタンドに。クリスチャンは大きな左右を振る。
圧力をかけるオク・レユン。右から左で詰めて左ミドルに繋げる。右にサークリングして避けるクリスチャン。クリスチャンの左右に右の跳びヒザ蹴りを狙うオク・レユン。クリスチャンの大きな右をかわす。
クリスチャンの右ローに右を返すオク・レユン。ワンツーから跳びヒザで詰めるが、それをキャッチしたクリスチャンがテイクダウン! 背中に跳び乗りリアネイキドチョークを狙うが、右足をかけさせず、正対して首を外すオク・レユンは首相撲ヒザ! クリスチャンは動きが鈍くなる。
3R、中央を取るオク・レユン。左の蹴りを見せるクリスチャンだが、オク・レユンの右の鋭さが増す。さらに右ヒザも。クリスチャンはダブルレッグに入るが、切るオク・レユン。右の打ち合いはオク・レユン! ヒザが落ちるクリスチャンは下がる。右を当てヒザを突き前に出るが、そこに右ストレートはクリスチャン! ダウンしたオク・レユンにギロチン、ダースチョークを狙うが、オク・レユンも首を外してスタンドに!
右ハイを打つオク・レユン。クリスチャンのダブルレッグは勢いが無い。疲労が見えるクリスチャン。前に出るオク・レユンは右ハイ、右ロー。クリスチャンも下がりながらも左の蹴り。しかし勢いにかける。右ボディストレートを当てるオク・レユンは右ストレート、さらに右ボディ、左ミドルと攻める。
4R、左右で前に出るクリスチャンだが大振り。しかし押し返すオク・レユンは右に勢いがある。左ジャブを突くオク・レユンも単発。どこで勝負をかけるか。大きな右を振るクリスチャン。回るオク・レユンは頭を下げるクリスチャンに右ヒザをかすめる。
クリスチャンはパンチに軸がブレるように。左ジャブから右ストレートはオク・レユン! クリスチャンも右を返す。右ストレートを当てるオク・レユン、さらに右跳びヒザ! 左ハイ。ブロックして凌ぐクリスチャン。クリスチャンの左をかわして右ハイを打つオク・レユンだが空振り。
最終ラウンド。左ジャブをダブルで突くオク・レユン、右にも繋げる。左ローを返すクリスチャンだが、オク・レユンは左ボディを突く。左の蹴りからダブルレッグに入ったクリスチャンだが、切るオク・レユン。クリスチャンは離れる。左の踵落としは空ぶり。
オク・レユンも右に回りながらジャブ。クリスチャンは右を振って足を取りに行くが切るオク・レユン。手数を出したいオク・レユン。クリスチャンに左のカウンター。右は勢いがあるクリスチャン。オク・レユンは左の蹴りを繰り出すが軸がブレる。右を当てたクリスチャン! 一瞬グラつき下がったオク・レユンは打ち合いから右跳びヒザを2度目もクリーンヒットせず。
苦しい5Rを戦い抜いた両者。互いにダウンを奪うも、オク・レユンのそれはヒザを落とさせ、クリスチャンは背中をつかせるダウンだった。2Rのリクリスチャンのリアネイキドチョークはニアフィニッシュと見られるか。エスケープしたオク・レユンは中盤以降、スタミナが落ちたクリスチャンの組みを切り打撃を当てている。そして最終Rに右を当てたのはクリスチャンだったが、果たして判定は……。
判定は「3者全員」とコールされてから「ニュー」とオク・レユンを支持。クリスチャンの地元ともいえるシンガポールでの勝利に、オク・レユンは少し驚きの表情を浮かべつつ舌をペロリ、笑顔を見せた。
試合後、新王者はケージの中で「クリスチャンをすごくリスペクトしているからタイトルを取ってどう言っていいか分かりません。判定では自分が勝っていると思いました。もっと楽しい試合をしてみんなを喜ばせたいです」と語った。
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▼キックボクシング バンタム級世界選手権試合 3分5R〇カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)王者 65.45kg, 1.0136[判定3-0]×メディ・ザトゥー(フランス/アルジェリア)挑戦者 65.80kg, 1.0233※カピタンが初防衛に成功
◆カピタン「100%の準備をしてきました。皆さんに楽しんでもらえるような試合をしたいですね。世界王座のベルトは渡しません。相手のメディ・ザトゥーの弱みは僕より年齢が上なことでしょうか。でもそれを上回るような経験値を強みとして持ち合わせていると思います」
◆メディー・ザトゥー「とてもハードな練習をしてきました。7カ月前に試合をして止まらずに戦い続けています。このケージで戦うために人生を捧げていますから、今はもう燃え上がっていますよ。チームのために、家族のために、年齢に関わらず自分が成し遂げられるということを世界に見せたいと思います。試合で全てを出し尽くします」
コ・メインイベントは、カピタン・ペッティンディーアカデミー(タイ)が、メディ・ザトゥー(フランス/アルジェリア)を挑戦者に迎え、ONEバンタム級キックボクシング世界タイトル初防衛戦に臨む。
カピタンは、2020年の9月のONEデビュー戦でペッタン・ペットファーガスと対戦し、カウンターのワンツーの右でわずか6秒 KO勝利で衝撃ONEデビューを果たした。その後、2021年1月22日の「ONE: UNBREAKABLE」で、アラバディ・ラマザノフが持つ世界タイトルに挑戦し、2R KO勝利で新王者に輝いている。
対するザトゥーはアルジェリア出身のフランス国籍、タイのヴェナムトレーニングキャンプを拠点に練習し、2009年にWMC-66.7kg欧州王者、2013年にWBC-66.7kg世界王者、ISKA-67kg世界王者などに輝いている。
2018年6月からONEに参戦し、トゥカタートン・ペットパヤタイ、ノンオー・ガイヤーンハーダオには敗れたものの、2020年1月にハン・ズーハオ、同年8月にはレオ・ピントも下し、ONE2連勝をマークしている。
サークルケージのボクシンググローブでのキックボクシングルール。ワンクリンチ&ヒザがOKとなる。
1R、ともにオーソドックス構え。カピタンは右ローから。ザトゥーの圧力に下がりながらも右ロー。ザトゥーの左に右を返すカピタン。右のフェイントで下がらせて右ミドルを当てる。低いガードから歩くように前に詰め左右を振るカピタン。
2R、右で詰めて首相撲を組んでしまうカピタン。歩きながら左前蹴り、さらに右ロー。左右を振り、右テンカオを突く。ザトゥーは左ボディ、右フックもすぐに詰め返される。右に回り右から左フックを返すが、構わず前に出るカピタンにクリンチはザトゥー。常に圧力をかけるカピタン。
3R、下がりながら右ローを打つザトゥーに右ローを打ち下ろすカピタン。さらに左ボディも。近づけばワンクリンチから右ヒザを突く。
距離が空くとワンツーを打ち込むザトゥーは、左右に回りなからボディを返すが、構わず詰めるカピタンは左ジャブ、右ストレート、そして左フック! アゴを打ち抜かれたザトゥーに左右から右アッパー、ヒザを突くカピタン。最後に左ミドルを当てて、ビッグラウンドとした。
4R、前に出るカピタンを回ってさばいて右ストレートを当てたザトゥー! しかしダメージを出さずに前に出るカピタンは『来い』と挑発。さらに詰めて左を当てる! 右ローを打ち下ろすカピタン。右ミドルを返すザトゥーだが、右ストレートを返すカピタン。下がりながらも左から右を突くザトゥーにカピタンも左右で詰め返す。
5R、左右の蹴りから右のスーパーマンパンチを見せるカピタン。しかし、距離を遠くし、時折飛び込む逃げ切り体勢。詰めるザトゥーは右ボディ、左ストレート、右ヒザで金網まで詰めるが、クリンチに止まる。下がりながら左のミドルの連打で巧みに距離を取るカピタン。5Rが終了。判定は3-0で有効打を当てたカピタンが勝利した。
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▼ONE世界ストロー級(※56.7kg)選手権試合 5分5R〇ジョシュア・パシオ(フィリピン)王者 56.65kg, 1.0053[1R 3分38秒 TKO] ※右ストレート→左右ラッシュから左パウンド連打×猿田洋祐(日本)挑戦者 56.45kg, 1.0018※パシオが3度目の防衛に成功
ONE世界ストロー級タイトルマッチで、日本から猿田洋祐が王座返り咲きを懸けて参戦。ジョシュア・パシオ(フィリピン)と3度目対決に挑む。
前日会見では、ラバーマッチに挑む猿田は、「前回は自分がチャンピオンとして、ジョシュア・パシオ選手と戦いましたけれど、今度は自分がチャレンジャーとして戦いますので、今回はメンタル面の強さが違うと思います。前回の試合では、自分の強みであったメンタルの部分を出すことが出来なかったので、今回はジョシュア・パシオ選手を海の底に沈めるようなイメージで、海の底で我慢くらべ、どっちの息が続くのかのようなメンタルの勝負をしたいと思っています。この勝負に勝って、自分は次のステージ、自分が戦いたいデメトリアス・ジョンソンとの対戦をアピールしたいと思っています」と意気込みを語った。
対するパシオは、「1年8カ月ぶりにここに戻ってきました。本当に嬉しいですし、ONEで戦うことがとても楽しみです。前回の猿田との再戦から約2年が経っていますが、過去の試合でもわかるように僕たちは成長して、より良い格闘家になっています。毎日、毎日、レベルアップすることにおいて、とてもモチベーションが高いです。試合でその成果をお見せします。爆発的な試合になるでしょう」と激闘を予告。
さらに、「ここに戻って来るまではパンデミックで大変な期間でした。今年前半には新型コロナウィルスにも感染しました。でも僕らはサークルの中でも実際の生活でもファイターですから、コロナにも打ち勝って、メンタル面もフィジカル面も100%の状態です。あとはやるだけです」と、コロナに感染したことを告白しながらも、体調は万全であることを語った。
また、「これまでの人生の半分の期間を格闘技に捧げてきました。プレッシャーなんて友達のようなものだし、自分が歩んできた道の一つですね。そして、自分のチーム、チームラカイの仲間達には自信があります。近い将来彼らもチャンピオンになるはずです」と、ラカイで積み上げてきた練習に自信を見せた。
2017年10月に修斗世界ストロー級王者となった猿田は、2018年12月からONEに参戦。いきなり元ONE世界ストロー級王者アレックス・シウバを判定で破ると、2019年1月に王者パシオと初対戦。猿田がスプリット判定で勝利、ONE世界ストロー級王座を獲得した。
しかし、3カ月後の2019年4月のダイレクトリマッチで、パシオに4R KO負けで王座陥落。その後、2019年10月にPANCRASE王者・北方大地に2R TKO勝ち。2020年9月に内藤のび太に判定勝ちで2連勝。パシオとの3度目の対戦に臨む。
また、8月13日の「ONE:BATTLEGROUND 2」解説を務めた猿田は、「キャリアを終えるまでに最後にやりたい選手が3人がいて、ジョシュア・パシオ、ジャレッド・ブルックス、デメトリアス・ジョンソンとは戦いたい」と語っており、王座奪還で集大成に向かえるか。
対するパシオは、フィリピンのルソン島北部バギオ出身、チーム・ラカイ所属でウーシューベースの王者。2016年10月、当時ONE世界ストロー級王者だった内藤のび太が持つベルトに挑戦したが、リアネイキドチョークで一本負け。
2018年9月に、再び内藤と世界王座を争い、悲願の王座を獲得した。初防衛戦で猿田洋祐に敗れたものの、2019年4月の再戦でベルトを取り戻している。
その後、2019年11月にレネ・カタランに2R 肩固めで一本勝ちでストロー級王座防衛。2020年1月には、アレックス・シウバとの5Rの死闘もスプリット判定で制し、2度目の王座防衛に成功している。
1R、ともにオーソドックス構え。中央を取る猿田。左の前蹴りはパシオ。右をかわす猿田に左ミドルを打つ。詰める猿田は前手の左フックを振る。さらにローを打つが、その蹴り足を取りながらパシオは右! 一瞬、ダウンした猿田はすぐに立ち上がり正対する。
左から右で入る猿田にカウンターの左を狙うパシオ。パシオの右ローを掴もうとする猿田。続く右ローはヒザを引いてかわす。ワンツーの右フックは猿田。
かわすパシオは右ロー! 猿田も右ローを返すが、そこにパシオはカウンターの右ストレート! 効かされた猿田が背中を見せて後退もふりむきざまに右バックフィスト。しかし、そこに左フックを合わせたパシオに、猿田は金網際でダウン。すぐに立ち上がった猿田にパシオは右を当てて、金網に詰めて、片ヒザ立ちの猿田に左の連打! レフェリーが間に入った。
1年8カ月ぶりの試合で3度目の防衛に成功したパシオは、サークルケージの中で「1Rで勝てたこと、この機会を与えてくれたことに感謝します。2度目の対戦で、相手の戦い方は把握していた。練習してきたカウンターを試合で見せることができた。大変だったけど、どんな状況でも戦えることをフィリピンの皆に見せたかった。僕がチャンピオンであることを証明出来た」と語った。
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▼ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R×マーティン・ニューイェン(豪州/ベトナム)70.30kg, 1.0207[1R 3分15秒 KO] ※右ストレート〇キム・ジェウォン(韓国)70.15kg, 1.0099
1R、先に圧力をかけるニューイェンが右のカーフキックから。さらに右ハイで牽制。ジェウォンも右ローを返す。右ローを打つニューイェン。ジェウォンは足を流す。左ミドルを当てるニューイェン。右ハイは空振り。
しかしジェウォンは右ストレート! 後退するニューイェンだが、圧力をかけ直し、右フック! ジャブを突き右を振るが、近距離で右ストレート! 尻餅をついたニューイェンにジェウォンは右フック! マットに背中を着いたところにさらに右の鉄槌! レフェリーが間に入った。
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▼ONEヘビー級(※120.2kg)5分3R×アミール・アリアックバリ(イラン)118.25kg, 1.0248[1R 2分57秒 KO] ※左フック〇アナトリー・マリキン(ロシア)111.90kg, 1.0107
RIZINで4勝1敗の元グレコローマン・レスリング世界王者アミル・アリアックバリ(イラン)。MMA戦績は10勝2敗で、黒星のひとつは2016年の大晦日の「RIZIN無差別級トーナメント決勝」でミルコ・クロコップに1R KO負けした試合。そして、もうひとつは、2021年3月の前戦、ONEでカン・ジウォン(韓国)に左フックで逆転のKO負けを喫している。
対するマリキンは、MMA9勝無敗。フリースタイルレスリングベースでタイガームエタイでも練習、前回がONE初参戦で、アレクサンドル・マチャド(ブラジル)を1R クルスフィックスからのパウンドでTKOに降している。
1R、ともにオーソドックス構え。先に右ローを打つマリキン。右を当てるとアリアックバリが後退。さらに左ジャブも突く。右を振るアリアックバリに右を返すマリキンはさらに右! 後方にダウンしたアリアックバリをがぶり頭にヒザを突くマリキン!
中腰から立とうとするアリアックバリを引き落とすマリキン。ようやく頭を抜いたアリアックバリ。互いに右! しかしマリキンも左ボディを効かせ、さらに左ジャブ、右フック、最後は左フックをアゴに当てるとアリアックバリがもんどりうって後方に倒れ、すぐにレフェリーが間に入った。
ONE2連勝のマリキンはこれでMMA10勝無敗に。アリアックバリは2連敗となった。
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▼ONE女子アトム級(※52.2kg)5分3R〇ビクトリア・リー(米国/シンガポール)51.80kg, 1.0023[2R 3分58秒 TKO] ※パウンド×ビクトリア・ソウザ(ブラジル)51.50kg, 1.0053
◆ビクトリア・リー「相手の試合の映像を見てきました。彼女は私と同じようにエキサイティングなファイターです。試合の夜は、ファンの皆さんに見応えのあるおもしろい試合を見せることが出来ると思います。1ラウンドで試合が決まるでしょうね。エキサイティングなパフォーマンスを見せて年齢(17歳)のことなんて言わせない、そんな試合をしたいです」
◆ビクトリア・ソウザ「戦う準備は万端です。この試合で私が勝つと確信しています」
1R、ともにオーソドックス構え。ガードを上げて右を当てて前に出るリー。アンジェラ・リーの妹のビクトリア・リーは、ソウザの右に合わせて首を押さえてそのままテイクダウンを奪うリー。ハーフから長身を活かして右で首を抱え、左で小手に巻き、ジャパニーズネックタイ狙い。首を抜き立ち上がるソウザを首投げで投げると、ソウザもダブルレッグテイクダウン。
首を脇に抱えネルソンからネッククランク、さらに三角絞めに移行すると、金網際から頭を外して絞めて、下からヒジ、さらに腕十字を極めるがゴング。
2R、詰めて四つに組むリー。左の小外を凌がれると、右で差して回してテイクダウン。ハーフからヒジを連打で落とすリーは、マウントからギロチンチョークへ。凌ぐソウザの首を抱えたまま、前方に押し倒してギロチンチョークを絞るリー。首を抜かれると、下のソウザの左手を押さえ込んでヒジ! レフェリーが間に入った。
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【リードカード】
▼ONEストロー級(※56.7kg)5分3R〇リト・アディワン(フィリピン)56.45kg, 1.0128[判定3-0]×ハシガトゥ(中国)56.70kg, 1.0168
1R、ともにオーソドックス構え。一回り大きく体躯のアディワン。アディワンのフック、右ミドルに下がるハシガトゥ。右ローを掴んでシングルレッグ、ダブルレッグに入るハシガトゥだが、切るアディワン。
サウスポー構えになるハシガトゥ。そこにオーソから遠い右ミドルを飛び込んで当てるアディワン。跳びヒザも打つが、それをキャッチしたハシガトゥだが、テイクダウン出来ず。
2R、少しペースを落としたアディワン。サウスポー構えから左ミドルを当てるハシガトゥ。しかしアディワンの圧力に下がる。右ミドルで前に出るアディワン。
ハシガトゥは右フックで跳び込むが、アディワンも左を返す。右ボディストレート、さらに金網に詰めて右ミドルもサークリングするハシガトゥ。遠間からハシガトゥは右ローもローブローとなる。中断、再開。
左ローを打つハシガトゥだが、またもローブローに。ここは流したアディワンだが、続く左ローがまたもローブローに。今度はハシガトゥにイエローカードが出される。ハシガトゥは20%減点。
喧嘩四つから右ローを打つアディワン。そこにまたも左の蹴りがローブローとなるハシガトゥ。2枚目のイエローカードが出される。
ゴングにハグしたハシガトゥに戸惑いを見せるアディワンだが、苦笑いして最後はハグした。判定は3-0でアディワンが勝利。
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▼ムエタイ フライ級 3分3R×ペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)60.80kg, 1.0087[判定1-2]〇内藤大樹(日本)61.20kg, 1.0244
元ONEフライ級キックボクシング世界王者のペッダム・ペッティンディーアカデミー(タイ)と、ONEフライ級キックボクシング ランキング4位の内藤大樹(日本)が、ムエタイルールで激突。
内藤は、2019年にONEスーパーシリーズに参戦し3連勝。その後、元ONEフライ級ムエタイ世界王者のジョナサン・ハガティーに判定負けも、2021年6月の「ONE: FULL BLAST 2」でのキックボクシングルールでワン・ウェンフェンに判定3-0で勝利し、再起を果たしている。
強豪ペッダムとの対戦に向け、内藤は、「ペッダムは元ONE世界王者で強敵ですが、自分もONEの世界王者を目指しているので、しっかり勝って結果でアピールしたいと思っています。皆さん日本からABEMAで応援をよろしくお願いします」とのコメントを発表。
対するペッダムは、元ONEキックボクシング・フライ級王者。ジョシュ・トナー、工藤政英をKOし、2019年5月にはエリアス・マムーディにテクニカル判定で勝利。ONEキックの同級王座を獲得したが、8月のイリアス・エナッシとの初防衛戦で王座陥落。2020年1月にはMOMOTAROを首相撲&ヒザ蹴りで削っての判定勝ち。ボクシングマッチを経て、2020年7月「ONE: NO SURRENDER」でロッタン・ジットムアンノンが持つONE世界フライ級ムエタイ王座に挑戦も判定2-0で惜敗。
その後、地元タイでプロイウィティヤ・ペットシムエンに判定勝ち。2021年4月にデュアンソムトポン・ジットムアンノンに判定負けしており、1年2カ月ぶりのONE参戦で再起なるか。
1R、サウスポー構えのペッダム。オーソドックス構えの内藤の左ローをチェックする。ペッダムの左ミドルを腰を引いて避ける内藤。ペッダムの前進を左前蹴りで阻止。ペッダムの左の蹴り終わりに右ミドルを打ち返す。内藤の右ローにカウンターの左ストレートはペッダム! ダウンした内藤。すぐ立ち上がると右をヒット。左の二段蹴りを当てる。
2R、左ジャブのダブルから左の蹴りに繋ぐ内藤。ペッダムは左ミドル、内藤も右ミドルを蹴り返す。ペッダムの入りに左フックは内藤! ペッダムの左ミドルに右を狙い、蹴りの打ち終わりに軸足を払い、ペッダムをこかす。右の蹴りで前に出る内藤は左フックもヒット。
3R、左ローをこつこつ当てる内藤。ペッダムの左の蹴り足を取って右ストレートを入れる。ペッダムは左の蹴り。そこに左を振るが空振り。さらに左カーフキック! 足が流れたペッダム。しかし、ペッダムも左ミドルを押し込んで蹴る。右ミドルを返す内藤。前に出てスーパーマンパンチも逃げ切り体勢のペッダムを詰め切れず。
判定は1-2で内藤が勝利。1Rのダウンはタイミングダウンと見られ2点差はつかなかったか。2、3Rで追い上げた内藤が僅差を制した。
試合後、ペッダムは「少し混乱している。悲しい。ベストは尽くした」とコメント。内藤は、「ペッダムは元世界チャンピオンで素晴らしい選手。その選手に勝つためにトレーニングしてきました。1Rはダウンを取られましたが、2、3Rは自分が取ったと思っています。諦めない気持ちが勝利に結びついたと思います。左ミドルが得意なペッダムに左フックをたくさん練習してきました」と勝因を語った。内藤はウェンフェン戦に続く2連勝をマーク。
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▼ONEヘビー級(※120.2kg)5分3R〇マーカス・ ”ブシェシャ”・アルメイダ(ブラジル)116.05kg, 1.0214[1R 2分55秒 ノースサウスチョーク]×アンダーソン・シウバ(ブラジル) 119.10kg, 1.0044
◆マーカス・アルメイダ「長い時間がかかりましたが、やっとここまで来ました。嬉しい気持ちでいっぱいです。ONEのサークルケージで自分のMMAデビューを飾れることは光栄です。色んなトレーニングを積んできたので、自分のベストを尽くせるように頑張ります。素晴らしいレジェンドを相手に試合をしますから、自分の全てを出したいです。彼も言ったように、僕たちは “フレンド”です。色々あって僕たちが対戦することになって、これは仕方のないことですが、良い試合になるでしょう。クラシックなグラップラーと最高のストライカーの対決ですからね」
◆アンダーソン・シウバ「ここに来ることが出来て本当に嬉しいです。ブシェシャを相手に試合をできるのは幸せなことですね。(同じブラジル人同士)彼は、僕の“フレンド”ですから。自分のベストを見せられることを願っています」
“ブシェシャ”のニックネームで知られる柔術世界王者マーカス・アルメイダ(ブラジル・30歳)がONEでMMAデビュー。2019年のムンジアル(IBJJF主催・ブラジリアン柔術世界選手権)ウルトラヘビー級&無差別級優勝など、13度ものムンジアル優勝を誇る。
1R、ともにオーソドックス構え。右を振って一気に詰めてダブルレッグテイクダウンはブシェシャ! 右で差して抱き着くシウバにマウントを奪取。脇を開けさせて、シウバをパウンドで剥がすと、横を向いたシウバにハーフから肩固め狙い。いったんサイドに回り、上四方からヒザ蹴り! ノースサウスチョークを極めてタップを奪った。
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▼キックボクシング バンタム級 3分3R〇ペッタノン・ペットファーガス(タイ)65.55kg, 1.0107[判定3-0]×ジャン・チェンロン(中国)65.80kg, 1.0031
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▼ONEフェザー級(※70.3kg)5分3R〇ジェームズ・ヤン(米国)69.90kg, 1.0040[2R 2分00秒 TKO]×ロエル・ロサウロ(フィリピン)69.00kg, 1.0195
デメトリアス・ジョンソンの同門ジェームズ・ヤン(米国)がテイクダウンからポジショニング&パウンドで圧倒。ONE1勝2敗のロエル・ロサウロ(フィリピン)をパウンドアウトした。