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【iSMOS】北岡悟vs.小金翔は白熱ドロー、近藤有己がTKO勝ち、矢澤諒が大井洋一を下す

2020/07/31 11:07
 2020年7月31日(金)、『iSMOS.1』(イズモスワン)がパンクラスイズム横浜にて、無観客&ライブ配信で開催された。  前日計量では、フェイスオフで長身の小金を見据えた北岡に対し、現ZSTライト級王者の小金はベルトを肩に視線を合わせず。コメントでは、試合機会を得たことに感謝の言葉を述べながらも「明日は真剣勝負なので全力で僕が勝ちに行きたい」と語った。対する北岡は、「明日は小金翔と北岡悟の真剣勝負をニコニコプロレスチャンネルで見てください。よろしくお願いします」と、ゆっくりと意気込みを語っている。 ▼第4試合 71kg契約 5分3R SPONSORED by“そうなんだ! TV”△北岡 悟(71.35kg/パンクラスイズム横浜/ロータス世田谷)[時間切れ] ※判定無し△小金 翔(71.35kg/フリー)※現ZSTライト級王者  71kg契約で出場する北岡は、2019年7月28日の「RIZIN.17」でジョニー・ケース(米国)に1R終了時 TKO(コーナーストップ)負け以来、1年ぶりの試合。  対する小金翔は、2016年6月から9戦無敗(1引き分け)。180cmの長身を活かした四つ組みからのテイクダウンを得意としており、2連敗中の北岡にとって、決して与しやすい相手ではない。果たして、パンクラスイズム横浜のケージを使用した自主興行で復活を果たすことができるのか。  青コーナーがパンクラスイズム横浜所属選手。先に北岡が入場。短い呼吸で集中を高める。続けてZST王者・小金が「シャーッ!」と気合を入れてケージイン。  1R、いきなり右跳びヒザで飛び込む小金にシングルレッグに入る北岡は金網まで詰める。顔を剥がそうとする小金だが、北岡はハイクラッチで股をつかむとダブルレッグに移行。しかし察知して足を横に飛ばした小金に北岡は再びシングルレッグに戻す。ケージのポールが支点となりグローブで押す小金。  さらに再びダブルレッグも足を広げる小金は金網背に立ち続ける。シングルレッグにまた戻す北岡。頭を左に出す北岡に右手を差し込む小金。4分経過。テイクダウントライを続ける北岡の腕力はいかに。ゴング。インターバルは2分。  2R、右ストレート、アッパーがシャープな小金。その打ち終わりに右を入れて組み付いた北岡。右足へのシングルレッグに右手を差し込む小金。北岡は顔を胸につけてテイクダウンを狙うが、左に頭を出してクラッチを掴んだ北岡は小金の右足を引き寄せ両足で手前に引くが、足を抜いた小金は片ヒザ着きから背中を譲らず再びスタンドに戻す。  右足に深いシングルレッグは北岡。金網背に鉄槌を打つ小金だが、北岡はシングルで圧力をかけ続け、ラウンド間際に尻餅までつかせてゴング。北岡は両手を回す。3Rへ。  3R、小金の背中は北岡の圧力で金網の痕で赤くなる。左ミドルを当ててからシングルレッグは北岡。今度は左足にシングルレッグに入ると、押し込んでダブルレッグ狙い。右足へのシングルに切り返る。股下まで上がる北岡。右で小手に巻く小金。シングルからバックテイクを狙う北岡にそうさせない小金。  非常に力の入る攻防のなか、細かくパンチを頭に落とす小金だが、北岡の頭の位置は強いヒジを振りかぶって打つことは出来ない。左で差し返した小金が体を入れ替えると、小金が金網に押し込む。金網背に身体が伸びる北岡だが左で差して体を入れ替えると、ダブルレッグへ! ついに尻下でクラッチを組むと持ち上げてテイクダウンも、尻で座った小金。ゴング。  試合は時間切れ、判定無しのドローに。  試合後、小金は涙を見せながら「お世話をしてくれた人が試合をしてくれて大事な瞬間です。でも噛み合わず、うまく出来なかったのでRIZINでやり直したいです。ZSTのために踏ん張りたかったですけど、試合がなかなか動かなくて申し訳ないです。(最初の跳びヒザは)勝つんだったら打撃かなという作戦のなかで圧力に負けないよう先に仕掛けました。コロナのこんな中、格闘技を見てくれてありがとうございました」と挨拶。  続けて北岡は、「お疲れ様でした。志が高い試合でなかったですけど、僕のなかではやりきったし、攻めたと思うし、胸は張りたいです。引き分けで結果は出ていないですけど、自分は褒めてあげたいです。イベント名の最後の『生きる』『戦う』『そして、勝つ』の最後は出来てないですけど、to be continuedなので、“2”はやりたいです。全員に『ありがとう』と言いたいです。すごい状況を作ってしまったなと。クラウドファンディングもたくさんのご支援をいただいて。こんなこと自分がやれちゃうのはやばいですよね。こんな状況を作って。ほんとうにたくさんの方々、ありがとうございました」とインタビュースペースで感謝の言葉を語った。  最後に再び、全選手が揃ったケージのなかで北岡は、「たくさんの方々に、ほんとうにありがとうと。キリが無くて、メインもそうだし、ご支援いただいて、ZSTはチャンピオンを出していただいて、ほんとうにありがとうございます。信頼を持って戦えた。わざわざPCR検査を名古屋から受けにきてくれた選手もいて。僕のしょっぱい試合──といってもやり切ったから胸張っているんだけど、第1試合から削り合いで。『2』もやりたい。(リターンの)Tシャツ、150くらい僕が全部発送しましたからね。少し宛名書きを手伝ってもらったけど、梱包、発送、投函、全部やりました。みんな言ってほしいのあると思うんですけど。もともと僕の決めセリフじゃなくて、船木(誠勝)さんも『使ってくれてありがとう』と言ってくれてるので、使って締めたいと思います。『明日からまた生きるぞ!』、ありがとうございました」と、ケージのコーナーに記された言葉を叫んで、「iSMOS」第一回大会を締めた。 [nextpage] ▼第3試合 78kg契約 5分3R SPONSORED by“Ingram and STC”×餅 瓶太(77.8kg/和神会)[1R 4分08秒 TKO] ※タオル投入○近藤有己(77.9kg/パンクラスイズム横浜)  近藤有己が78kg契約で、ZST、Fighting NEXUS等でキャリアを積んできた餅瓶太(和神会)と対戦する。  前日計量で餅は「和神会所属、栃木から来た餅瓶太と申します。今回のカード、正直に言ってバグみたいなものだと思っています。組まれたことが。もう、どうせなら結果もバグみたいな結果にしたいと思います。皆さん、その瞬間をニコニコチャンネルでご覧になってください」とアップセットを予告。  対する近藤は、1996年のプロデビューから24年で104戦。このコロナ禍のなか、初めて「無観客」で臨む試合について、「試合ができる喜びでいっぱいです。一生懸命やります。よろしくお願いします」と、不動心で語っている。  互いにサウスポー構え。コールに左右と打ち下ろしのビンタを見せる餅。  近藤はいきなり左で尻餅をつかせる。立つ餅も左ストレートを突く。近い距離で右から左を当てる餅! 下がる近藤だが徐々に圧力をかけ始めると左ミドルをヒット!  右フックから入る近藤。さらに左。ステップが減ってきた餅。餅の飛び込みにカウンターを狙う近藤は右インロー。餅の飛び込みもかわし、餅が前がかりになったところに両脇を差してのテイクダウン! そのままマウントを奪うとパウンドに餅は背中を見せる。近藤のバックマウントからパウンドで、餅のコーナーからタオルが投入された。  試合後、近藤は「みんなのおかげです。パンクラスイズム横浜のみんな、格闘技を応援してくれるみんなのおかげです。それを力にこれからも頑張っていきます。餅選手、強くて気が抜けない。今までで一番最高の自分を出して戦いました。(序盤のパンチは)おかげ様で丈夫な身体に産んでもらったので。みなさんのおかげで自分は戦えています。これからも戦います。頑張ります」と感謝の言葉で勝利を振り返った。 [nextpage] ▼第2試合 61kg契約 5分3R×大井洋一(61.35kg/フリー)※THE OUTSIDER 55-60kg級王者[1R 2分09秒 TKO]○矢澤 諒(61.25kg/パンクラスイズム横浜)  61kg契約試合では放送作家にして現THE OUTSIDER55-60kg級王者の大井洋一が、パンクラスイズム横浜の矢澤諒と対戦。矢澤も元キックボクサー。2019年4月の「Fighting NEXUS vol.16」で井上涼太に1R TKO勝ちしている。  大井は高校時代に名門・山木ジムでプロキックボクサーとして8試合を戦うなど活躍後、2012年5月「THE OUTSIDER 第21戦」ディファ有明大会でMMAデビュー。朝倉海とも対戦し、2018年9月の「THE OUTSIDER第52戦」でTHE OUTSIDER55-60kg級王者となる。2019年5月のAbemaTVの番組『那須川天心にボクシングで勝ったら1000万円』では、那須川に挑戦する相手を決める「異種格闘技」部門のトーナメントで優勝経験も持つ。  大井は、前日計量で「北岡さんから連絡が来て、断る選択肢は無かったので、選ばれたことが凄く嬉しくて、あとはしっかりと戦って勝つことまでが求められているかなと思うので、しっかり勝つところまで見せたいと思います」とコメント。対する矢澤は「全力で戦って勝ちに行きます。見ていてください」と勝利を宣言した。  ともにオーソドックス構え。左ローから前に出る大井に右を当てる矢澤。詰める大井は左ジャブを突くが、矢澤も強いロー。大きな右は大井がかわす。しかし詰め返した矢澤が右ストレート! 後方に倒れた大井を見てレフェリーがすぐに間に入った。  劇的な勝利を決めた矢澤は涙を流しながら、「合宿して試合決まってから毎日が苦しくて逃げ出そうと思うくらいでした。頑張ってよかったです。ジムで『オマエのパンチじゃ倒せない』と言われていたんで、鼻クソをぶつけてやろうかと思います。右ストレートなんて当たったことない……。でも自分ではいいパンチだと思っていたんで良かったです。この凄い大会で勝利できて嬉しいです」と泣きじゃくりながら語った。 ▼第1試合 73kg契約 5分3R△友實竜也(73.15kg/ゼロ戦クラブ)[時間切れ] ※判定無し△木村裕斗(72.7kg/パンクラスイズム横浜)  73kg契約試合で木村裕斗と友實竜也が対戦。MMA10勝4敗、7連勝中の友實は北岡のDEEPジム時代の後輩。パンクラスイズム横浜の木村はアマチュア無敗。プロデビュー戦をホームで迎える。北岡イズムを継ぐと言われる木村は、「プロデビュー戦で相手の戦績もキャリアも全然、俺より上で。でも全然勝負できないとは思っていないので。全力で頑張ります」とコメントしている。  1R、ともにオーソドックス構え。右ローから入る友實。さらに強い右ミドルを当てて前へ。右で差して金網へ。後方に投げるとその立ち際をがぶりに。立ち上がる木村にノーアームチョークを狙う。  頭を抜き左で差した木村は投げてテイクダウン。友實の立ち際をバックにつくが正対する友實。左を振りながら左で差して金網に押し込む木村。友實は金網背に左で差して体を入れ替えると、四つから木村はクラッチを解く。  2R、右ローを蹴る友實にカウンターの右を振る木村だが、友實はダブルレッグテイクダウン。金網背に立つ木村は圧力をかけられ組みに行くが、切る友實はがぶり。木村のスイッチ狙いを切るが、左で差した木村はスタンドに。右で差して押し込む友實。離れて右ハイ、右ストレートを突くと、木村はダブルレッグ狙い。切る友實のがぶりに木村は左脇を潜りバックを奪い返し四つに持ち込む。圧力かけ右跳びヒザ、右ローと打ち込む友實はテイクダウンを仕掛けてゴング。  3R、打ち合いから内股で投げる木村だが、スクランブルで上になるのは友實。パウンドで右目瞼から出血は木村。再開はハーフガードから。亀になり立ち上がる木村に足をかけてバックを奪う友實。正対する木村にハーフからパウンドを打ち込み、マウントからギロチンチョークへ。しかし首を抜いた木村は足を戻し、スタンドへ。ホームらしい粘り強さを見せる。  しかし右目周辺の出血が多く、ドクターチェック。再開。右ミドルを当て前に出る友實は跳びヒザ。木村のダブルレッグを切るが、木村も亀から前転してヒールフックからアンクルに切り替え、ゴング。時間切れ判定無しの引き分けに持ち込んだ。  試合後、友實は「情けないです。北岡さん、申し訳ないです、盛り上げられなくて。ルールがこうなのでフィニッシュ出来なかった自分の力不足です。打撃で削ってあわよくば止められないかなと思っていました。極めが無かったです」とコメント。敗者の木村は「情けない。(最後の足関節は)仕掛けは出来たけど極まる感じはなかった。(デビュー戦だったが)相手がどうこうではなく自分のやるべきことをやろうと思っていました」と反省しきりのコメントだった。 松本幼稚園Presents iSMOS.1 Special sponsored Yutrition 大会当日のURL
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