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レポート

【PANCRASE】ISAOがアキラに完勝、端貴代がライカに競り勝ち、菊入が中村との激闘制す

2020/07/24 06:07
 2020年7月24日(金・祝)、新木場スタジオコーストにて『PANCRASE 317』が開催された。 PANCRAES 316 7月24日(金・祝)スタジオコーストロビーOPEN 14:00 / 客席OPEN 14:15 / START 14:45※プレリミ3試合は14時45分、メインカードは15時15分、ネオブラは18時に開始予定 ▼メインイベント 第8試合 フェザー級 5分3R○ISAO(NEVER QUIT)65.8kg[判定3-0] ※30-27×3×アキラ(武蔵村山さいとうクリニック/&mosh)65.1kg  2014年にPANCRASEのライト級王座を返上したISAOは、2018年4月に松嶋こよみと対戦し、松嶋のヒザ蹴りによる反則勝ちで暫定王座戴冠も、そのヒザ蹴りの負傷で1年1カ月間、長期欠場。2019年5月の「PANCRASE 305」にて、当時・正規王者だったナザレノ・マレガリエ(アルゼンチン)を相手に暫定王者として対戦し、判定勝利。統一王者となっていた。  前戦は2019年10月、元PXC元バンタム級王者のカイル・アグオン(米国)を相手に判定2-1のスプリットで勝利。王座防衛とともにリヴェンジに成功している。今回は約9カ月ぶりの試合となる。  対するアキラは、ライト級からフェザー級に転向初戦。2019年9月「Road to ONE:CENTURY」でライト級(※77.1kg)で対戦した岡野裕城戦(2R TKO負け)以来の試合。2018年11月にソリホン・サドゥロエフに2R TKO負け、2019年4月には冨樫健一郎にも判定負けで、3連敗なだけに、今回の階級転向で、白星を掴みたいところ。  1R、アキラの最初のシングルレッグを頭を押さえ、バランスを保つISAO。アキラは股下に挟んで回そうとするが、足を抜いて切ったISAOが打撃で圧力をかけると、アキラは再びシングルレッグへ。腹固めでとらえてきったISAOがチョークへ。深く入りかけるがアキラは凌ぐ。1Rの採点は3者10-9でISAO。  2R、アキラの左に右をかぶせるISAO。右フックには右ストレートを打ち返す。さらにISAOは足払い。凌ぐアキラはシングルレッグも、ISAOはことごとく切り、離れ際にヒジも狙う。逆にISAOがダブルレッグに入るが、ここはアキラも切る。ISAOはアキラの突っ込みにギロチンを合わせるが、アキラも首を抜く。2Rの採点も3者10-9でISAO。  3R、アキラのハイクラッチのシングルを着地して切るISAO。大きな右フックを振って入ったアキラにカウンターのダブルレッグテイクダウンはISAO! 立ちに行くアキラの際でことごとく上を取るISAOが最後はハーフから細かいパウンドでブザー。打撃のみならず組みでも恐るべき強さを見せたISAO。  判定は30-27の3者フルマークでISAOが勝利。ベルトを肩にかけた王者はデカゴンの中で、「練習をしてきたことをやろうやろうと思って硬くなってしまい、ポジションを取ったところで終わる寂しい展開になってしまいましたが、もっとフィニッシュできるようになりたいと思います。PANCRASEのチャンピオンとしてどんな選手とでもどんな団体とでも戦って勝ち続けられるようになっていきたいと思います。この日本中、世界の人々が大変ななか、ご来場いただき、動画でも見ていただき力になりました。ありがとうございました。これからもっと活躍していきたいと思うので、応援よろしくお願いします」と語った。 [nextpage] ▼セミファイナル 第7試合 フライ級 5分3R×ライカ(RIGHT THING ACADEMY)2位・56.4kg[判定0-3]※27-30×2, 28-29○端 貴代(和術慧舟會 AKZA)3位・56.15kg  フライ級のライカvs.端貴代は、もともと4月12日に予定されていたカード。  ライカは、元女子プロボクシング世界王座三階級制覇者。2014年1月にボクシングを引退すると、2014年からキックボクシングとMMA(総合格闘技)に参戦。MMAでは現在10勝6敗1分。2016年11月から6連勝していたが、2017年7月のPANCRASEでロシアのクセニヤ・グーセヴァに判定負け。12月にはエジナ・トラキナスにスプリット判定勝利したものの、2019年4月にはブラジルのマイラ・カントゥアリアに腕十字で一本負けと白星と黒星を繰り返すことに。しかし、2019年7月にグレイシ・ファリアにリアネイキドチョークで一本勝ちすると、10月にはアニー・カロリネにスプリット判定勝ちと、ブラジル勢に2連勝している。  対する端貴代は、女子格闘技のパイオニアの一人。2004年9月のMMAデビューから約15年半のキャリアで16勝8敗1分の戦績を誇る。SMACKGIRLミドル級とDEEP JEWELSバンタム級でベルトを獲得。米国Strikeforceで女子世界ウェルター級(-61kg)王座戦、Invicta FCフライ級王座戦(いずれも判定負け)に臨むなど、世界を舞台に活躍してきた。  2018年2月からPANCRASEに参戦し、ブラジルのバーバラ・アシオリには一本勝ちも、4月大会でシッジ・ホッシャに判定負けでPANCRASE女子フライ級王座獲得ならず。9月の再起戦では、マイラ・カントゥアリアに判定負けを喫している。  これまで、PANCRASEでは2016年7月の中井りん戦以外、海外勢と対戦してきたライカ(MMAでの対日本人は2017年2月の空手こまち戦以来)。端もPANCRASEでは3戦すべてが海外勢。対日本人は2014年5月DEEP JEWELSでの杉山しずか戦以来の試合となる。  ボクシングのライカと組み技の端の構図だが、近年のライカはケージレスリングで戦う場面も多く、7月のファリア戦では左フックでダウンを奪った際にパウンドではなくチョークを極めている。また対する端も得意のグラップリングを活かすために、粘り強いジャブ&ローを武器としている。ライカは端の組みを切るためにもレスリング力が問われ、端もライカに決定打を許さない距離での戦いが求められる。カントゥアリアに一本負けしたライカと判定で敗れている端。格闘技界のベテラン対決は熾烈なサバイバルマッチとなる。  42歳の端と45歳のライカ。若手を好む多くの団体では敬遠される円熟女子ファイター同士の対戦は、女子ストロー級暫定王者となった藤野恵美をはじめとする“ババアなめんな”路線で、積極的にベテランの実力者を起用してきたPANCRASEならではのマッチアップだ。  公式プレスリリースでは、この試合に異例の「この試合をパンクラスでやれる事に誇りを持つ」とのコメントから、「2000年にデビューしたボクシングで頂上の景色を見て、一からMMAに転向して来たライカと、2000年初頭のジョシカク揺籃(ようらん)期から世間とも戦い、2度の頂点に立った端。別な世界ながら同じ様な環境で生きて来たかもしれない格闘技人生の、2人の答えがここにある」──と紹介されている。  1R、ライカの右の打ち終わりに右で差して組んだ端。いったんは体を入れ替え、クリンチボクシングはライカも再び右で差してテイクダウンした端がバックテイクし、両足もかけてリアネイキドチョークを狙う。  2R、右で差して小外を合わせてテイクダウンは端。金網使い立つライカだが、端は右で差して煽ってテイクダウン。クルスフィックスから鉄槌、アメリカーナ、リアネイキドチョークを狙う。  3R、ワンツーの左フックをヒットさせ、それを起点にボディ打ちと入りを変えるライカ。しかし端も打撃で応戦し前蹴り、さらに低いダブルレッグテイクダウン。腰を逃がそうとするライカだが、端は抑え込み、バックを狙いブザー。判定は3-0(30-27×2, 29-28)で端が勝利。  試合後、勝者は「気持ちが大事だと思いました。たくさんのお客さんに観てみらえるような環境で試合をしたいです」とコロナの収束を願った。またバックステージでは、「とにかく連敗もあったので勝てて良かったです。相手の連打もあったのですが、次第に自分の距離になり、自分も打撃を返せたのがよかったです。そこは気持ちの勝負でした。今後は誰が相手でも自分が出せる試合をしたいです。今はこんな状況ですが、今まで応援してくれた人に生で勝った姿を見せられるようにこれからも頑張ります」と力強く語った。 [nextpage] ▼第6試合 ウェルター級 5分3R×中村勇太(T-Rex Jiu-Jitsu Academy/6位)77.3kg[2R 2分35秒 TKO] ※右ストレート、前蹴り→鉄槌○菊入正行(NEVER QUIT)76.65kg  ウェルター級ランキング6位の中村は、GLADIATOR、台湾RFC、韓国NeoFight、PANCRASEで現在5連勝中。2019年11月にはミドル級でも戦い、一慶との再戦でスプリット判定勝利。サウスポー構えからの左ストレートと強い組み技で一慶に競り勝っている。  対する菊入は、2017年10月から上原広誉、高橋弘、小林裕、草・MAX相手に4連勝も、2019年は4月に粕谷優介に1R TKO負け、7月に岸本泰昭と判定1-1のドローとなっていた。11月10日の「PANCRASE310」ではクリス・ダンカンとの対戦が予定されていたが、10月に練習中の怪我により欠場。今回は10カ月ぶりの復帰戦で階級を上げ、ウェルター級で戦う。  キャリア豊富なベテランと戦う菊入はウェルターでも自慢の打撃を決めるか。それとも組んでからの組み立てでは勝るであろう中村が、2020年PANCRASE福岡勢として初白星を飾るか? 新型コロナウイルスの影響で3月大会を中止としたPANCRASEだが、4月12日新木場大会からの再開で、試合を渇望するファイターたちによる各階級のランキング戦線も激しさを増しそうだ。  1R、サウスポー構えの中村にオーソドックス構えの中村。右で差してテイクダウンを狙う中村を切った菊入が右で3度ダウンを奪うが、立ち上がる中村が右を当て反撃。しかし、菊入の右で中村が4度目ダウンもブザー。2Rへ。前に出る中村だが、冷静な菊入は左ボディを突き、右ストレートを効かせると、右前蹴り! 後方にダウンした中村をパウンドアウト。メインのISAOに繋げた。 [nextpage] ▼第5試合 フライ級 5分3R○杉山廣平(SPLASH)12位・56.85kg[2R 4分06秒 リアネイキドチョーク]×有川直毅(K-PLACE)14位・56.9kg  派手さは無いもののコツコツと実力をつけている2人、もう1段階上に行く為の壁は壊せるか。1R、杉山がボディロックからテイクダウン。有川の立ち際にバックテイクし、リアネイキドチョークを狙う。2R、組みから引き込み気味に尻を着いた杉山。下からシングルレッグで立ち、右で脇差して前方にあおってバックテイク。何度か腰をズラした有川だが、バックつかれリアネイキドチョークにタップ。 ▼第4試合 バンタム級 5分3R×平岡将英(KRAZY BEE)12位・61.4kg[判定0-3] ※27-30×2,28-29○花レメ紋次郎TK(リバーサルジム新宿Me,We)61.1kg  2019年、2回目のネオブラで3試合を判定勝利で優勝し、次のレベルへと歩み出した平岡。対するは2019年5月に4年ぶりの試合で坂野周平にスプリット判定負けしている花レメの一戦。  1R、サウスポー構えの平岡に対し、オーソドックス構えの花レメは前足へのシングルレッグからダブルレッグに移行しテイクダウン。いったんはニアマウントになるが、足を戻す平岡。2R、スタンドでは長いリーチ活かし、ジャブ、ボディストレートを突く平岡だが、花レメは再びシングルレッグ&ダブルレッグでテイクダウン。3R、平岡の打ち終わりに右を振ってシングルレッグから反対の足に変えてテイクダウン。平岡の両足を4の字ロックし、上半身も寝かせるとコツコツとパウンド。 [nextpage] ▼第3試合 バンタム級 5分3R○土肥 潤(総合格闘技道場MIBURO)60.35kg[判定3-0] ※29-28×2, 30-27×関原 翔(リバーサル東京スタンドアウト)60.95kg  2019年11月のパンクラス大阪大会で三村亘と対戦。スプリットに泣いた聖帝がスタジオコーストに出場。1R、サウスポー構えの土肥にオーソの関原。シングルレッグでテイクダウンは土肥。関原の立ち際をバック奪い、ワンハンドでリアネイキドチョークを狙うが、腰をズラした関原は極めさせず。ニンジャチョークを狙い、残り30秒で立ち上がる。  2R、ローをカーフで狙う関原、さらに左ハイもキャッチしダブルレッグテイクダウンは土肥。金網際でバックを狙う土肥に関原も警戒し背中を譲らず立ち上がるも、再三土肥はダブルレッグテイクダウン。ここも土肥のラウンドに。  3R、シングルレッグでテイクダウンし、右で脇差しディープハーフからバックテイクする土肥。正対し金網まで這い上体を立てる関原はヒジ! 出血する土肥に詰める関原は右ストレート! 回る土肥は渾身のシングルレッグでテイクダウン。上のままブザーを聞いた。  判定は3-0(29-28×2, 30-27)でドミネートした土肥が勝利。疲労困憊の両者はともにマットに横たわった。 [nextpage] ▼第2試合 フェザー級 5分3R×小森真誉(GRABAKA)65.3kg[1R 3分12秒 リアネイキドチョーク]○透暉鷹(ISHITSUNA MMA/初参戦)65.5kg  ケージ際で四つ組みからボディロック、小外がけでテイクダウンを奪う透暉鷹はバックに。いったんは落としてスイッチを狙った小森だが、外してスタンドバックを奪った透暉鷹は背中に飛び乗って、セコンドの日沖発ばりのリアネイキドチョークを極めた。 ▼第1試合 ライト級 5分3R×平 信一(綱島柔術)70.2kg[2R 2分14秒 TKO] ※パウンド○葛西和希(マッハ道場)70.05kg  棚ぼた的にメインカード枠昇格した葛西だが、その実力を疑う者はいない。平はホームのZSTで勝利しているが3連勝なるか?  1R、四つから先にテイクダウンを奪ったのは葛西。上半身を立てる平を寝かせハーフから攻める。2Rも小外でテイクダウンした葛西。立つ平がバックスープレックス。しかし頭を打ったか肩を外したか平が動けず。鉄槌を浴び、TKO負け。 【プレリミナリー】 ▼第3試合 フライ級 5分3R○安永有希(東京イエローマンズキュート)56.95kg[判定] ※30-27×3×聡-S DATE(Team DATE)56.4kg ▼第2試合 フェザー級 5分3R○櫻井裕康(NEVER QUIT)65.15kg[判定3-0] ※30-27, 29-28×2×風間敏臣(和術慧舟會HEARTS)64.6kg ▼第1試合 バンタム級 5分3R×力也(KRAZY BEE)60.8kg[2R 3分55秒 フットチョーク] ※センタク挟み○聖王DATE(Team DATE)60.2kg [nextpage] 【2020年・第26回ネオブラッドトーナメント】 ▼第9試合 ミドル級 1回戦 5分3R×山下 剛(マッハ道場)[判定0-3] ※27-30×3○廣野雄大(パンクラスイズム横浜) ▼第8試合 ミドル級 1回戦 5分3R×村元祐成(ハイブリッドレスリング鹿児島)[判定0-3] ※28-29×3○荒井勇二(GUTSMAN) ▼第7試合 ライト級 1回戦 5分3R×春川広明(パラエストラ広島)[判定0-3] ※28-29×3○中田大貴(和術慧舟會HEARTS) ▼第6試合 ライト級 1回戦 5分3R×鹿志村仁之介(ストライプル茨城)[1R 1分47秒 TKO] ※タオル投入○狩野 優(TRIBE TOKYO M.M.A) ▼第5試合 フェザー級 2回戦 5分3R○井上雄斗(パラエストラ加古川)[2R 4分17秒 TKO]×DARANI DATE(Team DATE) ▼第4試合 バンタム級 2回戦 5分3R○宮島夢都希(KRAZY BEE)[3R 1分22秒 TKO] ※パウンド、タオル投入×大谷啓元(パンクラスイズム横浜) ▼第3試合 フライ級 1回戦 5分3R○山中憲次(FREEDOM@OZ)[判定3-0] ※30-27×2,29-28×井上暉也(パラエストラ加古川) ▼第2試合 フライ級 1回戦 5分3R×田代悠生(パラエストラ千葉)[1R 3分58秒 リアネイキドチョーク]○坪内一将(総合格闘技道場コブラ会) ▼第1試合 フライ級 1回戦 5分3R×西村大輝(ALLIANCE)[1R 2分53秒 TKO] ※鉄槌○梅川毒一郎(総合格闘技道場コブラ会)
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